Oculusが明かす、手を使うVRコンテンツづくりの勘所【CEDEC】

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24〜26日にパシフィコ横浜にてゲーム開発者向けのイベント「CEDEC 2016」が開催された。本原稿では、26日の「手と指がVRの中にある:Oculus Touchのインタラクションデザイン」という講演をピックアップしよう。

 
OculusでPartner Engineering Specialistを務める近藤 義仁氏、および井口健治氏が、Oculus Rift向けモーションコントローラー「Oculus Touch」を紹介し、後半ではTouchをVR体験に組み込むときの注意点を披露した。特に後半が興味深かったので、その中から印象に残った2テーマをまとめていく。

 
 

現実と同じ表現がいいとは限らない

 
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まず大前提として、自分の手の動きとVR空間内のCGの手はぴったりと追従することが求められる。自分の手が1cm動けば、VR空間内の手も1cm動く。このトラッキング精度を守ることで、VR空間で違和感なく手を使うことができる。

 
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現実の動きや表現と同等に近づけることが、常に高い没入感を提供するとは限らない。例えば、写実的な手のCGをVR空間内に表示すると、自分の手との差を気にしてしまい、かえって体験が損なわれてしまう。

 
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そこで、Oculusの提供したデモ「Toybox」では、ややぼんやりと光るようなCGで手を表現した。

 
また、CGの手がVR空間内で壁にぶつかるときは、ワイヤーフレームで表示して光らせて衝突を再現するなどの工夫を加えている。ただし、この方法が常にベストとは限らないので、色々な方法を模索してほしいとのこと。

 
 

VRと現実の違いを意識した開発の重要性

 
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VRと現実では、周辺の条件が異なっている。例えば、VR空間内で引き出しを開けるときに、手は手前側の一方向にしか動かないようにしたいが、現実には引き出しはないため、動かそうと思えばどんな方向にも動かせてしまう。これが感覚の不一致につながってしまう。対策としては、動かし続ける操作は入れず、「スイッチを押す」といったようになるべく瞬間的な操作を推奨していた。

 
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何かのオブジェクトを選択する、取るときに、何を選んでいるかがわかるようにすることも重要だ。

 
 

定石はないので多くのテスターさんと検証を!

 
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井口氏によると、VRのインタラクションデザインはまだ確立されたものではなく、本講演で紹介した内容も一例である。また、開発者自身は開発された内容に慣れてしまいがちなので、必ずテスターさんと一緒に検証を繰り返してほしい、と語っていた。

 
なお、今回は「手」に関するインタラクションデザインの講演であったが、「VR酔い」に関する内容はCEDEC2015で講演済みだ。ご興味ある方は、こちらを参照いただきたい。

 
 
(Text by @WheetTweet)

 
 
●関連リンク
(CEDEC2015 講演) すべては快適な体験のために:Oculusによる実践的VR開発技法
Developer向け、Oculus Touchに関するドキュメント(英語)

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