“10人”で開発したPSVRゲーム「ヘディング工場」秘話 コンシューマータイトル開発の裏側講演が多数【Unite】

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5月8~9日に東京国際フォーラムで開催したUnityの開発者会議「Unite 2017 東京」では、Unityで開発したコンシューマー機向けのゲームソフト・VRタイトルのポストモーテム(事後検証)が行われ、聴講者の注目を集めた。

ここではジェムドロップが手がけたヘディングで遊ぶVRアクションアドベンチャー「ヘディング工場」のポストモーテム、「俺たちのVR元年はこれからだ!少人数開発PS VR『ヘディング工場』企画とアートと技術と」を中心にお届けしたい。

 

ジェムドロップ代表取締役社長の北尾雄一郎氏(手前)とアートディレクターの増田幸紀氏が登壇。

 

ジェムドロップはアーケード、家庭用、モバイル、VRなどプラットフォームにかかわらず開発を行う受託中心のスタジオ。

 

最新作はスクウェア・エニックス「いけにえと雪のセツナ」のNintendo Switch版ローンチタイトルだ。こちらもポストモーテムセッションが行われて好評を博した。

 

「ヘディング工場」の開発コンセプトとしては「今までのゲームの常識を捨てて誰でも遊べるVRゲームを最もユーザーの多いマーケットに届ける」というもの。

 

しかし実は裏があって「処女作なので開発に無理はしない」、「自社発売なので開発期間を短くする」、「スペック不定のハード(≒PC)向けに提供するのが怖い(のでPS VR)」というところだった。PCのサポートは中小のソフトメーカーにとってはわりと問題になっている。

 

足りないものは企画側でなんとかしよう、という面で導き出された開発方針がこちら。ジェムドロップはPS4版「いけにえと雪のセツナ」の開発も担当し、そのときもUnityでの開発だったということもありエンジンはUnityに。

 

本開発は半年、スタッフ10人で行った。

 

ジェムドロップ開発ルームの写真。これだけのPS VRが集まるスタジオはそうそうないのでは。

 

TGSでOculus Riftの生みの親であるパルマー氏にOculus Rift CV1をもらったという話も。

 

さて、開発ではアセットを使いまわしたり、モーションデータが必要なのでキャラクターを単純化させたりと企画・デザイン面での苦労が続出したという。

 

重いシェーダーは使わない、そもそも作らないといった思い切りも大事。おもちゃのような世界観ともマッチしていることもあり、標準シェーダーのみで開発した。

 


酔いの問題も多発。VR酔いに耐性のないメインプログラマーが酔わないことが開発指針に?

 

今までのゲームの常識を捨て、VRならではのゲームを作る、というのがこれからのVRゲームの方向性と考えている。

 

VRゲームを売る難しさとして、プロモーションビデオだけでは伝わらないとし、課題として体験機会を増やす、第三者にも楽しさが伝わる工夫を入れることをあげていた。
 

Oculus/Vive対応のPC版のリリースも発表。詳細な日程は後日公式サイトにて伝えるとのこと。

ジェムドロップにとってはVRゲームの第1作ということで手探りをしながら開発したということもあり、次回につながる問題点も出てきたプロジェクトといえるだろう。とくに上記のVRゲームを売る難しさで挙げていた内容は、VR業界全体の問題でもある。次回作以降、どのような形で作るのかは興味を引くところだ。今後のジェムドロップのVR開発に期待したい。

 
 
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ジェムドロップ
ヘディング工場/Headbutt Factory

 

Unityとコンシューマー開発


Unityでのコンシューマゲームー開発、特にNintendo Switch開発に関するセッションは多くの聴講者を集めた。ファンの間ではいろいろと話題になった「スーパーボンバーマンR」のセッションも行われた。


ボンバーマンについては、実際のゲームではフォトリアル路線となったが、トゥーン調の路線も検討されていたという。

 
●関連リンク
スーパーボンバーマンR

 

ロマサガ2 Vita版は世界20万ダウンロード

 

「ロマンシング・サガ2」のPlayStation Vita/スマートフォン版のセッションでは開発を担当したアルテピアッツァのプロデューサー陣が登壇。オリジナルのゲームデザインを尊重しながら、画面サイズやインターフェイスなどを今風のゲームとして作りこむ、という苦労を語った。

 

同社代表取締役でアートディレクターの眞島真太郎氏はオリジナルのドット絵を分解し、スプライトスタジオでアニメ化したり、原作のグラフィック比率を変えずに高解像度化するなどの、グラフィック強化に関する試行錯誤を話した。そのかいあってか、PS Vita版がワールドワイドで20万ダウンロードという快挙に。本作のオリジナル版は海外では出てなかったこともあり、海外レトロRPGファンに刺さった模様だ。

 


ちなみにアルテピアッツァは「無双スターズ」で10年ぶりにゲームに登場した「オプーナ」の開発会社でもあるため、スライドはちょっとしたオプーナ無双となっていた。スクエニのゲームの講演なのに……(笑)

 
 
●関連リンク
ロマンシング・サガ2(PS Vita/スマートフォン版)

 
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