医療分野でもVRが活躍する日も近い!メディカルジャパン2017イベントレポート

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15〜17日、インテックス大阪にて「メディカルジャパン2017」が開催されている。招待制のイベントで、数多くの企業が医療技術や医療機器関連の出展を行う大規模な展示会だ。その中でVRを医療に活用した展示も少数あったので取材してきた。コーナーとしては「模擬手術室ブース」と名付けられており、Holoeyesと富士通の2社になる。どちらも絶えず人が訪れ、注目を浴びていたのが印象的だった。

 

Holoeyes

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HoloeyesはCTスキャンデータから3Dモデルを作成して、VRゴーグルをかぶって細部まで確認することが可能という技術を展示していた。過去に撮影したCTスキャンデータからも作成が可能なので、今まで保有しているスキャンデータの活用法としても注目されている。

手術前にVRで見ることで実際に処置する場所を確認できる上、切り開く箇所を可能な限り少なくする方法を見出せるようになる。これにより患者の体にかかる負担を低減し、入院期間を短くする効果があるとのこと。
負担を軽くして入院期間が短くなれば、患者の社会復帰を早めるだけでなく、病院のベッドの空きを増やし多くの患者を受け入れるメリットもある。また、今まで臨床などでしか人体の構造を把握できず、手術に用いる技術を習得できなかった研修医が、こうしたVRで立体的に観察できるようになる。手元で本物を触るように操作を行えるため、習熟度が格段に上がる効果も期待されている。
さらに、患者への容体説明を行う際、今まではレントゲンやスキャンデータを用いていたが、専門的な知識がないと処置が必要な箇所を患者がしっかり把握するのが困難な場合があった。これがVRに置き換わることでわかりやすくなり、ある程度患者の不安を取り除くことができる。つまり、VRの導入は病院にも患者も恩恵があるということだ。
今回の出展では、HTC VIVEを使ったデモンストレーションが行われた。操作は難しくなく、手元のモーションコントローラーのトリガーを操作をしながら前後左右に移動し、プレイヤーがモデルの体内に入りこんでモデルを覗き込めた。これが自分の体内だと思っても実感が湧かなかったものの、CTスキャンから作られたモデルなので細部まで作り込まれており、人体の構造を理解できる良い機会となった。現在は試験的に一部病院で運用されている段階で、まだサービス提供をできる時期や価格については未定という。

 

富士通

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こちらではVRゴーグルではなく、立体ディスプレイと専用のメガネの組み合わせでVR効果を生み出していた。操作はペン型のコントローラーを使い、ボタンとペンの移動でモデルの移動や回転、カッティングツールなどを扱う。メガネの位置をディスプレイ上部のトラッキングセンサーが把握しているため、VRヘッドセットのように覗き込むことも可能だ。
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見ている本人だけでなく、上部のプロジェクターで映し出されているような立体映像も別画面で表示できる。教育機関などで講義を行う場合や実習の代わりに用いられる想定をしており、医療機器としての申請は現在のところ行なっていない。
小学校の授業などで実演を行なった際には、子供たちが熱心に人体のモデルを観察していたとのこと。従来の解剖やホルマリン漬けの生体に触れる気持ち悪さをVRで無くし、人体に対する好奇心を持ってもらう狙いもあるそうだ。特殊なソフトは持ちいておらず、ハードさえあればUnityのSDKなどを扱える人が運用することも可能。今後、医療分野以外にも教育機関での活躍が期待できる内容となっていた。
VRは様々な分野への貢献が注目されており、年々取り扱う業界が増えてきている。今回のメディカルジャパン2017では限られた数の出展だったが、来年以降より多くの企業が参入し盛り上がりを見せるのではないだろうか。

(TEXT by あすらん

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Holoeyes
富士通
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