ARゴーグル「Meta 2」体験レポート 気になる出荷日は未定【SXSW 2017】

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米国時間の3月10〜19日、テキサス州オースティンにて開催されているクリエイティブコンテンツの祭典「SXSW 2017」。メインの展示会場となっているオースティンコンベンションセンターを中心に、街のホテルや店舗、オフィスにて展示や講演、勉強会が行われている。今回は、前回紹介した「The MusicRoom」と同じCapital Factoryで展示していたARゴーグル「Meta 2」を体験できたのでお伝えする。

 

HoloLensと比較したMeta 2

Metaとは、2013年にKickStarterで話題になったARタイプのゴーグル(写真参照)。自分の前にCGで色々な情報を出して、それを自由に操作できるというのが特徴だ。

 
Meta_0

Meta 2はMeta1の次世代に当たり、2016年3月に発表している。

 
Meta_01

Meta 2を装着した様子がこちら。

 
Meta_1

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Meta_3

後ろの留め具を回転させることで固定できる。

 
Meta_4

次に、いくつかの気づいた点について、HoloLensと比較してみよう。

 
1.装着感

HoloLensの場合、頭が締め付けられる、重い、というコメントを聞くが、Meta 2はそこまで重さを感じず、快適につけることができた。

 
2.視野角

Meta 2は90度の視野角が特徴のひとつになる。光の点が星のように散らばっているサンプルデモを見たが、その範囲はHoloLensの倍以上と感じた。実際の視野角を測ることはできていないが、十分に広いと考えても良いだろう。

 
3.解像度

これはMeta 2の方が上と感じた。HoloLensでは、素早く動かすと表示内容が虹色っぽく見える現象(カラーブレイクアップ)が発生するが、Meta 2では認識できいなかった。2560×1440ドットの解像度を持つだけあって、人の脳のCGを見るデモでは、細部の血管のようなものまでくっきり浮き上がっていた。

 
4.操作

Meta 2はMeta1と同じく、ボールをすくう、地球儀を回す、画面のボタンをタッチするなど、色々なジェスチャー操作ができることが特徴だ。残念ながら、今回体験できたデモでは単にコンテンツを見るだけだった。しかし、過去にMetaから投稿された動画では、手でブロックをすくうようなジェスチャーを認識している。これならば、期待はできそうだ。

 

 
5.オーディオ

Meta 2には4つのスピーカーが付いているそうだが、最初は音が聴こえなかった。何やらPCの方で調整してもらったところ聴こえたが、HoloLensの音響を体験済みだと、音が割れている印象を受けた。

 
6.トラッキング精度

Meta 2もHoloLensと同じくInside-Out方式のトラッキングを採用しており、別途カメラを付ける必要はない。今回体験したデモでは、最初に地球のオブジェクトが目の前に静止していた。これは、三次元的な位置に静止しており、自分が見る角度を変えると、その角度に応じた地球が見えていたので、きちんとトラッキングはできていたように感じた。一方でPCと有線接続しているので、あまり広範囲を歩き回ることはできなかったが、動ける範囲であれば精度はまずまずと思われる。

 
7.機器の構成

HoloLensと異なり、PCの接続が必要だ。PCの必要スペックはHPに記載されている。

 
Meta_5

 
これを見ると、2014年に発売されたOculus Rift DK2を安定的に動作させるスペックに近い。VR ReadyのPCを持っている人でなければ、快適な利用はやや厳しいかもしれない。また、Meta 2とPCは、HDMIケーブルとUSBケーブルで接続されるが、途中で電源とも分岐する。すべて接続するとこのようになる。Meta1と構成は同じだが、接続するケーブルの数が減り、電源を取る箇所が小さくなっていた。

 
Meta_6

これについては、例えばVR OneのようなPCを使えばワイヤレスにできる。しかし、現状は単体で動作するHoloLensの方が利便性は高いだろう。

 
7.アプリケーション

MetaのアプリケーションはUnityで開発できる。MetaのBlogでは、Unityを使うときにチェックすべきサイトの紹介Unityを使える技術者認定試験「Unity Certified Developer」取得の勘所などを公開したりと、Unityの使用に積極的だ。同社のHead of Developer Relations、David Gene Oh氏に確認したところ、Meta 2でもUnityを使ってアプリケーションを開発することは変わっていなかった。

ところで、実はMeta1では、PCの画面をミラーリングする形でアプリケーションを動作させていた。つまり、フルスクリーンのUnityアプリしか動作しなかったので、Unityでできることしかできなかったのだ。ただし、Metaではモニターとして日々の仕事に使えるかを検証しているようなので、Meta1よりも開発できる範囲が広がるかもしれない。

 

Meta 2の今後について

一番気になっていたMeta 2の出荷日は未定とのこと。しかし、Meta 2はDeveloper Kitである、すでに製品の形をしている、デモができる状態なのに、なぜまだ出荷しないのか、と聞いたところ、最高のAR体験を提供するために製造前の見直しをしており、出荷に必要な認証が未完であるとわかった。先のDavid Gene Oh氏によると、中途半端なAR体験であるとがっかりさせてしまうので、そうならないように現在も調整していることを強調していた。

実はMeta1のときは、最初に宣言された出荷日から実際に出荷された日まで1年以上かかっている。もし同じような流れになると、当初のMeta 2の出荷日は2016年の9月なので、あと半年以上はかかるかもしれない。

2016年の6月にMicrosoftからWindows Mixed Reality(旧Windows Holographic)のプラットフォーム開放が発表され、2017年以降はHoloLensのプラットフォームを継承したARゴーグルが登場し始めるのはご存知の通りである。

Meta 2がWindows Holographicに対応するかは現時点では不明だが、Metaには独自のUI設計ガイドラインがあるため(補足参照)、Windows Holographicとは異なるロードマップを描いているか、あるいは条件付きでWindows Holographicを活用する可能性がある。

*補足
購入者しかアクセスできないのでほとんど知られていないが、Meta1のDeveloperサイトには、Metaが独自に提唱するユーザーインターフェースやアプリ設計ガイドラインがかなり詳しく書かれている。また、VP of sales and partnershipsのRyan Pamplin氏によると、Metaはアメリカ以外の市場として日本を2番目に重視しているとのことだった。Pamplin氏からはARで作る新しい世界を実現したい、という強い想いを感じた。

Meta 2は、HoloLensにはない特徴がある。AR/VRデベロッパーの立場としては、Windows Holographicの一強ではなく、多様なデバイスがある方が可能性が広がるので、Meta 2には頑張ってほしいと考えている。なお、Head of Developer RelationsのDavid Gene Oh氏からは、要望あれば連絡してほしいというコメントを受けている。そこで、なるべく早めに送ってほしいことと、日本でもAR/VR開発者向けに何かイベントを開いてほしいことをメールしておいた。

引き続き、続報あれば報告していきたい。

 
 
*SXSW 2017まとめページはこちら

 
 
(Text by Riftup)

 
 
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