優れたプライスパフォーマンスを実感 かぶってわかったAcerのWindows MR対応ゴーグル【Computex】

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台湾にて5月30日〜6月3日に開催しているPC関連機器の展示会「Computex Taipei 2017」。会場のひとつである台北南港博覧館の4Fにあった「Gaming&VR」エリアから、AcerブースにあったWindows Mixed Reality対応ゴーグルのデモ体験をレポートしていこう。

 

AcerのMRゴーグルは、先週の「de:code」より開発キットのプレオーダーが始まり、予想を上回る予約数で1週間も経たないうちに販売休止となった状況がある。日本の開発者の間でも期待が高い。

 

これで299ドルなら十分過ぎるじゃないか!

AcerのWindows Mixed Reality対応ゴーグルの体験は、PANORAでもITジャーナリストの西田宗千佳氏、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの伊藤周氏と記事にしてきたが、日本では、一般のデモ体験は提供されてこなかったため、筆者(広田)が触るのは初となる。

 
結論から言えば、位置トラッキング性能も十分で、現状のVRゴーグルよりも安価な299ドル(コントローラー付きは399ドル)でこの性能を提供してくれるなら十分に魅力的だ。

 

Acerブースのカウンターで予約チケットをゲット。

 

体験前には、マイクロソフトが考えるMixed Realityとは何かという解説が行われた。棒グラフの左端が完全な現実の「PHYSICAL REALITY」、右端が完全なバーチャルの「DIGITAL REALITY」と仮定して、MRが目指す範囲は左/右に達しない広い範囲を指すことになる。

 
現状のARは左から少しだけ、VRは右ぴったりから少しだけの範囲。ゴーグル越しに現実が透けて見えて(シースルー)CGを重ねられるHoloLensはAR側からVRに、逆にWindows Mixed Realityの没入デバイスはVR側からARに──という範囲を目指して開発されている。このキップマン氏の講演記事を読んだ上だと、さらに理解しやすいはず。

 
そうしたHoloLensもWindows MR対応デバイスも、ネットワーク経由で同じ空間にログインして、似た体験をシェアできるのが強みという話が強調された。

 

今秋に予定しているWindows 10のFall Creators Updateでは、ゴーグル型ではないがRGBカメラを備えたタブレットのようなWindows 10デバイスもMRに対応して、例えば車が止まっていないスペースに火星探索機を出現させるようなことが可能になる。

 
……という話があったあとに実際の体験なのだが、撮影が禁止されていたので、テキストで流れだけをお伝えしたい。まずゴーグルをかぶると、白い壁と木の床で作られた4、5部屋ほどが廊下でつながった家に自分がいることがわかる。操作にはXboxコントローラーを利用し、左スティックでゆっくり移動、Yボタンで目線の先にワープ、Aボタンでクリック、LB/RBボタンで旋回といった指示が可能だった。

 
そこからはHoloLensユーザーにはおなじみのアプリをVR空間に展開して、次々と体験していく。具体的には、壁にかかっているウィンドウをクリックして、宇宙飛行士のホログラムを出現させて動かしてみたり、ウェブブラウザーの「Microsoft Edge」でWebVR対応のサイトを開いて、右下のゴーグルマークをクリックして360度に展開したり、360度動画を開いて視聴したりといった具合だ。

 
例えるなら、Oculus HomeやSteamVRのホーム画面のような場所で、通常のPC用のウィンドウを壁に向かって開いて、その内容をウィンドウ内で見たり、シームレスにバーチャル空間全体に展開したり──といった操作をする感じだろうか。

 
最後に空間に置かれた地球儀をクリックして「HoloTour」を起動し、ペルーのマチュピチュ遺跡にワープして上空から堪能。ゴーグルを跳ね上げられるフリップアップ機構を試して終了という流れだった。

 

 
かぶった印象では、色合いは同じ液晶パネルであるOclus RiftのDK2をきれいにしたような感じで、鮮明さではOculus RiftやHTC VIVE、PlayStation VRといった有機ELパネルの製品には達しない印象だった。ただ、絶対的に画質に不満があるわけではなく、マチュピチュ遺跡の360度写真では、その繊細さも感じられたりと、必要十分だ。

 
装着は、ベルトを額と後頭部に締め付ける方式で、Oculus Riftに比べても本体が軽量と感じた。外部のセンサーを用意せずに、ゴーグルについた2つのカメラで測位してくれるインサイドアウト方式の位置トラッキングについては、おおむね良好だった。「おおむね」というのは、1m四方で壁が近い限られたスペースだったせいもあってか立ったり座ったりすると、ときおりトラッキングが少しだけ遅れると感じたこともあったからだが、それでも大きく不満を持つほどではない。

 
VR普及をさらに押し広げてくれる、プライスパフォーマンスに優れたミドルレンジの製品として活躍してくれそうないい製品だという印象を持った。年内に発売された際には、ぜひ注目してほしい。

 

オマケ:HoloLens、Oculus Riftと比較してみた

たまたまHoloLensとOculus Riftを台湾に持ってきていたため、一緒に並べて写真を撮ってみた。サイズ感の参考にしてほしい。

 
(TEXT by Minoru Hirota

 
 
*Computex Taipei 2017のまとめページはこちら

 
 
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