ソフトウェアの進化がVRの価値とユーザを増やす マーク・ザッカーバーグ氏が考えるこれからのVR

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米国カリフォルニア州サンノゼにて現地時間の5〜7日に開催されたOculus開発者向けのイベント「Oculus Connect 3」。その基調講演ではFacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグ氏も登壇した(ダイジェスト記事)。昨年の基調講演では「VRは次のプラットフォーム」と語ったザッカーバーグ氏だが、今年はどんな展望を見せたのか。講演内容から、Facebookの考えるVRについて整理してみよう。

 
 

10〜15年後を目指して

 
冒頭では、まずVRのハードウェアとして、Oculusが製品化したものを現時点とし、10〜15年後を最終系として10億人の人が使う、というロードマップを示した。

 
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このグラフでは、冒頭はハードウェアの写真が載っており、中間期で一気にユーザー数(縦軸)が伸びている。ザッカーバーグ氏によると、VRは次の段階に進むことになり、それを決めるのがソフトウェアだという。

 
 

人と人とのつながりをVRで実現

 
VRは、人と人が存在感を持ってつながることができる意味で、完璧なプラットフォームである。物理的にはまったく異なる場所にいても、他の人と同じ空間を共有してつながれるという「プレゼンス」(実在感)を再現できる。これを実現するのがソフトウェアだ。

 
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ここでザッカーバーグ氏は「論より証拠」ということで自らがデモしてみせた。

 
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内容は、壇上でOculus RiftとOculus Touchを装着し、離れたところにいる同僚と同じVR空間を共有しておしゃべりやゲームをするというもの(関連記事)。

 
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VR空間で撮影した「写真」をFacebookに投稿するところでデモが終了。

 
 
このデモは、複数のプレーヤが同一のVR空間で音声やCGのモーションを同期したり、FacebookというSNSに投稿するようなソフトウェアの仕組みによって実現している。

 
 

次の技術カテゴリはComputer Vision

 
もうひとつ、ザッカーバーグ氏は、次の技術カテゴリが「Computer Vision」と述べていた。筆者の理解では、Computer Visionとはコンピューターで画像を分析する学問領域だったが、今回の講演では、コンピューターによるセンシングという意味で使われていた。下記は講演の中で述べられていた、部屋の中のトラッキング手法についてである。

 
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現状のVRは、画像右側で解説されている「Outside-in Tracking」という方法を使っている。これはユーザーのそばにカメラを置いて、このカメラによってHMDを装着した人物の位置を判定するという方法だ。一方、画像左側の「Inside-out Tracking」は、HMD単体でユーザーが部屋のどこにいるかを判定する方法だ。

 
ここで、マーク・ザッカーバーグ氏は、携帯性はあるがユーザーの位置トラッキングができないモバイルのVRと、位置トラッキングができるが、ケーブルによって動きづらいPCのVRを例に挙げ、両者のいいとこ取りをした、スタンドアロン型のHMDを開発中であることを発表した。

 
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発売時期や価格の発表はなかったが、当日紹介された動画では、ケーブルのないOculus RiftのようなHMDを装着した人が、Insider-out Trackingを使っている様子が見られた。

 
最後に、これからのVRの発展の中で、次の3年はソフトウェアでできる体験を磨き上げることが重要であることを述べて、氏の発表は終了した。

 
 

ソーシャルVRにより10億人のVRユーザを目指す

 
今回のキーノートでは、ソーシャルVRによって10億人が使うVRのプラットフォームを作る、というFacebookの方針が明確になった。また、ソーシャルVRのために、ハードウェアだけでなくソフトウェアも強化しようという姿勢も明らかになった。

 
また、マーク・ザッカーバーグ氏の登壇時間が、Oculus Connect2では約4分であったが、Oculus Connect3では自らのデモ実演を含めて約25分と、昨年度の6倍に増えていた。ここからも、Facebook自体がVRを強化していく意向であるとわかる。

 
10億人のVR普及に向けて、これからどんな形でVRが発展していくのか、10年から15年後のその世界がどうなっているかが、今から楽しみになると感じた講演だった。

 
 
(TEXT by @WheetTweet

 
 
●関連リンク
Oculus Connect 3
Oculus VR

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