一番の絶叫はホラー……ではなくマリカー! コヤ所長&タミヤ室長が語るVR ZONEの魅力(前編)

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7月14日に東京新宿・歌舞伎町にオープンしたVRエンターテインメント施設「VR ZONE SHINJUKU」。そのプレス向け内覧会にて、バンダイナムコエンターテイメントのコヤ所長とタミヤ室長のお二人を取材する機会を得た。

 
率直に言って、このお二人のVRとエンタメに対する姿勢は非常に参考になるし、何より掛け合いの話が面白いのだ。そんなこともあってPANORAでは昨年4月、お台場に「VRエンターテインメント研究施設」としてオープンして以来、さまざまな形でVR ZONEの思想をレポートしてきた。

 
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最新のSHINJUKUでは何にチャレンジしたのだろうか? 約1万字の長文なので前後編に分けるが、VRクリエイターはぜひチェックして欲しい。

 
*VR ZONE SHINJUKUの特集記事はこちら

 
 

ナムコとバンダイの歴史が凝縮された場所

 
──(体験後に)いやー、本当にスゴい体験でした! 「VRここ極まれり」って感じがします。

 
コヤ所長 ホントですか

 
──率直に言って、ナムコとバンダイの両社がつちかってきたエンターテインメントの歴史がここに凝縮されている印象です。

 
コヤ所長 あります、あります。ナムコとバンダイが、今までやって来たことがここに集まっているというのは本当なんですよ。実は両社が経営統合するときにも、ガンダムの「戦場の絆」にて、バンダイのIPプロデュース力とナムコのゲームの技術、遊びが融合したものだと言われたのですが、VR ZONEもまさにその体現だと思っています。その統合からもうすぐ12年かな。バンダイナムコグループが一体となって、物販コーナーなど細部にわたるまで一丸となって実現できたことなんです。

 
──本当にその通りで、もう興奮でしかないです。

 
コヤ所長 うそー、嬉しいです。

 
──今回のプレスも含めて、オープンの14日を前に関係者やファンなどの先行内覧会を実施していますが、みなさんの反響はいかがでしょうか。TwitterでVR業界の関係者をみていると絶賛しか書かれていないですが、その声も納得できるなと。

 
コヤ所長 嬉しいですね。

 
──でも実際に体験してみて、「わかる」の一言でしかないです。まず圧倒されるのが、コンテンツの量です。2016年4月、VRエンターテインメント「研究」施設と銘打ってオープンしたときには、展示は6つでした。もちろん粒ぞろいでしたが、全部回ろうと思ったら回れる数でしたよね。それが今回は展示が15にも増えて、「これって全然遊び尽くせないじゃん」みたいな驚きがあった(会場のフォトレポート)。

 
コヤ所長 嬉しい、嬉しい。

 
タミヤ室長 あー、よかったです。

 
──敷地面積は断然VR ZONEの方が狭いにも関わらず、遊園地やアミューズメントパークに来て「これ広いし遊ぶものが多すぎて回りきれないから、また来ようか」というのと同じパワーを感じました。

 
コヤ所長 今、真夏にも関わらず、この中ってちょっと暗くて涼しいじゃないですか。色々な人たちと話して、別世界でさまざまなアトラクションを体験していると「あれっ、何時だっけ」となってしまうんです。

 
タミヤ室長 そう、時間とか季節感とかまったくわからない状態になってしまうんですよね。ある方が、終わった後に足が地につかない、ふわふわした感じで「あの体験はなんだったんだろう……」というコメントをしていただいたこともありました。

 
──まさに非日常……。

 
コヤ所長 だから「超現実エンターテインメントEXPO」と銘打ってますね。

 
──超現実! アトラクションだけでなく、カフェ・ディナーエリアだけでも、特集にできるぐらいの作り込みが本当にすごいなと。海や山をイメージしたプロジェクションマッピングも印象に残りました。

 
タミヤ室長KIRBY CAFÉ」などをプロデュースされてるスパークルさんと話が合って、「徹底的にやりましょう」ということになりました。

 
コヤ所長 「電子レンジでチンするメニューでもいいんじゃないの?」と言ってたりもしたのですが、食事のメニューも手を抜かず、本当に徹底的にこだわってくれました。

 

 

 

 
──観光地とか遊園地の売店だと、「冷凍庫から出してレンジでチンして出したやつですよね」みたいなメニューがありがちですよね。

 
コヤ所長 そうそう。フランクフルトとかポテトとか。

 
タミヤ室長 そういった意味ではコンセプトの理解力があって、そのコンセプトで料理をつくったらどうするんだろうっていう提案力に長けている会社さんだったので、今回組んで非常によかったですよねー。美味しいし、ちゃんとテーマに沿ってるし。

 
コヤ所長 しかもそんなに高くないんですよねー。

 
タミヤ室長 最初、写真見たときに、スゴイ値段になるんじゃないかと思っていたんですが、新宿でこれだけの料理ならアリかな、くらいのところにおさめてくれたのでよかったです。

 
 

3ヵ国語の公式サイトで海外のユーザーにも対応

 
──メインであるVRアトラクションに話を戻すと、個人的には3人で同時プレーするエヴァのVRが一番印象に残りました。

 
コヤ所長 やっぱり通信を使って、みんなでできるようになったのは大きいですよね。

 
──確かに。しかもエヴァだけで3台が4セット、他のアトラクションも必ず複数セットあるのが嬉しかったです。

 

 
コヤ所長 「恐竜サバイバル体験 絶望ジャングル」は4台1セットで動いているんですが、実は2セット使って最大8人でも遊べるんですよ。

 
──アレ8人でできるんですか!? 実際にやらせていただきましたが結構エグい! ホラー脱出ものである「脱出病棟Ω」と同じ路線かと思いきや、最初から恐竜たちが全力で殺しにくる。

 
コヤ所長 脱出病棟はみんな途中までいって、最後に関門がって感じでしたね。絶望ジャングルのコンセプトだと、友達だと思っていたら最後に裏切ぎって「ハイ、さようなら」みたいなことが起こったりとか……(笑)

 
──VRコンテンツは、1回体験したらもうだいたいわかるかなーというものも多い中、友達と一緒に体験するなら何度でも遊べるなと思いました。

 

 
コヤ所長 実はタミヤ室長、絶望ジャングルは1回もクリアしてないんですよね。

 
──室長なのにいいんですか!

 
タミヤ室長 いや、一番最後の脱出の手前まで行ったんですが、寸前のところでバッテリー切れになっちゃって……。「あそこまで歩いて行けるのに」くらいのところで。

 
──(笑)。まだ体験できていないんですが、他にもマリオ、ドラゴンボール、ガンダム、ボトムズなど、さまざまな年齢層をつかむラインアップをそろえているなと思いました。

 
コヤ所長 そうですねー。特にマリオとドラゴンボールとエヴァは大人気ですよね

 
──外国人にもわかってもらいやすい作品が多く、Twitterの前評判を見ていると、マリオカートは海外の方からの反応がスゴイですよね。

 
タミヤ室長 スゴイです。

 
──新宿は外国から来る人も多い土地ですから、そのあたりも考えてのこの場所ということなのかなとも思いました。

 
コヤ所長 実はお台場時代は、公式サイトに日本語しかなかったんですね。それにも関わらず、1割くらいは外国の方だったんです。「これはもしかしたらVRで日本に外国のお客さんを呼べるんじゃないか」と思いまして、今回3ヵ国語に対応しています。

 
タミヤ室長 そうですね、コンテンツ自体も海外の方で言葉が分からなくても楽しめるように工夫していますし、以前にも触れたようにコンテンツの選び方も世界に持っていくということを考えています。だから「海外の方が素直に楽しめるコンテンツは何だろう」という視点を持ってコンテンツを選んでいます。

 
コヤ所長 あと今準備中の攻殻機動隊(攻殻機動隊ARISE Stealth Hounds)を早く開けたいですね。

 
タミヤ室長 今、頑張っています。

 
──そういえばサマーレッスンやHTC VIVEなど、無料で遊べるコンテンツも結構ありますよね。

 
コヤ所長 はい、もちろんです。

 
──子供が遊べるコンテンツがあるのもデカイと思います。

 
タミヤ室長 そうですねー、ビーチのエリアとかパニックキューブもそうですね。

 

プロジェクションマッピングのビーチ。

 

パニックキューブ。時間内に指定された壁面の数字をすべて押さないと、巨大風船が爆発!

 
──前のVR ZONEで子供が遊べなかった不満みたいなところを確実に潰してきている。

 
タミヤ室長 そうですね、この前スタッフの錬度をあげるためにグループ会社の内覧会を行いまして、700、800人程の方にお越しいただいたのですが、結構お子さん連れの方もいらっしゃって、子供とかはビーチとか森のエリアで壁や砂で遊んだり、虫とか魚を採ったりして、楽しそうにしていました。

 
──もう、それだけで一日遊べる!

 
タミヤ室長 そうですねもうホントにずっと遊んでいました。

 
──お台場は「研究施設」と言っていただけあって、そこから色々と進化しているという。

 
コヤ所長 ここも半分研究施設かな?

 
タミヤ室長 われわれは研究を続けていますが、施設としては勝負している状態ですね(笑)。

 
コヤ所長 ただやっぱり甘口にしないで、振り切った中身にしました。絶望ジャングルはマイルドにしていませんし、マリオカートも結構辛口につくっています。

 
タミヤ室長 確かにマリオカートであれだけ悲鳴が上がるのは誰も想像していないと思います。施設のエントランスに入ると、2階から女性の悲鳴がギャーギャー聞こえるんです。それについて人から「これはホラーか何かですか?」と聞かれるんですけど、僕が「いえ、これはマリオカートです」と答えると、みなさんびっくりされますね。

 
コヤ所長 ジャンプして「バサッ」となるところで「ギャー!」ってなりますよね。

 
タミヤ室長 まずスタートした瞬間から「ギャー!」っと。

 
──確かに上からドッスンが降ってきたり、パックンフラワーに食べられそうになったり、自分の身に降りかかるVR的な表現をすごくキッチリやられてますよね(レポート記事)。

 

 
コヤ所長 本当にマリオカートの世界に入ったら、映画の「マッドマックス」のようになると思ってまして。

 
──それは「マッドマックスVR」とかも見てみたくなります。

 
タミヤ室長 お互いにハンマーを振り回してみたりね。

 
──いや、ホント夢が広がりますね

 
コヤ所長 そうですね。

 
──映画館も近いから、大作と連携してなにかできそうですよね。

 
コヤ所長 そうですね、いつかそういうこともあるかもしれません。

 
 
(*7月21日掲載予定の後編に続く)

 
(TEXT by Minoru Hirota

 
*VR ZONE SHINJUKU 12日内覧、14日グランドオープンの記事まとめはこちら

 
 
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