オススメの新作PS VRタイトルは?──SIE WWS吉田氏に聞くPlayStation VRの今(後編)

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前編に引き続き、PlayStaion 4向けVRシステム「PlayStation VR」(PS VR)についてソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE) ワールドワイドスタジオ プレジデントである吉田修平氏にインタビューした内容をお届けしよう。

 

140のPS VRタイトルがさらに増加に

 
──今回いろいろ新作を発表されましたが、吉田さん的に注目なタイトルをいくつか教えてください。

 
吉田 まず「Bravo Team」ですね。あれは「Farpoint」に次ぐPS VRシューティングコントローラーの第二弾的なタイトルとしてつくっています。カバーシューターで、今度はオンラインの2人協力プレーを前面に押し出しています。ただワープするのではなくて、自分が動く姿がわかってから、目標の場所に移るという新しい方式です。

 

 
──動く姿がわかるというと?

 
吉田 つまり自分がある位置にいるとして、次にこの場所に移動したいというときに、ワープ先を見てボタンを押したらすぐに視界が移ってしまうのではなく、サードパーソンとして自分が歩いていくのが見えるんです。途中、敵から打たれてしまったりするのでタイミングを見計らう必要はありますが、無事移動先にたどり着けたら視界がピューっと移動する方式です。

それは普通に視界を動かしてしまうとVR酔いの可能性があるのでワープさせたいのですが、視界がいきなり移ってしまうと現実的じゃないという感覚が強くなるので、プレイヤーの動きを見せるという解決策を取っています。

 
──おおお!それは新しいですね!

 
吉田 やっぱりカバーシューターは体を隠しながら打ったりするのが楽しいので、そのリズム感を楽しんでいただきたい。

 
──まさにアーケードでやっていたようなシューティングゲームが、PS VRとPS VRシューティングコントローラーを使って家庭でできちゃうという。

 
吉田 そうです、そうです。それがひとつのオススメですね。あとは「Until Dawn」シリーズのSuper Massive Gamesが手がけた「The Inpatient」も注目してほしいです。Until Dawnは、去年のPS VRローンチで世界観を使ったレールシューター「Until Dawn: Rush of Blood」を出しましたが、それとは別の時間軸のアドベンチャーとなっています。

Rush of Bloodは評判がよかったのですが、原作ファンはやっぱりホラーを期待されていたということで、その声に応えてサナトリウムが舞台のサイコスリラーに仕上がっています。

 

 
 
──結構、VRの新作も多かったですよね。

 
吉田 そうですね。デモ展示の中では「Tiny Tracks」も興味深くて、「Velocity」という非常に評判のいいゲームを出していたFuturLabがつくっています。ゲームバランスに非常にこだわる方々で、現地ではまだチューニング中で難しくて私は勝てなかったのですが、ミニ四駆みたいに小さな自機を見下ろしながら遊べるのはとても楽しかったです。

あとは昨年のPlayStation Experienceで発表した、恐竜に対して人間をつまんで落として戦いを挑んでいくというリアルタイムストラテジー(RTS)の「Dino Frontier」も大変気に入っています(レポート記事)。

 

 

 
 
──VRとRTSの相性ってとてもいいですよね。

 
吉田 そうですよね。フィールドに置く前のキャラクターも手に持ちながら眺めるのも面白かったりして、オススメです。

 
──そういう話でいうと、年内遊びきれないぐらいの多くのタイトルがリリースされそうですね。

 
吉田 私としても「グランツーリスモ SPORT」も楽しみですし、FINAL FANTASY XVの釣りゲームにスポットを当てた「MONSTER OF THE DEEP」も「こうきたか!」と思いました。確かに釣りはVRにあっているテーマで、ミニゲーム自体もよくできていたので、それをVRで遊べるのは喜ばれるのかなと。しかもキャラクターが横にいたりしたら、さらにファンにはたまらないものになるのではと思います。

 

 

 
 
──FFもそうですが、国産のVRタイトルが続々と出てきているのもうれしいところですね。

 
吉田 これからは増えることが期待できると思いますし、PS VRの数が今100万台を超えて今後も増えていくので、VRコンテンツをつくっている方々もプラットフォームとしてPS VRを必ず想定に入れてくれている流れになっているのがすごくいいです。

 
──ちなみに今、PS VR対応タイトルの数はいくつぐらいでしょうか?

 
吉田 現状は140ほどです。Steamに比べると数は少ないですが、コンソールでリリースするハードルが高くなっていて、さらに出る前に技術的な部分で間違いがないようにわれわれが全タイトルに対してのコンサルティングした上での数になります。コンサルティングは、もちろん内容に関してはデベロッパー次第なのですが、多くの方々が陥りがちやすい部分がアドバイスできるので喜ばれていたりします。

 
──そういえば、Media Showcaseのデモ会場における「みんなのゴルフ」やPlayLinkのCMなど、最近、吉田さんがキャラとして前面に押し出されています。吉田さんの自身のVRコンテンツが出る可能性もあったりするんでしょうか!?

 
吉田 どうですかね(笑)

 

 

 
──最後に2014年に発表した「Project Morpheus」時代から3年経過しましたが、吉田さんから見た、過去から現在にかけてのVR業界はどう見えていますか?

 
吉田 隔世の感はありますよね。初期は面白いからつくりたいと個人が集まっていた時代でしたが、今は大手企業が普通にVRに取り組むようになっていますよね。Oculusさんで起こった変化が象徴的で非常にメジャーになったという。ごく普通の企業がVRに取り組めるという時代まで一気にきたなと。

GDCの初期のようなインディー的なノリが失われていくのは寂しい気もしますが、それは起こるべくして起こったことで、それが想定より早い気がします。相変わらず欧米での投資意欲は衰えていない。

日本でもそうですが、ゲーム以外の実社会での活用が進んできているのがすごくいい。デザインや建築などの業務において、メディアとしてちゃんと効果があると認められた導入だったというのが実証されていると思います。ゲーム以外のテレビ、アニメ、映画といったエンターテインメント産業でもVRに取り組まれています。今後もぜひPS VRでリリースされるタイトルに注目していってください。

 
(TEXT by Minoru Hirota

 
*E3 2017のレポート記事まとめはこちら

 
 
●関連リンク
PlayStation VR
E3 2017

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