【連載】神足裕司 車椅子からのVRコラム 「VRパラダイス」

LINEで送る
Pocket

6年前にくも膜下出血で倒れた人気コラムニストの神足裕司さん。闘病中の氏が車椅子の上から隔週でお送りするVRコラム第3弾です!

 

ボクはいま真っ暗な深海の底に立っている。厳密には車椅子で座っているわけだけど。

懐中電灯(VIVEコントローラー)を手渡されて暗闇を照らす。暗闇の深海はその懐中電灯を照らしたところだけがみえる。緊張感が増していく。恐怖を感じる。なにかがいる場所に踏み入って攻撃されないか、後ろから何かが襲ってこないだろうか?ゆっくり周りを見渡す。

「theBlu」の深海ヴァージョン「Lumino Abyss」内の映像

すると、そこは巨大な魚が朽ち果てて骨になり静かに横たわっている場所だとわかる。クジラだろうか?深海に存在するであろうなにかがぷかぷか浮いている。

やっと冷静さを取り戻し、360度ぐるっと照らしてみるとそこにはかわいいくらげが浮いていたりする。

「theBlu」の深海ヴァージョン「Lumino Abyss」内の映像

ここは、秋葉原の「VRパラダイス」ドスパラ秋葉原本店の5階だ。ゴーグルを装着すればそこがビルの5階だなんて忘れてしまう。予約をすればVRを無料で体験できるありがたい店だ。

まずは浅いさんご礁の「Reaf Migration」巨大なクジラとであう「Whale Encounter」真っ暗な深海を探査する「Lumino Abyss」の三部作「theBlu」を体験することにした。

VRパラダイスのスタッフがVRの楽しみ方を丁寧にナビゲートしてくれます。

ボクの家族はダイビングのライセンスをみんな持っている。最初は息子と二人で資格を撮りに行きよく潜った。この「theBlu」にもある浅いさんご礁などは良く潜った。海に潜ると「人間が生活して使っている部分は地球のごくわずかなんだなあ。まだまだ未開の場所はたくさんある」といつも感動していた。

「Reaf Migration」の美しい珊瑚礁の映像。

海外にも潜りによくいったが沖縄の海はやっぱりきれいだったなあ。「Whale Encounter」とまではいかないが「ホエールウオッチングなんていうツアーでちいさなクジラやいるかと並んで泳いだこともあった。「Whale Encounter」で出会う巨大なクジラとは普通ならいっしょには泳げないだろう。それをVRは可能にしてくれる。映像は本当に海の中にいるようで鮮明である。

 

「theBlu」の「Whale Encounter」。大きなクジラが寄り添う。

けれど体験してみて圧巻なのはやはり深海の探索だ。

こんな深海には潜水艇か何かでなければ行くことは不可能だろう。そこにボクは立っていられる。懐中電灯で照らすと深海魚が近くを通り抜ける。無数のくらげに囲まれることもある。ボクの一番近くにいるくらげに懐中電灯で触ってみるとボンボンと弾む。ちょっと手を伸ばして遠くのくらげにもさわってみる。ボニョンボニョン!もうそこは海の中の何者でもない。

「theBlu」で手軽にダイビングした気分が味わえる。
コントローラを使いVR内で操作する神足さん。

VR体験は他にもジェットコースターに乗ったり女の子と温泉に入ったり膝枕をしてもらったり……まだまだたくさんのコンテンツがあるそうだ。次回は膝枕でも体験したいと思う。ダイビングができない今、このクオリティーの映像ならモルジブのダイビングも夢ではないと思うのである。

 

●著者紹介

 

 

神足裕司(こうたりゆうじ) 1957年、広島県出身。黒縁メガネ・蝶ネクタイがトレードマークのコラムニスト。「金魂巻(キンコンカン)」をはじめ、西原理恵子との共著「恨ミシュラン」などベストセラー多数。2011年にクモ膜下出血発症。1年の入院生活を送る。半身マヒと高次脳機能障害が残り、要介護5となったが退院後、執筆活動を再開。朝日新聞をはじめ連載も多数。最新刊は「一度、死んでみましたが」「父と息子の大闘病記」などがある。

●関連リンク
朝日新聞デジタル 連載 コータリンは要介護5
神足裕司Twitter
VRパラダイス
Steamストア「theBlu」

LINEで送る
Pocket