Oculus Touch専用「Facebook Spaces Beta」レビュー(後編) VR空間で打ち合わせしてみた

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4月19日、米FacebookはOculus Touch専用タイトル「Facebook Spaces Beta」をOculus Storeでアーリーアクセスとして無料リリースした(関連ニュース)。Oculusを2014年に買収したFacebookが開発・販売を手掛けており、VR空間上でアバターを通して友人とコミュニケーションするソーシャルVRアプリとなっている。

前半の記事ではひとりでも使えるFacebook Spacesの基本機能を紹介した。後半の記事ではPANORA VRの編集長である広田稔氏(Twitter: @kawauso3)とVR空間上でコミュニケーションをとってみたので、ラクガキや360度ビデオの友達との共有といった使い方をお伝えしよう。

 

始めに気を付けたいのは、Facebook SpacesはFacebook上の友達としか使えないので、事前にFacebookのウェブサイトかアプリでOculus RiftとOculus Touchを持っている友達を登録しておく必要があることだ。

自分のルームへ友達を招待すると、招待された側の人には通知が届く。友達からの招待を承認するためのメニューはアバターの手首にある腕時計から表示されるのだが、事前に操作説明がないため筆者は気づくのに時間がかかった。スマートウォッチのようなUIが前提となっているのは中々に近未来的だ。

 

Facebook Spacesの特徴として、簡易的なVRペイントのラクガキやスタンプを出現させて、空中に置いたり自分のアバターに着けたりできることができる。スタンプは付け髭や動物の鼻などが用意されているが、自分が書いたラクガキを気が付かずに自分で装着してしまったことがあった。もちろん感触はないので、VR内で鏡を見るか相手に指摘されない限り気が付かないだろう。

また、自分以外の人が作ったラクガキやスタンプには触れないので、チェスの駒のスタンプや剣のスタンプを使って友達と遊べないのが少し残念だ。

 

次に注目したいのは、Facebookは360度カメラやiPhoneのパノラマ機能を利用すればだれでも360度の写真や動画を投稿することのできる世界で最も大きい360度コンテンツのプラットフォームの一つということ。

Facebook Spacesでは既に自分で撮影した360度の写真を友達と共有することが可能であり、この機能をうまく使えば、取材先や旅先を360度カメラで撮影したものをFacebook Spacesで友達と一緒に鑑賞する用途に使える。もし将来的にFacebookの360度のライブ配信がFacebook Spacesに対応して友達と一緒に視聴できるようになれば活用方法はもっと広がるだろう。

 

また、現時点でも企業や団体のアカウントが投稿した360度の動画を友達と共有することもできるが、今はFacebook Spaces対応アカウントが何の基準もなく左から右に並べられているだけだ。ぜひ仮想キーボードやアルファベット順のカテゴライズの実装に期待したい。

なお、筆者のADSL環境(測定時下り7Mbps、上り1Mbps)では一部の360度動画を共有する際に動画1~2周分の遅延が生じた。360度動画はデータが大きいので高速かつ大容量の通信に耐えうる回線の環境下での利用が望ましいだろう。

その他、忘れてはいけないのが自撮り機能だ。Facebook Spacesでは自撮り棒を使ってVR自撮りができる。ぜひ自撮りのためにラクガキや写真、鏡などのアイテムを活用して面白い自撮り写真を撮影しよう。撮影した写真はルームのテーブルの中心に置くことでFacebookに投稿できる。筆者は普段日常では自撮りをしないのだが、Facebook Spacesでは自撮りを無事に楽しめた。

 

実はFacebookのビデオ通話機能を使えば、VR空間から一般のスマホとのビデオ通話ができる機能があるのだが、今回は試せる友達がいなかった。自分のルームから友達のルームへビデオ通話をすることもできるが、VR内で直接会わずにビデオ通話を用いるのは不思議な話だ。

 
 

アバターを通してFacebookの友達と交流するということ

筆者がFacebook Spacesを友達と使ってみて最初に感動したのは、自分以外のアバターがまるで人間のように動いているところを見れたことだ。Oculus TouchによってVR空間に自分の手が反映される様子は見慣れたものだが、自分以外のアバターが自然に動いたり声のトーンに応じて眉や口が動いて表情が変わったりする姿は臨場感たっぷりで、人間と話している時の情報量と比べても劣らないように感じた。

 

また、チャット系VRアプリなのに最大で4人としか同時に交流できないことには賛否両論があるかもしれない。しかし、Facebookが実名登録による友達との交流を前提としたSNSである以上はFacebook Spacesが「最大4人でテーブルを囲んだ知り合い同士の蜜なコミュニケーション」という方向性になったのは妥当だろう。そうなるとやはり既存のチャット系VRとは用途も異なる。

他にも、操作方法がわかりにくかったりUIが使いづらいなど全体的に調整不足だと感じた。しかし、前述のとおりFacebookは360度写真・映像のプラットフォームとして有力であり、それを生かした機能が増えるとFacebooks Spacesは他にはない特徴的なソーシャルVRになるのではないだろうか。現在はまだアーリーアクセスの段階であり、今後の仕様変更や機能追加などの改善に期待したい。

 

 
 
(TEXT by ぱソんこ

 
 
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