中国でも躍進を見せるVRアトラクション店舗 LaKe VR(楽客VR)の「VRLe」とは?

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昨今のVRといえば、家庭で遊ぶというよりは、ネットカフェやアトラクションなど、外で体験できる店舗が目立っている。「VR ZONE Project i Can」や東京ジョイポリスの「ZERO LATENCY VR」、「VR THEATER」などさまざまなサービスが登場してきている。

 
では国外ではどんな状況なのか? 台湾在住で、電子機器の動向や中国のVR事情に詳しいEji氏にご解説いただいた。

 
 

中国で2000店舗以上を抱える「VRLe」

 
「最近、VR界隈はちょっと元気がなさそう」と思っていませんか?

 
Oculus Riftはなんか滑ってる?

 
HTC Viveはいい感じだけど手を出すまでもない?

 
エンドユーザーから見ると、本命はPlayStation VRという人は多いそうです。となると、PS VRを超える投資だと中々食指が動かないかもしれない。「VR元年」の3分の2が過ぎてるのに、大きな動きが見えないから、「元気がない」イメージに見えるのかもしれません。

 
ただ、それもそのはず。ハイエンド系であるOculusとViveは、アーリーアダプター向けの販売以外はどっちかというとB2Bの方が活発で、それらを合わせてみると印象は多少好転するでしょう。例えば日本では、VRZONEが話題だったり、ジョイポリスもZero Latencyを展開したりと、段々と広まりを見せています。

 
そして確かに中国でもVR界隈の動きが大きくなってるようです。その中から、B2B関連をちょっと覗いてみましょう。

 
 
8/27、Leke VR(楽客VR)は「VRLe」プラットフォームの新しいバージョンの発表会「VR-PARK生態大会」を行いました。タイトル通り、Leke VRは主にVRpark(VRアトラクション店舗)の普及を狙って、中国国内ネカフェ業者の19社と連携を取って、HTCも協力関係を構築しています。

 
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VRLaのウェブサイト。

 
現状、VRLeがサービスを提供してる店(直営ではなくネカフェ経営者、ここは店舗数でカウント)は2057店であり、コンテンツは多様のためネカフェ的でも、カラオケ的でもあります。累積アクセス回数は524万回、一人当たり平均消費を50人民元(約778円)で計算すると、売上2.5億人民元(約38.9億)。

 
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各店舗の内訳を眺めると、20〜50m2の小型店は70%、50〜300m2が25%、3002以上の大型店は5%程度となります。さすがの人口数なので、店はすでにたくさん! 写真はmoduo(魔多)の記事より引用。

 
CEOの何文芸氏曰く、この一年での成長で、現在のVRコンテンツが増える速度はほぼ毎日一本の速度で増えてる。そして店舗も大都市から地方都市へと拡散してる。Leke VRは、この流れにうまく乗って、勢い付けて自主ハード、ソフトを推し進めるとのこと。

 
Vive向けの独自のケーブルスタンドとカスタムタイトルも制作。VRLeもサードパーティーのハードに開放しており、Omni、KAT、中国製の「反重力」に対応して、オープンスタンダードを狙ってる。

 
VRLe の現バージョンは3.3で、次の4.0ではストア側でアプリを管理したり、自動アップデートできる機能を組み込んで、自営業者の利便性を高める予定だ。もともとVRLeではユーザーは自分でゲームを選べて、その場で決済できるため、ストア側は最低限の現場スタッフで運営可能となり、コストも抑えられる。

 
VRゴーグルではOculus RiftとHTC Viveに対応しており、海外のプラットフォーム業者からタイトルを導入する。コンテンツを集めて業者に提供し、プレイヤーから課金した売上を配分することで、VR業界の展開をサポートしているわけです。

 
このVR-PARKの展望は、もしかするとネカフェと同じ展開を辿るのではと予想しています。中国のネカフェ市場は、15年で400億人民元(約6223億円)規模まで成長しました。その中にいろいろなゲームタイトルが投入されて、成長を押し上げています。

 
だから、中国のVRアトラクション施設市場もこれからの10年(2015〜2025)は、同じ規模(400億人民元?)へ成長するのでは、というのがLeke VRの持論となります。

 
 

アメリカよりもVRに関心が高い中国?

 
発表会には、HTC Viveのイベントでおなじみの台湾HTC Corporation、VR部門の担当副社長であるRaymond Pao氏も登壇して、Leke VRは一年間でよくここまで成長したと感慨深く語っていました。

 
VRのメインプレイヤーとして、HTCは今後VRは様々の界隈で革命を起こすと考え、市場の規模は膨大になる。その予想市場にゲームは半分以上に占められるのではと想定。

 
そしてアメリカと中国の「これから半年内でVR関連を購入するかどうか」という調査を挙げています。それによれば、「購入を検討する」がアメリカ12%、中国19%なうえ、コンテンツを多数購入するつもりがアメリカ20%、中国23%と、アメリカより中国が活発になっているとのこと。さらに84%のプレイヤーは有料コンテンツに興味を持って、さらに月額100人民元(約1556円)以上消費する人は46%以上に達していた。

 
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青のグラフがアメリカ、赤が中国。moduo(魔多)の記事より引用。

 
この数字を背景にして、長期間での視点で見ると、開発者はVRのポテンシャルを信じる比率が95.5%に達しているという。まさにゴールドラッシュだ。

 
その中で、Viveは開発者一番増えてるプラットフォームだと自負しているとのこと。そりぁ中国チームの人数が多いし、発表も早いから、先頭に立つのは当たり前だよね。

 
HTCが今年秋にローンチ予定のコンテンツ配信プラットフォーム「Viveport」についても触れていた。まずはB2Bベースで中国と欧米のコンテンツを交流して、市場を創出。

 
経済学的見ると、アーリーアダプター向け製品は、市場期待を上回る価格となってしまった場合、需要が満たされないので、剰余価値が発生するから、「VR機器をレンタル」という結論に達するのは大して時間がかかりませんでした。

 
ならば乗るしかない、このビッグウェーブに。

 
まだまだ機器が高価な時期において、この展開は避けられそうにないため、コンテンツ制作者から見ると、SteamなどB2C向けプラットフォームで一回売り切り的なコンテンツを出す場合、レンタルで無断転用される確率が高いので、中には気が乗らない人もいるでしょう。

 
Leke VRのVRLeは、その隙間を狙って発展させてきました。ただ、こう見ると、中長期におけるVR設備の低価格化は、VRアトラクション店舗の一部の需要を食ってしまうかもしれません。

 
 

B2CからB2Bに舵を切ったLaKe VR

 
インテル中国でPC&IoT戦略チーフを務める、Jeff Hsueh氏も登壇。先日発表した「Project Alloy」を持ち出して、中国における2015〜2020年のVR市場規模を独自想定していました。

 
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中国のVR市場成長予測。moduo(魔多)の記事より引用。

 
インテルから見ると、さすがにハイエンドVRの高付加価値なチップは他社に抑えられてしまって多少遅れが出てるが、それでもVRアトラクション店舗は(同社のCPUを含む)ハイエンドPCを売り出すのに重大なルートになる。

 
この見通しを語るには、Leke VRの創始者が適任ということで、再び何文芸氏が現れた。実はLeke VRも、当初コンテンツ配信プラットフォームを狙っていたが、2015年4月に展開を始めたときの完成度は低かった。同時にコンテンツ配信プラットフォームビジネスの見通しも思ったより悪かった。そこで、ネカフェ想定のプラットフォームへ路線変更。VRLe 1.0はこうして誕生したわけです。

 
そうした変更と同時にコンテンツの確保も急務となりました。2016.4、LeKe VRはコンテンツ確保のために資金を投入。独占、優先発送、連合運営、コンテンツカスタマイズ、版権買取など、様々なパターンが提供されて、この中にすでに単価100万人民元(約1556万円)規模の案件が誕生しているそうです。

 
内訳を見てみると、FPS系は最大手で31%、観覧式コンテンツ21%、テーブルゲームが16%、ホラーが11%、スポーツは8%、アドベンチャーは4%、一番少ないのは操縦シミュレーションの2%。

 
そしてこの中に、ネット対戦ゲームは5%しかない。現状VRでのネットゲームはいろいろ制限があるものの、やはりポテンシャルは大きいと考えるし、据え置きゲームに近い現状は、版権保護の視点から見ても、ネットに切り替えるのは時間の問題なのではと。

 
ほかにもG2A.comのVR責任者、Marcin Kryszpin氏が登場して、欧米企業として今後AAA級タイトルにおいて中国を優先投入することを明言していました。

 
イベントの最後はLeke VRの投資者で、Durplam社のCEO、胡斌氏が登壇。中国においてVRの熱度は海外と引き取らないと感じとり、全体的VRは多少熱度が落ち込んでるけれども、Leke VRが抱えているユーザー、ルート展開から見ると、プラットフォームとしての見通しが明るい、いい投資になってると自負する、当初の打ち合わせは一時間もしないうちで投資を決めた、と打ち明けていました。

 
 
以上が、Leke VRのVRLeプラットフォーム発表会です。Durplam社はモバイルゲームが本業で、日本におけるコロプラやGREE、gumiなどの企業におけるVR熱との図式が一致しますが、エンドユーザー向けハードの拡散が予想より遅く、中国は早々B2Bアトラクション向けに切り替えている。ここで最初の話題に戻りますが、なぜ多少の温度差が感じ取れたというと、「アーリーアダプター向けステージでB2Cで進める決定はうまくいってないのでは」という考えが業界で広まって、業界一部の反応が早い人による転進に取り残された雰囲気があったからです。

 
VRアトラクション店舗で、一回Viveを遊ぶには100人民元(約1556円)以上もかかる。これはすごい。ただ、この相場はたぶんそんなに持たないのではと予測しています。

 
一方、この転進自体が次につながれば、やがって市場全体盛り上がることの推進力にもなる。そこで、中国においてLeke VRはそれなりにいい見通しを見せました。まるでSteam VRのオフライン版が立ち上げられ、そこにHTCがViveportを投入する思惑にも入ってる。

 
この8月には一体型HMDは、Project Alloyだけではなく、クアルコムの「Snapdrargon VR820」も発表されています。いずれB2Cの展開は、クライアントハードが低価格化されたときに再開するだろう。B2Bで展開したコンテンツはB2Cに戻ってくる可能性は十分あります。

 
ただ、版権保護のため、ネット経由前提になることも業界人に予想され、VRを加えるだけでは、あの据え置きゲームの黄金時代は戻ってこないかもしれないかもしれません。

 
 
(TEXT By Eji

 
 
●参考文献
5分钟带你看完乐客 VRPark 生态发布会
乐客 VR 线下店开了一场生态大会,这里也有一颗成为平台的心

 
 
●関連リンク
LaKe VR(楽客VR)
VRLe

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