「一発芸」ではなく長く快適に使えるように——ドワンゴが「niconicoVR」に込めた思い

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既報の通りドワンゴは17日、niconicoのコンテンツをバーチャルリアリティー向けヘッドマウントディスプレー(VRHMD)の「Gear VR」で視聴できるアプリ「niconicoVR」を発表した。20日まで開催している「東京ゲームショウ2015」のOculus VRブースに視聴可能だ。

 
無類のVR好きなPANORAということで、いち早くniconicoVRを体験。さらに開発者であるドワンゴ、マルチデバイス企画開発部の岩城進之介氏にインタビューできたので、アプリへの思い入れをまとめていこう。

 
01
岩城氏。ちなみにniconicoVRのロゴステッカーは、体験者に配布しているとのこと。

 

「niconico見ながら、ポテチが食べたい」

——すいません! まずは体験させてください。

 
どうぞ。ではGear VRをかぶっていただいて。

 
——おお、最初にGear VRの操作説明画面が現れるのですね。右側面のタッチパネルをタップすると……。おおおおおおお! niconicoの動画のサムネ(サムネイル)が360度のバーチャル空間にずらずらっと並んでる!

 
そうなんです。ランキングとかも表示されますよ。

 
TGSnico02

 
——はえー。これは直感的にみられて最高ですね! あれ、下向くとリアルタイムで目の前の様子が見えます。

 
だってniconico見ながら、ポテチが食べたいじゃないですか。

 
——確かに(笑)。なんという「おもてなし」の精神なんですか。

 
(お菓子が入ったバスケットを差し出す)Gear VRをつけた状態でもお菓子が見えて、ちゃんとつまみ食いしながら動画が見られるということです。

 
——袋をつまんで開けて、食べれちゃう。スゴいですねこれ! こんな機能つけられるとniconicoにいりびたりで、リアル世界に帰ってこられない。

 
TGSnico04

 
さらにリクライニングソファーで見ることを想定して、動画プレーヤーが上に表示されるようにしてます。

 
——はえー! ちょっと動画を再生してもいいですか?

 
もちろん。

 
——再生ボタンを押して……。あっ、コメントの吹き出しがポップアップで表示されますね!立体的にコメントが現れるってめちゃくちゃ新鮮だ。「弾幕」(同じシーンに多数のコメントが集中して重なって表示されている状態)とかってどういう表現になるんでしょうか。

 
弾幕は動画の後ろに流れます。この辺のコメントの見せ方は試行錯誤していて、リリースまでにいじるかもしれません。

 
TGSnico03

 
——早送りとかはどうするんですか?

 
まだ実装してません。

 
——動画の下にアイコンが並んでますが、これを選んでコメントは書ける感じですか?

 
書けます。キー入力の面倒さを配慮して、スライドすると定型句を切り替えてサクッと投稿できる感じです。

 
——さっきの下のアイコンで、コメントの表示も消せますね。先ほど言われていた、ゴロ寝モード的なやつというのは……(上を向く)。動画が上に動いた。すごい、なんというおもてなし。

 
やっぱり、niconicoをともかくVRでだらっと見たいんですよね(笑)

 
——だらっと見たい! そのコンセプトきっちり仕上がってますね。そもそもこの企画はどんなところから始まったんですか。

 
もともとは360度で没入感があるコンテンツを多く楽しみたかったんです。だから360度配信の仕組みを作って、例えばニコファーレ(前後左右上の5面がLEDに囲まれたドワンゴのライブ施設)とかに設置すれば、自動的に360度映像が量産されていくだろうって思惑でした。それでNTTさんと共同でプロジェクトを始めて、ようやく去年、小林幸子さんのライブをOculus Rift向けに配信できた。でも、何回か配信をトライしたら、めちゃくちゃ大変なことがわかったんです。

 
——それは技術的なハードル?

 
いや技術的というよりは、単にカメラを置いておけばコンテンツがどんどん生まれていくというわけではなく、きちんと番組として成立させるためには準備や360度の配信をコントロールするディレクターが必要なわけです。そうなると、結構手間がかかるねということで、当初の思惑とはずれてきてしまった。

 
「VRで360度の映像ってこんなに楽しいんだよ」という道筋を見せるためには、そもそもコンテンツがないと360度再生ソフトをつくっても多くの人に使ってもらえない。でもそこは「鶏と卵」の関係じゃないですが、じゃあまずは普通にniconicoがVR空間で見られるプレーヤーをつくってみようという感じで製作しました。

 
——まず、今あるコンテンツでVRを楽しめるものをつくろうと。

 
そうなんです。楽しめる360度再生ソフトならみんなにも使ってもらえるし、その中に360度映像があれば、みんなにも気づいてもらえるんじゃないか。……とまぁそれは言い訳みたいなもので、やっぱりniconicoをVRでだらっと見られたらいいなって(笑)。

 

「niconicoVRは長く使ってもらいたい」

——「これは絶対実現したかった」って機能はありますか?

 
いくつかありますが、手元カメラ機能ですね。下を向いたらカメラが起動するというのは、もともとコメントを入力するのにキーボードが見えないとダメだろうという理由だったんです。そのあと開発を進めていくうちに、「これってつまみ食いとかに超便利だよね」という話になって、ここから先は外せないものになりました。

 
——見られる範囲が円形で、Gear VR標準で同じようなことができる「パススルーモード」よりも視界が狭いイメージですが、その理由は?

 
左右は広げられるんですが、そこはのぞき穴っぽい感じの方がいいかなという。

 
——なるほど(笑)

 
実は今日も直前まで手元カメラ機能のオン/オフどうするかというのを調整していました。カメラをつけると発熱などの問題があって、連続稼働に影響を与えてしまうんですが、なんとか出せるようにうまくいきました。

 
——長時間のつけっぱなしを前提にしてるんですね。

 
前々から思ってたんですが、VRのアプリって、展示会などで短時間で面白さをわかってもらうために、ファーストインパクトを重視する傾向にありますよね。

 
——言い方は悪いかもしれないですが「一発芸」的なという。

 
そうではなく、niconicoVRは長く使ってもらいたい。快適に長く見られることを優先したので、展示会のデモでは物足りないかもしれないです。

 
——それこそ、さっきのようにゴロ寝でGear VRをつけながらniconicoを見てられるわけですね。今までスマホで寝ながらだと手が疲れてしまっていたけど、これなら姿勢がすごく楽。

 
そうなんです。今回出展しているのはデモ用なので、一定時間を過ぎると360度映像の体験に移行するようになってるんです。でも実際にデバッグとかしてると、すぐに制限時間に達してしまって「えっ、もう終わり!?」みたいな。

 
——確かに!

 
それはある意味成功というか、意図通りにできたなと思います。

 
——niconicoはユーザーのログイン時間が、他の動画共有サービスに比べて長いみたいな話もありますが、まさにつけたままリアル世界に帰ってこられない。

 
次から次へと見られますからね。

 
——前の小林幸子さんのライブはOculus Riftでしたが、今回プラットフォームとしてGear VRを選ばれた理由は?

 
やっぱり手軽だからです。ケーブルがないのと、あとはインターフェースが完成していて、ストアからのアプリ入手がすべてVRで完結できる。そこは大事にしたい。

 
——現状、360度動画の投稿はYouTubeが先行していて、niconicoはまだですが、将来的には可能性はあるんでしょうか?

 
可能性はありますが、どこまで対応できるかというのが難しいいところです。今のYouTubeも、360度動画を上げられるといっても、見られるプレーヤーが限定されてしまう。だからniconicoでも、Gear VRでは360度だけど、他の環境では普通の動画として再生されるかもしれない。

 
——あとは気になるのは2015年秋にリリースするとしても、niconicoのメインユーザーは、まだVRHMDを体験したことがない方も多いですよね。例えば、ニコニコ本社とかに置いたりとかはできないでしょうか?

 
そうできればいいですが、現状は東京ゲームショウ向けの開発で手一杯でした(笑)。ここから先はまた考えます。全国ツアーの「ニコニコ町会議」に持っていくのとかもアリかもしれませんね。

 
——おおお!! めちゃ面白いアプリで、PANORAでもニコニコ町会議にVR出展しているので、ぜひぜひ一緒にVRを盛り上げましょう。

 
 
●関連リンク
プレスリリース
niconcio
Gear VR

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