VRクリエイティブアワード2017結果発表 最優秀賞に「VR Real Data Baseball」「Mikulus」が選出!

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VRコンソーシアムは6月1日、アワードイベント「VRクリエイティブアワード2016」の最終審査イベントを実施した。「Across Dimensions(次元をつなぐ)」をテーマとし、商業部門、個人部門合わせて15作品のファイナリストが会場でプレゼンテーションを行い、朝日新聞社賞、VR THEATER賞、一般投票優秀賞、審査員特別賞に各1作品ずつ、そして商業部門/個人部門で優秀賞、最優秀賞が各1作品ずつ選出された。結果は以下のとおり。

 

 
 
●個人部門 最優秀賞
「Mikulus」……近藤義仁

 

 
従来のデスクトップ環境におけるペーパーパラダイムからの脱却を目指し、VR時代のワークスペースの最適化をテーマに誕生したVROS。もともとはVR空間に初音ミクが現れ、自分を見つめてくれるという観賞用のデモ作品として作られたが、Oculus Rift用にアップデートし、バーチャルデスクトップを付けたことでVR空間がワークスペースとして機能するように。そこから考えを発展させ、最終的に「VR時代のOS」といったコンセプトへと変化した。

展示バージョンはRift専用コントローラーOculus Touchに対応しており、エクスプローラーから画像や動画などを直接掴んでVR空間に配置できるといった機能を体験できた。

 

360度パノラマ画像をVR空間に配置できるデモ

 
Mikulusについてはこちらのインタビューも参照のこと

 
●個人部門 優秀賞
「映画ツクール – Make it Film! 」……株式会社エクシヴィ 室橋雅人

 
VR空間内にカメラを設置し、VR空間上で自分がカメラマンとなってリアルタイムに撮影、演技できるVRクリエイティブツール。このツールを使うことによって、専門知識がなくともCG映像作品の制作が可能となる。将来的にはオンラインでの共同作業、カメラワーク、演技データ等の共有などを実装していく予定とのこと。

 
●商業部門 最優秀賞/一般投票優秀賞
「VR Real Data Baseball」……株式会社バスキュール 桟義雄

VR Real Data Baseball from trust tower on Vimeo.

 
一般投票優秀賞、商業部門最優秀賞、ダブルの受賞となったのは「打てる野球中継の実現」をテーマに作られた体験型VR野球中継システム。本作はピッチャーの投球の軌道やボールの回転などを高精度にトラッキングできるシステムを使い、プロのデータを収集してVR内で正確に再現。VRHMDとセンサーを組み込んだミットを装着し、プロが投げたボールをVR空間でキャッチャーとして捕球したり、バットを持ってバッターとして打ったりと、プロのリアルボールに触れる体験ができる。

また、バットとボールを巨大化し、反発係数を上げてボールを打ち、その成績によって年俸が表示されるというゲーム的なモードも搭載し、「リアルな体験」と「一般の方が楽しめる工夫」が組み合わさった作品となっている。

今後は試合の模様をリアルタイムで中継できるシステムへとアップデートしていきたいのこと。

 
●商業部門 優秀賞
「男女の本音VR」……株式会社BIRDMAN + 株式会社二番工房 + 株式会社オムニバス・ジャパン 高松克宗
http://lovers-labo.jp/project/project05.html

 
鑑賞中に「後ろを向く」ことで異性の視点に切り替えることができ、男女両方の視点での“心の声”を聞くことができる実写VRムービー。男性は女性の、女性は男性の本音を聞くことで恋愛やコンドームに対する考えの違いを体感し、コンドームの着用率を上げる目的で作られた。コンドーム国内シェアNo.1のオカモト株式会社のWebサイト「LOVERS研究所」にて公開中。

 
●VR THEATER賞
「博士と万有引力のりんご」……内藤薫

 
絵本の中に入り込んだような体験ができるストーリーつきの3DCGのVR作品。物語はニュートンの万有引力の法則発見のエピソードになぞらえたオリジナル。内藤薫自らが描き起こした模様やテクスチャによって、個人性あふれる映像世界を作り上げている。

 
●朝日新聞社賞
「日本列島VR」……VoxcellDesign, Inc. 脇塚啓

 
離島を含む日本列島の上空を自由自在に飛び回り、鑑賞するVR作品。既存のテクスチャを使用せず、国土地理院(http://www.gsi.go.jp/MAP/)発行の数値情報をもとに、標高や海岸線、道路、建物などの位置を現実に則し、Unity上でリアルタイムレンダリングしている。

 
●審査員特別賞
「不可視彫像/Invisible Sculpture」……フリーランス/メディアアーティスト 坪倉輝明

 
懐中電灯を持って、上に何も乗っていない台座を照らすと、あるはずのない作品の影が浮かび上がるインタラクション。3Dトラッキングシステムの「Lighthouse」を使用して、懐中電灯の3次元位置・角度を正確にトラッキングし、光源からの正しい影をリアルタイムシミュレーションすることで、あたかもそこに作品があるかのような効果を生み出している。通常VR作品は体験人数が限られたり年齢制限があったりするが、この作品は皆が同じものを同じ場所で共有できるのが特徴。

 
以上が、今回受賞した作品だ。閉幕の際、VRコンソーシアム代表理事 藤井直敬氏は「ファイナリストだけでなく、審査したすべての作品がすばらしかった。今後もVRクリエイティブアワードを続けていき、VRを牽引するような作品が集まって、きちんと評価される仕組みを作っていきたい。」と語った。

 
 

ファイナリスト作品 商業部門

Project LUX(プロジェクト・ルクス)」……支倉凍砂

 
VR Rhythm Action SEIYA」……株式会社ワンドブイ 近藤善洋

 
男女の本音VR」……株式会社BIRDMAN + 株式会社二番工房 + 株式会社オムニバス・ジャパン 高松克宗
・ウェブサイト:http://lovers-labo.jp/

 
EXOS – The next interface for the virtual world」……exiii株式会社 山浦博志

 
車椅子型VRレーサー「CYBER WHEEL」……株式会社スポーツイズグッド+株式会社ワン・トゥー・テン・ホールディングス 澤邊芳明

 
VR Real Data Baseball」……株式会社バスキュール 桟義雄

 
 

●ファイナリスト作品 個人部門

博士と万有引力のりんご」……内藤薫

 
不可視彫像/Invisible Sculpture」……フリーランス/メディアアーティスト 坪倉輝明
 - 紹介映像:https://www.youtube.com/watch?v=kZ3skQQuiio

 
映画ツクール – Make it Film!」……株式会社エクシヴィ 室橋雅人

 
日本列島VR」……VoxcellDesign, Inc. 脇塚啓

 
AR彼女(仮)」……園田哲理

 
Mikulus」……近藤義仁

 
失禁体験装置」……電気通信大学ロボメカ工房VR部隊 亀岡嵩幸
http://www.nicovideo.jp/watch/sm31095974

 
ReverseCAVE: Providing Reverse Perspectives for Sharing VR Experience(VRデバイドを解決するためのパースペクティブ共有技術)」……筑波大学/デジタルネイチャーグループ 石井晃、鶴田真也、鈴木一平、中前秀太、皆川達也

 
Telewheelchair」……筑波大学デジタルネイチャー研究室 橋爪智、高澤和希、鈴木一平

 
 
(TEXT by 上林将司)

 
 
●関連リンク
VRクリエイティブアワード2017

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