1人ゲームジャムからイベント出展、商品化へ Q-Games「Dead Hungry」はこうして生まれた【Unite】

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5月8、9日に開催されたUnity開発者向けイベント「Unite 2017 Tokyo」では、コンシューマー向けゲームの開発事例を開発者が話すセッションも多くあった。その中の1つとして、Q-GamesのVRゲーム「Dead Hungry」が生まれた背景を解説する「“GameJap×VR×Unity”『Dead Hungry』のレシピ」をまとめていこう。

 

Dead Hungryは屋台のハンバーガー屋になってハンバーガーを作り、ゾンビに投げて人間に戻すというユニークな発想のVRアクションゲーム(昨年のBitSummitの体験記事)。

 

講師はQ-Gamesのプログラマー兼ゲームデザイナー、ホセ・ルイス オルティス・ソト氏(通称「ペペ」、スペイン人)と、リードアーティスト(デザインチーフ)の倉橋豊氏。

 

ペペさんは壇上を動きながら、身振り手振りを交えてスライドの内容を紹介。

 

ちなみにQ-Gamesは京都にある独立系のゲームデベロッパー。代表作は「Pixel Junk」シリーズ、「トゥモローチルドレン」、「スターフォックス64 3D」、あと「X-Returns」(現在は3DS向けに配信中)。PS3の内蔵ソフト(ヴィジュアライザーなど)とかも手掛けたりしてます。見ての通りスタッフは国際色豊か。写真下中央で腕組みしてる方が、社長のディラン・カスパート氏です。

 
で、発端は「社内でゲームジャムをやる」というディラン社長の鶴の一声から始まった。期間は2週間で、エンジンにUnityを使用したVRゲームを作る、というもの。通常業務と掛け持ちしながら企画・制作の作業を行うことに。

 

ディラン社長、この写真でいいんですか?(汗)

 

社内でポスターが作られるくらいのガチイベント。

 
企画は全部ペペさんが担当。ゲームジャム版ではまず骨子として料理ゲームを作るというものになった。日本では「炎の調理人クッキングファイター好」とか、「俺の料理」といった色物系が多いが、海外では人気のあるジャンルらしい。え、「Dead Hungry」も十分色物……ってたぶん気のせいっす。この時点で製品版に通じる基本的なゲームシステムはできている。

 

骨子は屋台をゲームフィールドにした調理ゲーム。

 

アーケードスタイルのスピーディな展開を好むペペ氏は90年代のセガのアーケードゲームがお気に入り!? ちなみに左がポリゴンガンシューティングの元祖「バーチャコップ」、右がスタイリッシュなタクシーゲーム「クレイジータクシー」。

 

これだけではパンチが弱いということでゾンビを入れることに。ここで出てきたのが「タイピング・オブ・ザ・デッド」。これもセガのタイピングアクションゲームで、同社のガンシューティング「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド」が元ネタ。銃でゾンビを撃つ代わりにタイピングをすることでゾンビを倒すというゲーム。このスキームを使うのはいいが、ゾンビを倒すのに食べ物を与えるというのはちょっと……ということに。

 

そんな設定なこともあり(笑)チームメンバーが集まらなかったため、プロトタイピングは一人で進めることとなった。デザイナーがいなくても、既存のアセットを駆使しすればこんな形のプロトタイプ(右)ができる! そう、Unityならね。Unity万歳!(言い過ぎ)

 

食べ物のデリシャスさと、ゾンビのグロさのマッチングにも神経をとがらせたポイントだと言う……。レトロなファッションがいいマッチングというか、ペペさんの趣味というか。

 

キャラを増やそう! でもアーティストがいない! そんな時は30年前から伝わる究極奥義「色変え」でキャラをなんと倍に増やすことに成功!(笑)

 

ゲームジャム版ではOculus Touchが開発者向けに配布されてなかった時期ということもあり、ゲームパッドと目線で操作。ゾンビのオーダーに応える形のゲーム性だった。

 

そんな中、BitSummit 4thへの出展作を何にするかを考えていた際、またもや社長命令で「Dead Hungry」を出展することに。そのためOculus Touch対応を含めたさらなるブラッシュアップに励むことに。

 

その結果、行列ができるほどの大盛況につながって、ついに製品化に向けた本開発へと移行。ここで倉橋さんがチームに入る。

 

製品版では日本の屋台風にステージが変更。ゾンビも和風に……。うん、女子高生は和風

 

食材やアイテムも大幅に増えて、ジャパンテイストのアイテムも強化。多彩なハンバーガー(のようなもの)も作れて、「バーガータイム(旧データイースト、現ジー・モード)」も驚きの……うん、言いすぎました。

 

自由な発想が生み出せるゲームジャム、スクラップ&ビルドがやりやすいUnity、そして体験から得られるフィードバックが本作の成功を呼んだ……。しかし、一番の成功の要因はやはりQ-Gamesの企業風土、つまりノリ!?

 

Q-Gamesも出展する「A 5th of BitSummit」は今月、5月20・21日に京都・みやこめっせで開催! Q-games・Pixel Junk VRシリーズの次回作にも期待したい。

 
 
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(TEXT by Shogo Iwai)

 
 
●関連リンク
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