VuforiaやTangoなどUnity 2017で大幅強化! Vision VR/AR Summit 2017基調講演レポート

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米国ロサンゼルスにて、5月1、5月2日に開催されていた、Unity開発者向けイベント「Unity VR/AR Vision Summit」。公式発表によると、2日間で1200人以上が参加し、Unityに関する発表や、提携企業の講演、展示が多数あった。

今回は、Unityに関する発表のうち、注目すべき内容を中心にお知らせしよう。なお、Unityの最新版は5.6だが、時期バージョンより「Unity 2017」とカウント方法が変更される。

 
 

他社エンジンの標準対応が加速

 
今回のVision Summitでは、ARエンジンの「Vuforia」、Googleの空間認識技術「Tango」、同じくGoogleのVRプラットフォーム「Daydream」、およびフォトリアルな描画エンジンの「Octane Renderer」──が標準機能としてUnity 2017より組み込まれることが発表された。これらはいずれも元々Untyに対応していたが、利用には各社のウェブサイトから対応するunitypackageをダウンロードして、自分のプロジェクトにインポートするか、自身で設定を調整する必要があった。

しかし、今回の標準対応により、Unityの中から使用できるようになる。機能によってはアセットストアから提供される可能性もあるが、各社のサイトを検索して対応バージョンを確認する手間を省けるのがメリットだろう。それぞれのエンジンについて簡単に解説しよう。

 
●ARエンジン「Vuforia」

Vuforiaは、PTC社が提供するARエンジンだ。Vuforiaを使うことで、カメラで対象をみたときに、映像に別の情報を重ねられる。

対応するプラットフォームは、iOS、Androidだけでなく、Windows 10特有のUWP(Universal Windows Platform)など幅広い。なお、Vuforiaを使用する際は、ライセンス規約に注意が必要だ。同社サイトによると、Vuforiaを使って何らかのアプリをリリースした場合は、利用条件に応じてライセンス料金が変化するので、自身の条件に合わせて確認してほしい。

アプリリリース予定がない個人開発者が使う分には無償と考えていいが、企業の場合は有償になる可能性が高い。PTCの担当者に確認したところ、ライセンス規約はUnity標準対応後も変わることはないとのことだった。

 

Vuforiaは、Tango対応端末をサポートする「Vuforia Smart Terrain」も発表。

 

ステージでは、Tango端末をイラストが描かれたボードにかざして画面をタップすることで……。

 

火星探索者やドローンをボード上に出現させていた。

 

Tango端末の機能で、周囲の環境を認識しているので、ボードをおいた状態で画面をタップすると……。

 

ドローンが垂直に現れる。

 

壁を認識しているので、火星探索者に壁に向かってアクションを取らせることも可能だ。Vuforiaの本機能は、今年遅くにUnityに統合され、この新しいサンプルアプリも提供されるとのこと。

 
●VRプラットフォーム「Daydream」

Daydreamとは、Googleが提供するVR向けのプラットフォームだ。GearVRと同じくスマートフォン向けのVRゴーグル「Daydream View」と組み合わせて使用するが、対象となるスマートフォンは、Daydream認定がされたものに限定され、対応プラットフォームはAndroidのみだ。

 

Unityは今までもDaydreamへの書き出しに対応していたが、この5月に登場するアップデートにより、PCよりも性能の限られたモバイルVRでも、リアルタイムでリアルな光の当たり方を実現してくれる「Daydream Renderer」や……。

 

Android端末向けに書き出したあとにテストできるまでの時間が短縮された「インスタントプレビュー」機能。

 

複数の異なる端末で統合された体験を提供するために、テレポートやパレット、カメラワークなどがテンプレートとしてまとまった「Daydream Elements」を提供する。

 

さらに今夏のアップデートで、スマートフォンのハードウェアをモニタリングする「PerfHUD」、パフォーマンス向上のためにハードウェアを解析する際に役立つ「GAPID」といった機能も追加する。なお、2017年5月1日時点では、日本でのDaydream View対応は未定だ。

 
●空間認識プラットフォーム「Tango」

Tangoとは、Googleが提唱する、空間認識を使ったプラットフォームだ。例えば、タブレットをかざした場所までの距離を測ったり、現実のものを3Dスキャンすることが可能となる。対応するプラットフォームはAndroidのみで、執筆時点(2017年5月2日)では、Lenovoの「Phab 2 Pro」およびASUSの「ZenFone AR」の2種類が対応している。

 
Google Tangoで踊ろう! ARアプリ開発のコツまとめ
Lenovo、Google「Tangoテクノロジー」搭載のAR対応ファブレット「PHAB2 Pro」発売開始
「ZenFone AR」試作機レビュー(前編) 部屋を丸ごとスキャンなどTangoを生かす高性能を実感
「ZenFone AR」試作機レビュー(後編) Unity向けSDKでTangoアプリ開発を試す

 
 
●描画エンジン「Octane Renderer」

Octane Rendererとは、GPUベースでフォトリアルな描画が可能なエンジンで、OTOY(オートイ)という会社が提供している。Octane Rendererのフォトリアルを実感するには、下記のリンクから見るのがわかりやすい。

 

Octane RendererとUnityの統合は、2016年11月の Unite Los Angelesで発表されており、今回はこの統合がUnity 2017で実現したことが発表された。下記の動画を見ると、数秒のCG動画が紹介されており、8分55秒頃から、該当するUnityのプロジェクトを開いてどうやってつくったか、を説明している。

 

ところで、Octane Rendererは執筆時点(2017年5月2日)ではライセンス購入によって使用できる。ライセンスは、ツールとして購入する場合、Autodesk 3dx、Brenderなどのツールプラグインとして購入する場合などで価格が異なる。今回は価格や利用形態についての発表はなかったので、続報が入り次第お伝えしたい。

 
 
今回のVision Summitでは、主要なエンジンが次々とUnityに対応していることがわかった。AR/VRにおけるUnityの標準対応はますます進んでおり、今後AR/VRに取り組む人にとっては、必須のツールとなるだろう。

 
 
(TEXT by xRWriter)

●関連リンク
Vuforia
Daydream
Tango
OTOY

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