8K30fps録画で3000ドルの脅威! 「Insta360 Pro」はプロ向け360度カメラの定番になれるか

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360度カメラがあふれるCES 2017の会場。昨年と比較して今年は360度で動画が撮影できるものは当たり前で、さらに一芸をもったプロダクトが目立っていた印象だ。

 
トレンドとしては、「RICOH R」を始めとするライブストリーミングのほか、スマホに装着して使う360度カメラの台頭を感じた。プロならまだしも、一般の人なら360度カメラで撮影したら、TwitterやFacebookなどにいち早く投稿して自分の友達に「こんなのあったよ!」と伝えたいところだろう。

 
現状のTHETAやGear 360といったローエンド360度カメラも、無線LANでスマートフォンにつなげばインターネットに投稿することが可能だ。一方で、シェア前に無線LANの設定が必要というのは意外とネックで、意外と面倒さを感じてしまうところもある。

 
カメラがスマホ直結で、スマホアプリでカシャっと撮ってすぐにネットに転送できるなら──。そんなニーズをがっつり汲んで、今年のCESに先駆けて昨年夏に登場したのがiPhone向けの360度カメラ「Insta360 Nano」だった(ニュース記事)。

 
といった前置きがあったうえで、そのInsta360 Nanoを製造した中国・深センのInsta 360が、プロ向けで8K(!)対応の360度カメラ「Insta360 Pro」をリリースしたというのが今回の記事のトピックになる。一体どんな仕様で、テスト機はどんな感じなのか。ブースと、Insta360が開催したセッションを合わせてレポートして行こう。

 
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Insta360のブースは、ロサンゼルスコンベンションセンター(LVCC)のサウスホール1階奥にある「Gaming & Virtual Reality」ゾーンに存在。

 
 

録画/配信の両対応 4K/100fpsモードもうれしい

 
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Insta Nano 360は今年4月出荷の予定で、3000ドル(約35万円)を予定している。最大の特徴は8K(7680×3840ドット)/30fpsで360度ビデオ録画できるという点。現状、4Kでの撮影が主流だが、より高い解像度を実現したわけだ。また、4K解像度でも100fps(!!)を実現するというのも、スポーツなど動きの速いものを撮る人にとって魅力的だろう。

 
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外観。サイズ的にはiPhone 6s程度で、横方向にF2.4の魚眼レンズを6つ備えている。

 
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説明パネル。

 
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8K動画の脅威。しかし8Kを撮れても、再生する環境があるのかという心配も……。

 
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球体の本体は143mmで、重量は1228g。

 
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HDR&RAWでの録画が可能。

 
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ハードウェアでのリアルタイムスティッチング(合成)が可能で、本体下部にあるUSB端子にSSDなどをつなげば録画できる。

 
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3D360での4K/25fpsのリアルタイム配信デモ。最初にスマートフォン側ではInsta360 ProのIPアドレスを指定。映像が現れたら、スマホ向けゴーグルに入れて、すぐに閲覧が可能だった。

 
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スティッチングのポイントとしては、ずれをなるべく発生させないようにテンプレートではなく、オプティカルフロー(見た目)ベースで統合しているとのこと。

 
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録画/配信におけるビデオ撮影時の仕様。VR向けに撮影するなら、カクカクさを低減するために4K/100fpsモードは魅力的。

 
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3Dでの撮影も可能。筆者的には、3D360映像は立体を感じられる範囲が狭いのであまり好きではないが、どっちも選べるというのは心強い。

 
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ライブ配信時は、Ethernet、無線LAN、4Gでの接続が可能。4Gについては詳細はわからなかったが、日本でも技適的なサムシングを通って使えるようになるのだろうか?

 
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バッテリーは着脱式。

 
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WindowsやMac、iPadでの編集ソフトを用意。

 
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利用例。

 
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主な仕様。見辛くて申し訳ない……。

 
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余談だが球形の投影装置で360度写真を見せていたのが印象的だった。

 
 
360度カメラを仕事で手掛けている方にとって、定番カメラの不在はかなり気になるところだろう。現状、GoProを複数台組み合わせて撮影する手法が目立つ。そんな筆者もGoPro6台で360度映像を撮っているわけだが、そのカメラを1セット用意しようとすると50、60万円ほどかかってしまううえ、後編集にも時間がかかってしまい、なかなかコストが高いと感じていたわけだ。

 
そんなところに現れたInsta360 Proは、3000ドルでリアルタイムスティッチングも可能という、価格も性能もかなり魅力的な存在だ。実際にラスベガスで撮影したという8K/3D360の写真をスマホVRで見てみたが、フルHDのPCディスプレーで見ているような精細さを感じられて、筋のよさを実感した。

 
一方で、撮影の際に熱暴走せずにどれくらい連続撮影できるか、逆光や暗所などの過酷な環境でどれくらい絵が残ってくれるかなどは、実際に使って見ないとわからない部分も多い。スティッチングずれがどれくらい起こるのかも、さまざまなパターンを試して見ないとわからないだろう。

 
しかし、スマホ向けの一般向け製品を作っていたと思いきや、プロ向けまでもこの短期間で実現してしまうというfrom深センのものづくりパワーを見せつけられたブースだった。公式サイトでは撮影サンプルも配布しているので、仕事で360度カメラに携わっている方なら要注目だ。

 
 
(TEXT by Minoru Hirota

 
*CES 2017のまとめ記事はこちら

 
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