世界初お披露目!? Acer製Windows Mixerd Reality対応HMDを触ってきたぞ!【Build】

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ご存じの通りマイクロソフトは、HoloLensから連なる戦略のひとつとして、Windows 10に「Mixed Reality」(MR)を組み込む準備を進めている。先日行われた大型アップデート「Creators Update」ではその基盤が搭載されたものの、Windows MRを使うために必要である、肝心の「対応HMD」はまだ提供されていない。

 

Creators Updateに含まれている「Windows MR」である「拡張現実ポータル」。今はHMDがないため、シミュレータとしてしか動かない。

 
マイクロソフトはHP、ASUS、Lenovo、Dell、Acer、3Glassesの6社から対応HMDが登場する、とアナウンスしており、開発者向けとして、GDCなどでAcer製HMDをデモしてきた(ニュース記事)。しかし、実際の使用感を試せる機会は非常に少なく、開発者の中でもWindows MR対応HMDを試せている人はほとんどいない。

 
しかし、今回、BUILDのショーケースフロアにあたる「The Hub」には大量のAcer製Windows MR対応HMDが展示され、実際に試せるようになっていた。5、6分とごく短い時間ではあるが、筆者も試してきたので、その感想をお伝えしたい。

 

BUILDのショーケースフロアである「The Hub」では、HoloLensと並び、Acer製Windows MR対応HMDの姿を多くみかけた。

 
 

Inside-Out方式を採用、ボディ構造はシンプル

 
Acer製HMDは一見、HMDとしてはオーソドックスな作りに見える。HMDに頭を斜めにぐるりと囲むリング状のバンドがついていて、それを絞めることで頭に固定する。付け方は非常にシンプルだ。

 
とはいえ、Oculus RIFTやPlayStation VRのように「帽子のようにかぶる」ことに比べると、つけるのにちょっと慣れが必要か、と思った。取り外す時には、バンドが広がらないように止めているボタンを押して緩めて外す。

 

Acer製HMD。正面にはInside-Out方式のポジショントラッキング用センサーがある。

 

HMDを後ろから。頭を「斜めに絞める」ような感じのバンドになっている。

 

バンドを絞める時は、バンドの端をもってひっぱる。慣れるまで少しやりづらい。

 
だが一方で、他にない優れた構造もある。HMD部分を跳ね上げることができるのだ。こうすることで、肉眼で周囲を見て作業をしたのち、改めてMRの世界に入る……といった使い方がしやすい。つけたままで他の作業をする時の快適さは、競合製品よりずっと良い。また、かぶったときの重量バランスが良いせいか、かなり軽く感じたのも好印象である。

 
今回のデモセットでは、インナーイヤータイプのヘッドホンとXbox One用のワイヤレスコントローラーを組み合わせて使った。これが最終仕様かは不明だ。

 

今回のデモでは、Xbox One用のワイヤレスコントローラーが併用されていた。

 
デモにはゲーミングPC(メーカー名不明)が使われていた。だから現状ではそれなりにパワーのある、dGPU搭載のPCでのデモが行われた、と考えていい。PCとの間は、HDMIとUSBケーブル各1本ずつで接続する形で、かなりシンプルだ。

 
正面をよく見ると、複数のイメージセンサーが搭載されている。HoloLensと同じくInside-Out方式のポジショントラッキングが採用されているので、反射光を計測するための特殊なカメラやセンサーを配置する必要はない。

 
HMDIとUSBをつないでかぶるだけで使うことができて、他のHMDに比べ非常に手軽である。マイクロソフトの担当者は「HoloLensと同じテクノロジーを使っている」と説明したが、筆者の見るところ、HoloLensと同じ精度……というわけではなさそうだ。

 
 

表示デバイスは液晶、ポジショントラッキングは「手軽さの割に優秀」

デモに使われたのは「DATASCOPE」と名付けられた、気候などの情報をビジュアライズするアプリ。シアトル周辺の風景をVR化し、そこに実際の天気情報や雲、風の流れなどを重ね合わせて、太陽光や風力での発電の効率などを可視化する……という使い方がされていた。

 
画質の第一印象からいこう。なかなか綺麗だ。解像感も高く、発色もいい。ドットのすき間が見える「スクリーンドア・エフェクト」も感じられない。これまでに公開された情報によれば、AcerのHMDは片目分で1440×1440ドットのVR用液晶を採用している……とされている。スクリーンドア・エフェクトが少なくOLEDとは違う発色であったので、やはりVR用液晶(ということは日本のあのメーカー製だろうか)を使っているものと推察できる。

 
ただし、接眼レンズにはフレネルレンズによる魚眼レンズが使われているためか、同心円状の「反射縞」は感じられた。Foveated Renderingを適用しているものと予想され、周辺視野と中央視野では鮮明さがかなり異なって感じられた。このことは動作の軽さに寄与するもの、と予想できる。

 
ポジショントラッキングはかなり精度が高く、首や体の動きへの追従もなかなかだった。とはいえ、ごくまれにアングル追従が一瞬だけ遅れることもあり、完璧ではない。これが「HoloLensと同等」というコメントを疑う理由でもある。とはいうものの、筆者が体験したHMDの中でも、トップクラスに快適なものであった……とは思う。HTC Vive・Oculus RIFT・PlayStation VRというトップグループには及ばないが、かなり肉薄している。不自然な酔いも感じず、快適な体験だった。これであの接続・操作開始のシンプルさであるなら、十分に納得・許容しうるレベルかと思う。

 
Windows MR用HMDのポイントは「適度な手軽さ」かと思う。スマホVRや一体型に比べればハードルはあるが、ハイエンドVRに比べ設置が容易である。Windows MR用HMDは「299ドル程度から」とされている。Acerのものがいくらになるかはまだ分からないが、極端に高いとは想定しづらい。マイクロソフトによれば、年末までにはKabyLakeベースのPCの内蔵GPUでも動き、dGPU必須ではない、とのことなので、この点でも負担が小さい。

 
決して最高級のHMDではないが、価格施策を含め「非常に普及しやすい」条件を備えてると結論できる。

 
米Microsoft Windows & Devices担当上級副社長のTerry Myersonは自身のTwitterで、明日朝8:30(現地時間)開催のBUILD 2017 day2基調講演について、Windows MRヘッドセットやHoloLensをかぶったスタッフとともに撮影した写真を添え、意味深なコメントを公表している。

 

 
明日の基調講演で、Windows MRのことが触れられるのは間違いない。VR/MRクラスタのみなさんは、ストリーミングを再生するPCやテレビの前で、じっくり正座してお待ちいただきたい。

 
 
*Build 2017まとめページはこちら

 
 
(TEXT by Munechika Nishida

 
 
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