TOKYO INDIE FESTで体験したVRをピックアップ! 独特な世界観を堪能できる注目の3本【前編】

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5月13日〜14日に秋葉原UDXのアキバスクエアで開催した「TOKYO INDIE FEST」では、VR専用コーナーの「VR LOUNGE」を設けていた。そこで本記事では前後編に分けて、展示されていた作品のうち5作品をピックアップ。

前編となる今回は、筆者がプレイした時の感想と開発者へのインタビューを交えつつ、「マヨナカ・ガラン」と「Project LUX」、「COBIT」の3つを紹介したい。

 

プレイヤーを奇妙な世界へといざなうVRノベル「マヨナカ・ガラン」

 

マヨナカ・ガランは、「わすれなオルガン」や「真夜中は星づくよ」などのゲームを制作したCAVYHOUSEが開発しているVR対応3Dノベルゲームだ。東北にある隠れキリシタンの子孫が住む村を舞台に、昔話の中の存在だった「聖人」の復活を中心にして様々な思惑が渦巻くオカルトサスペンスストーリーとなっている。プレイヤーは主人公の案内人として着き沿うことになる。

すでに公式サイトやSteamで体験版を配布しており、Oculus RiftやVIVE、OSVRのいずれかを持っていればVRモードを利用できるが、VRゴーグルがなくてもPCのみでシネマティックモードによるプレイが可能だ。

TOKYO INDIE FESTでは、CAVYHOUSEの代表でありディレクション・グラフィック・プログラミングを担当する善乃氏と、シナリオを担当するy0s氏にインタビューを行なった。

さて、マヨナカ・ガランをプレイして気づく特徴は他ではあまり見ない「動かないテクスチャ」というユニークなグラフィックだ。下のPVを見ればすぐに気が付くはず。

 

 
CAVYHOUSEは、過去作の「わすれなオルガン」や「真夜中は星づくよ」などで、既に動かないテクスチャを用いたキャラクターや背景のテクスチャーを制作している。それを今作では3Dポリゴンに適用することで、彼らが目指している「一見普通そうに見えるけど、なんだかいろんなモノがずれている世界」をより深く表現しようとした。

その結果、この作品は3Dポリゴンなのに2Dのようにも見えるという、他にはない不安感やミステリアスさを感じさせるものに仕上がった。さらにVRモードでは、立体視と平面ディスプレーでの視聴を同時に行っているかのような不思議な感覚を味わえる。これらの動かないテクスチャはステンドグラスを参考にしていて、キリスト教の様々なモチーフをちりばめている。

操作は手軽で、ゲーム内の会話はキーボードやOculus Remoteなどのワンボタンで進めることが可能。一部のメニュー画面やマップでの選択は、視点を合わせてクリックするだけ。

ちなみに、CAVYHOUSEはKickstarterでゲームのフルボイス化を目指すプロジェクトを開始している。主人公「橘はももる」のCVに声優の嶋村侑さんを迎えてフルボイスによる、より没入感の高いプレイを目指すという。

 

 
CAVYHOUSEはマヨナカ・ガランの発売時期を夏頃だとしていて、コミケでの販売の後にSteam、Oculus Storeなどの各プラットフォームにて、約1000円で販売する予定だ。

 

業界初のカワイイ系モデリングの長編VRアニメ「Project LUX」

 

 
Project LUX(プロジェクト・ルクス)はノベルゲーム「WORLD END ECONOMiCA」を手掛けるSpicy Tailsが制作した長編VRアニメーションだ。

ほとんどの人が電脳化した世界にありながら、生身で創作活動を続ける少女「ルクス」。そこへ、主人公がエージェントとして訪れるところから物語は始まる。プレイヤーはとある理由で主人公の記憶を追体験することになるというもの。

今作は既に2017年3月30日よりSteamでSekai Projectから2480円で販売している。Steam版はVIVE、後から配信予定のOculus Store版はOculus RIftに対応している。なお、筆者が試したところSteam版もOculus Riftで問題なく動作した。

 

Spicy Tails代表であり、ライトノベル「狼と香辛料」や「マグダラで眠れ」の作者でもある支倉凍砂氏に話を聞いたところ、本作はストーリーとキャラクターを魅せることに焦点を当てているという。

前述のとおり、プレイヤーはあくまでも主人公の記憶をたどる第三者。物語は主観視点で進むが主人公のボイスが流れる。操作に関しても、モーションコントロールは使わなくてOK。当然ながら、それは本作がVR「アニメーション」であるため。また、「干物妹!うまるちゃん」のうまる役 田中あいみさんが声とモーションを演じたヒロイン「ルクス」を全力で鑑賞してもらうためである。

ちなみに、プレイヤーの視界の下には主人公の体が表示される。これはVRアニメーションという形式でヒロインのラクスと触れ合うために用意された、プレイヤーに身体性を意識させるための工夫であり、伏線でもある。

 

支倉氏によるとProject LUXはジャパニメーション調のキャラクターを用いたVRという点で、日本および中国語圏から非常に好評。「かわいいキャラクターと会話したり抱きしめたりしたい人は、ぜひ本作をプレイしてみてほしい」とのこと。あと、もしかしたら他VRゴーグルのプラットフォームでの販売もあるかもしれないとか。

ちなみに、次回作について尋ねたところ、まだネタは思いついていないものの年内か来年頭に向けて新作のVRアニメーションをリリースする予定だそうだ。

 

たくさんのこびとさんを指揮して飴玉を取り合い大さわぎ!「COBIT」

COBITは同人サークル「草の者」が開発しているVRリアルタイムストラテジー(以下、RTSと表記)だ。Oculus Touchでこびとさんを指揮して相手からより多くの飴玉を奪う対戦型RTSとなっている。

同人サークル「草の者」のシミズ氏(Twitter:@VHS_SOREN)は、「Civilization」や「ポピュラス」などのストラテジーゲームが大好き。とくにアリの生態をシミュレートした「シムアント」のスーパーファミコン版には多大な影響を受け、「ちっちゃいキャラがごちゃごちゃ何かやっている」風景を見たいと思ったことがCOBIT開発のきっかけになったそうだ。

ただ、RTSは作ろうとするとルールが複雑になりがち。そこでなるべくシンプルなルールでありながら、ゲームをしている気分になれる形を目指し、こびとさんを掴む・置く・つつくといった操作で、テーブル上の飴玉を取り合うゲームになったそうだ。

 

COBITの攻略のコツは、相手が自陣のどこを狙ってくるのかを確認しながらなるべく速くこびとさんを掴んで配置し、直後にこびとさんの背中をつついて敵陣へ突撃させること。敵のこびとさんが自陣へ突っ込んできたらすぐさま待機しているこびとさんを配置して妨害する。

うかうかしていると自分の飴玉が持っていかれてしまう緊張感もある。なお、行動が終わったこびとさんは待機場所に戻ろうとするが、戻る途中のこびとさんを捕まえても指示通りに動いてくれない。

このようにCOBITの操作はかなり忙しい。しかもOculus Touchによるモーションコントロールなので、集中力はもとより体力の消耗も激しい。しかし、この目まぐるしく変化する状況を、いかに切り抜けるかがRTSらしさではないだろうか。会場ではVRゴーグルを装着していなくてもディスプレイから第三者視点で試合を観戦することもできる。

 

ちなみに、COBITは元々はシミズ氏の実験プロジェクトであり、売り物として作っていなかったために正式版のリリースの予定はないが、来年の春ごろにOculus開発者向のβ版は考えているとのこと。今後は対戦人数を2人から4人にまで対応させたり、ユニットであるこびとさんや対戦フィールドなどの種類を増やすことで、操作性はそのままに深みを増す方向で開発していくと話した。

 
 
(TEXT by ぱソんこ

 
 
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