PS VR「サマーレッスン」 ― 俺はゲームしたいのか、宮本ひかりに会いたいのか【だいぶVR #02】

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PANORAをご覧の皆さま、ご無沙汰しております。PANORAでお手伝いをしていますフリーのゲームライター、津久井箇人です。不定期連載VRコンテンツレポート企画「だいぶVR」、コンシューマ機としては初の本格VRデバイスとなるPlayStation VRの発売を迎え、満を持しての第2回をお届けしたいと思います。

 
尚、「だいぶVR」の目的は、「体験」しなければなかなか伝わらないVRの魅力を、できる限り文章でお伝えすることです。レポート記事を読んで少しでも「気になる!」と思っていただければ幸いです。そのため「そんなの知ってるよ!」という基本的な部分にも触れていくので、そういうところはジャンジャン読み飛ばしてください(笑)。ヨロシクお願いします。

 
さて、久々となる第2回。お届けするタイトルは、バンダイナムコエンターテインメントのPlayStation VR向けタイトル「サマーレッスン:宮本ひかり セブンデイズルーム(基本パック)」です。
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PlayStation VRは、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが満を持して贈り出したVRデバイスで、簡単に言うとPlayStation 4の周辺機器なのですが、もはや周辺機器ってレベルじゃねーぞ!って感じのゴーグル(ヘッドマウントディスプレイ)です。他の本格VRデバイスを使用する際にハイスペックなPCが必要なように、PS VRではPS4本体が必要となります。でも逆に言えばそれだけでVR環境が完成してしまうので、かなりお手軽でわかりやすいのが他のVRデバイスとは異なる最大の特長と言えます。

 
そして、何と言ってもPlayStationブランドを活かした圧倒的なコンテンツ力が魅力。超人気ゲームのVR対応も続々と発表されているので、まだまだ発売したばかりですがこれからが非常に楽しみなVRデバイスなのですよ!

 

 
「サマーレッスン」は、そんなPlayStation VR(当時はProject Morpheusと呼ばれていました)が発表された頃から技術デモとして大きな話題を呼んでいたタイトルの製品版です。自分が家庭教師になって、女子高生と部屋で2人きり……これはもう「めぞん一刻」ですよ!「八神」ですよ!(発狂)

 
「オッサンが抱く儚く小さな夢」もVRなら叶えられる!技術デモ「サマーレッスン(仮)」は、そう心から思わせてくれる、そして多くの人が「VR」という存在と意義に対して興味持つきっかけにもなったパイオニア的存在といっても過言ではない作品だったのです。いや、わりと本気ですよ、この話。そして、技術デモとして発表されてからおよそ2年。我が家でプレイできる日が来たと思うと非常に感慨深い!

 
前置きが少々長くなってしまいましたが!それでは製品版となった「サマーレッスン」を早速プレイしていきましょう。レッッッツ……だぁーいぶ!!(←定着させたくて仕方ない)

 
 

仮想現実だとわかっているのに照れくさい!

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プレイヤーである自分は家庭教師の先生。いつものカフェ(良い雰囲気と眺め)でくつろいでいると、急遽、夏休み最後の7日間「宮本ひかり」という女子高生を請け負うことになります。……と言っても、プレイヤーがやることは、事前にレッスンの予定を組み、彼女の部屋でいかに上手く勉強させるか、という部分だけ。自分が本格的な勉強を教えるということではないので、頭悪くても全く問題ありません!(笑)

 
家庭教師としての力量が試されるのは、休憩時間を含めた彼女とのコミュニケーション。勉強中にはアドバイスを、休憩中には楽しいトークを。「宮本ひかり」のモチベーションを上げ、勉強のサポートを上手くしてやることこそ、本作におけるプレイヤーの務めなのです。

 
●天真爛漫な宮本ひかり
ここは仮想現実。ここは仮想現実。ここは仮想現実……。

 
何度も何度も心の中で確認してもですね、やっぱり女子高生のかわいらしい部屋に入って、しかもその部屋の主と2人きりで勉強というシチュエーションは、どうしても照れくさいわけですよ!(笑)この照れくささこそ、完全に「VR」に飲み込まれている証拠なのですが!

 
また「宮本ひかり」がイイ感じに無防備で天真爛漫という、実にズルい女の子。これは大学に入るとサークルで大量の勘違い男子を生み出してギスギスにさせるパターンの子ですわ……(真顔)。頭はあまり良くないけど、素直でとても良い子なので「なんとかしてあげなきゃ」という使命感が自然に湧いてくるのです。将来、サークルクラッシャーにさせないためにも頑張らなくては!(違)

 
●コントローラー操作は最低限
コントローラーによる操作の出番は、ゲームのメニュー的な部分のみ。つまり、1日の始まりや終わりに行きつけのカフェで確認する「宮本ひかり」のステータスや、レッスン内容の決定、あるいは、もっとゲーム的なオプション設定のときなどにとどまり、コミュニケーション部分は、視点移動や首の縦振り(YES)と横振り(NO)だけになっています。

 
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▲VR空間にコンロトーラーが浮かび上がってわかりやすいメニュー操作

 
これが結構絶妙な落とし所だと思ったりもします。すべてコントローラー操作だと確かにサクサクはするかもしれないけれど仮想現実に没入しきれないような気もするし、すべて視点移動だと逆にサクサク済ませたい部分が煩わしくなるような気がします。「宮本ひかり」とのコミュニケーションに、ゲーム機のコントローラーなんか要らないのです。目線で心を通わせるのですよ!!

 
 

なぜか繰り返しプレイしたくなる魅力

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1周終わらせるのに、およそ1時間程度というかなりお手軽な内容。ボリューム不足と思われるかもしれませんが、VRのゲームは普通にテレビやモニターに向かってプレイするゲームよりもしっかりと目を使うので、それなりに休憩は必要です。なので、1周のプレイ時間はちょうど良い長さであると感じました。

 
で、別に1周終わらせるだけ、仮想現実で「宮本ひかり」を眺めるだけなら、もうホントにそれで終わりになってしまうわけですが……無性にまたやりたくなるのです。

 
「あのとき、あのレッスンを選んで、あのステータスを伸ばしておけば……」
「レッスン中のアドバイスをもっと上手くやれていれば……」

 
●すぐに結果が出るお手軽育成ゲームとしての完成度
この「ハマる」感覚は、某野球ゲームや、某恋愛ゲーム、あるいは某アイドルゲームの育成要素に近いです。予想外な選択肢が浮かんだり、まさかのイベントが起きたりで、必ずしも毎回同じ結果にはなりません。しかし、なんとなくの「コツ」みたいなものは掴んでいけるし、自分の家庭教師としての力量……レッスンのレベルや内容のバリエーションなどは周回プレイに引き継がれます。

 
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▲課題をクリアしていけばコミュニケーションがはかどる?

 
クリア時の結果によって、ご褒美として「宮本ひかり」の衣装が増えることも。こういった、シンプルながらに何度もやりたくなる、しかも飽きにくい「ゲーム」としての作りがしっかりしていることに素直に好感です。決して「VR」だけに頼っている一発芸的なゲームではないと感じることができました。

 
●プレイするほど「宮本ひかり」に会いたくなってくる
まんまと(笑)。仮想現実の彼女は、あの部屋に確実に「居る」んですよ。この感覚はこれまでのゲームでは味わえない感覚で、上手く説明しにくいです……(笑)。普通にハマったゲームなら「遊び直したい」「もう一度プレイしたい」という感覚が芽生えると思うと思うのですが、ゲームをやりたいというワケではなく、「宮本ひかり、元気にしてるかな……」みたいな気持ちに……。いや、何がヤバいって、その感覚がごく自然に自分の中に湧いてくるワケです。これが「VR(拡張現実)」なのかと……!

 
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▲謎のレッスンにも素直に従う宮本ひかりの運命やいかに。

 
もちろん、キャラクターに魅力がなければそうはならないのでしょうがネ。少なくとも「宮本ひかり」は、VRの世界で何度も会いたくなる、とても魅力的な女の子である、ということです!

 
●細かなオプション設定
ここ、大事です。本当に大事。本作はオプション設定で、BGMや声の音量などのほかに、自分の座る高さの設定が選べました。イスに座ってプレイするのか、ソファに座ってプレイするのか、座布団を敷いてプレイするのか、大体それぐらい具合で視点の高さが調整できます。これができるかできないか、つまりVRの世界の中でベスポジに居られるかどうかは、VRゲームにとって非常に重要な要素と言えます。

 
設定が正しくないと、ものすごい座高の高い人間になってしまいかねないし、その逆も然りで、バーチャルはともかく「リアリティ」の部分が台無しになってしまいます。こういった配慮は、ぜひほかのゲームにも積極的に取り入れてほしいですね。

 
 

総評

「VRとは何か?」という根本的な魅力をしっかり味わえる!
中毒性の高い育成ゲームをプレイするほど「宮本ひかり」のとりこに!

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「ゲーム」としては、非常にシンプルながらも中毒性の高い育成シミュレーションなのですが、そこに「VR」という要素が加わることで、これまで味わってきた魅力とは全く違うベクトルの何かを感じることができました。少なくとも、これまでのどのゲームよりもゲーム内のキャラクターに「会っている」ということを感じさせてくれるタイトルだと思います。

 
その会える相手が、天真爛漫な女子高生「宮本ひかり」という点も、王道でイイと思います。トガったキャラは、他社さんのゲームを含めて少しずつ出していきましょう(笑)。

 
何度か周回プレイしているうちに「もっと成績を伸ばすには……」「もっと上手くコミュニケーションをとるには……」と本気で考えてしまっていて、これは「ゲームを上手く攻略したいのか」「宮本ひかりの成績を伸ばしたいのか」「宮本ひかりと仲良くなりたいのか」と、自分でもわからなくなってきまして(笑)。で、結局どれも正解なのかもしれないです。なぜなら、それこそ「VR」というコンテンツの魅力なのではないかと。

 
ただ1点、どうしても気になったのは、画面の解像度でしょうか。ほかのPS VRタイトルの体験版などと比べると、画面全体がややぼんやりしています。PS VR側の設定もPS4本体設定からいろいろ試したのですがダメでした。ほかのタイトルと比べた感覚だと、もう少しくっきりはっきりとした画面にできたのではないかという疑問が残ります。慣れてしまえば気にならなくもなるのですが、そこだけがちょっと残念でした。もし、何かしら最適化されることで修正できるのであれば、バージョンアップでのブラッシュアップに期待したいと思います。

 
余談ですが、目が良い人がVRゴーグルで仮想空間を見ると、視力が下がった感覚になり、目が悪い人がVRゴーグルで仮想空間を見ると、視力が上がった感覚になることもあるそうです。VRゴーグルに映し出された画面が、現実に見える風景よりくっきりはっきりしているかどうか、という点ですね。自分はゲーム大好き人間かつPC向かいっぱ人間なのに、視力はかなり良いほうなので、VRでは「画面ぼんやり現象」が起きやすいのかもしれないです。

 
とは言え、画面のくっきりはっきりに関しては、バンナムさん、もう一声なんとか頑張ってほしいっす!期待しています!

 
 
●サマーレッスン:宮本ひかり セブンデイズルーム(基本パック)
・販売方法・配信サービス:PlayStation Store
・対応デバイス:PlayStation VR
・価格:2759円(税抜)
・公式サイト:http://summer-lesson.bn-ent.net/

 
【コンテンツ内に実在した印象的なもの】
・「宮本ひかり」という女子高生の一挙一動
・普通の女子高生の部屋ってこんな感じなのかも……という部屋
・「先生はこれね!」と出されたイス

 
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▲先生、坐骨神経痛持ちだからクッションとかくれると嬉し……あ、いえ、なんでもないです。

 
だいぶVRの第2回、いかがでしたでしょうか?前回の時点では、事務所のデバイスをお借りしてその場で体験して、帰宅してからレポートを書くスタイルだったのですが、我が家にもPS VRという本格VRデバイスがついにやって来ました。なので、これからはもう少しペースを上げてレポートがお届けできたらなぁなどと思っております!特に「サマーレッスン」は追加コンテンツにも期待ですよー!!それでは、次回もどうぞお楽しみに!

 
 
(C) BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

 
 
●だいぶVR 過去記事
HTC Vive「The Lab」——圧倒的完成度なのに無料でイイんすか?【だいぶVR #01】

 
 
●筆者プロフィール
津久井箇人 a.k.a. そそそ
作・編曲家・ライター。新旧・ジャンル・ハード問わずゲーム好き。音楽制作活動と並行して、2011年にゲームニュース原稿執筆・ライター活動を開始。2016年4月からPANORAでの活動を開始。
・Twitter:@sososo291
・ブログ:sososo activity

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