「IFA 2016」VRまとめ クアルコムやアルカテルも参入の一体型VRゴーグルに流行の兆し!?

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ドイツ・ベルリンで9月2〜7日に開催されたコンシューマーエレクトロニクスショー「IFA 2016」では、最新のスマートフォンやPC、家電などあわせて、VRやAR、ヘッドマウントディスプレー関連の発表&展示も行なわれました。ざっとまとめていきましょう。

 
 

クアルコムが一体型リファレンスモデルを開発

 
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チップセットメーカーのクアルコムは、プレス向けの発表会を行ない、スタンドアローンで動作するVR HMDのプラットフォーム「Snapdragon VR820」を発表。会場ではリファレンスモデルも展示し、デモを行なっていました。

 
このリファレンスモデルは、クアルコムと中国企業のGoertek社が共同で開発。CPUにSnapdragon 820を搭載し、バッテリーも内蔵しているためケーブルレスで単体で動作します。

 
センサーはアイボールトラッキング用のカメラ(2個)と6DoF(Six degrees of freedom)用フロントフェイスカメラ(2個)、加速度計、磁気センサー、ジャイロなど。シースルーアプリケーションやマイク(4個)も装備しています。

 
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展示していた製品はリファレンスモデルのため、これがコンシューマー向けにリリースされるわけではありませんが、今後各メーカーがこのリファレンスモデルを参考にして製品を開発することができます。

 
 

アルカテルもスタンドアローン製品を発表

 
アルカテルもIFAブース内で一体型のVRHMD「Vision」を展示していました。アルカテルと言えば、2月にバルセロナで開催されたMWCでは、スマホを収納しているケースがVR HMDになる「IDOL 4S」をリリースしており、VR HMDに力を入れているメーカーのひとつです。

 
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Visionも本体にディスプレーやCPU、バッテリーを内蔵し、単体で動作するタイプ。ディスプレーはフルHD(1920×1080ドット)を左右2枚搭載。CPUは現地説明員によると、サムスンのGalaxy S6と同じものを採用しているとのこと。ただしSnapdragonではないそうで、Exynos 7420と思われます。

 
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左側面。

 
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OSはカスタマイズしたAndroidを使用。操作は本体側面のタッチパネルで行ない、Gear VRなどと同じ操作性です。発売時期は未定ですが、価格は500ユーロ(約5万7500円)前後とのことです。

 
クアルコムとアルカテル、どちらもスタンドアローンタイプのVR HMDを発表していますが、インテルもIFAに先立ち開催した開発者イベント「IDF」で「Project Alloy」を発表しています。今後このタイプの製品が注目を集めていくことになりそうです。

 
 

AcerはStar VR出荷スタートをアナウンス

 
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AcerはIFA関連イベントの発表会にて、未発売となっていたStar VRの出荷をスタートしたと発表しました。ただしこれはIMAX Corporationが展開するIMAXシアター向け。コンシューマー向けは引き続き未定となっています。

 
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発表会会場ではデモも行なわれていましたが、多くの人が行列をつくって待つほどの人気で、移動の予定が入っていた筆者は体験できず。さらに展示してある製品も正面からの撮影のみ許可され、レンズ側は見せてもらえないという厳戒態勢。コンシューマー向けにはまだ時間のかかりそうな雰囲気です。

 
 

VR市場の隆盛で「AMD is Back!」

 
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IFAの基調講演では、AMDの上席副社長兼CTOのマーク・ペーパーマスター氏が登壇。VR HMD自体の発表はありませんでしたが、現在ラジオ、テレビ、PC、モバイルデバイスにつづく大きな転換期がやってきており、それがVRやARを使った「Immersive Computing Era」(没入型コンピューティングの時代)になると解説しています。

 
GPUやCPUのパワーがあがったため、「Oculus Rift」や「HTC Vive」「PlayStation VR」といった製品が市場で人気となっているのが、没入型コンピューティングの時代に突入した証拠。ただし、現状では一般的な層までには普及していないため、VRやAR用のコンテンツを制作しても、制作費が回収できない状況にあるとのこと。

 
AMDは「Radeon RX」やプロ向けの「Radeon Pro」シリーズを発表し、低価格帯のPCでもVRやARが楽しめるようになってきていることをアピール。さらに次世代CPU「Zen」はICPが40%向上しており、VRコンテンツの再生にも効果的であるとのこと。

 
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また「Radeon Pro SSG」と呼ばれるSSDを内蔵した「Radeon Pro」を使うと、8Kコンテンツのレンダリングが、Radeon Pro SSG非搭載のモデルと比べて約5倍のスピードで処理可能。VRコンテンツの制作速度があがり、コストが下げられます。

 
最近はライバル会社に押されて低迷気味だったAMDですが、没入型コンピューティングの時代を迎えて「AMD is Back!(AMDは帰ってきた!」とペーパーマスター氏が力説。VRやAR市場に注力していくようです。

 
そのほかソニーブースではリリース間近の「PlayStation VR」や、背面に背負うPC「XMG Walker」が「HTC Vive」を使ったデモを行なっていました。さらにサムスンはGear VRを使ったアトラクションを4つも敷設。

 
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ソニーブース。

 
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サムスンブース。

 
VRやAR関連の展示は全体としてはまだまだ少数ですが、ブースの来場者やデモプレーに並ぶ人も多く、大注目の分野となっていることは間違いないようです。

 
 
(TEXT by 中山智

 
 
●関連リンク
IFA 2016

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