MRファミコンや幼女ビンタVRなど「Maker Faire Tokyo 2017」のVRをほぼ完全レポ!

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2017年8月5日と6日の2日間、東京ビッグサイトでオライリー・ジャパンが主催する「Maker Faire Tokyo 2017」が開催された。

PANORAの専門分野であるVRやARは、専用のコーナーこそ設けられていなかったが、その技術を用いた作品は多く、パンフレットに乗っていないものを探すのに苦労するほど多くの出展者がブースを構えていた。2日間に渡って参加し、実際にすべててのブースをまわった筆者が発見したVR/MR/AR出展者をレポートしていこう。

 

約450組のメイカーたちがDIY作品を披露

今回の出展数は約450組で、12エリアの出展ブースと、7つの特設ゾーンに分かれている。技術ベースで区切られているわけではないが、特にエレクトロニクスゾーン、ロボットゾーンにはVRが多く集まっていた。会場中央には 巨大バルーンMakeyくんが鎮座し、会期中にも制作が続けられて2日目の午後に完成していた。

 

全てが出展者たちのDIYによるクラフト作品だから、VRもその中に組み込まれたものが多く、VRそれ自体の出展以外にも、ドローンやロボット、ARなどの技術を用いた作品に深みを持たせる機能の一部としてVRが使われた作品が目立った。

 

Forest Scope VR / Forest Notes

出展者:JVCケンウッド・デザイン

3Dプリンターで造形された単眼鏡型VRスコープを使って、森に行っているような体験ができる「Forest Scope VR」は、森の音をライブ配信しているForest Notesと組み合わせて展示された。スコープを覗き込むと森の中にいる野鳥を観察して、同社が作成した森のノートで記録していける。多くの子供達が集まって注目していた。

 

VRウインドウ

出展者:Make道場

防犯用ミラーとプロジェクターのみで制作されたドームの「VRウィンドウ」。観察者が中に入らなくても鑑賞できること、制作された素材も手軽に手に入りやすいのが特徴。写真は秋葉原の街の様子。

 

MRファミコン

出展者:KOALAB.

ファミコンのカセットをMRデバイスに転送、ファミコン画面を3D化。MRデバイスの「BRIDGE」を使って体験できるというもの。制作者が作ったイメージ動画もどうぞ。

 

 
ただのファミコンソフトをプレイするだけではなく、制作者の演出が面白い作品だった。

 

VR料理・VR肝試し

出展者:codename-MIKAN-

codename-MIKAN-は2つのVR作品を展示していた。1つはVRで料理をできるもの。もう1つは肝試しだ。Oculus Rift CV1&Touchのゲームハンドルで調理をして、調理した料理に変な名前をつけてくれる料理と、テントの中に入ってトロッコに乗るVR肝試し。

制作者曰く「肝試しは怖すぎるとやばいから、けっこう優しめにしている」という話だったが、1度だけテントから絶叫する声が聞こえてきた。

 

VR連動型2次元空間投影装置

出展者:近未来ガジェット実現所

こちらも「Oculus Rift CV1&Touch」を使ったVR。インタラクティブ要素を詰め込んだVR空間をハーフミラー技術を駆使した投影装置に映し出す。Oculus Rift CV1&Touchを装着した体験者は、現実世界からVR空間に入り込み、体験をすることができるというもの。

 
VR空間の中のアイドル的存在になっているせいで、制作者に「手を振ってください」と指示をされた。それに答えて手を振ったのだが、なかなか恥ずかしい体験ではあった…。

 

1→10drive試作室プロダクト

出展者:ワン・トゥー・テン・ドライブ

ワン・トゥー・テンの技術開発・実践部門が提供するブースでは、複数プロダクトを出展。その中でもVR、MRが1つずつ出展されていた。

1つは双眼鏡型VRデバイスで海外の旅行地を観察できるというもの。もう1つはGoogleが提供するTangoを用いたARデバイス。銃型のデバイスを持って中に出現したお化けを倒すゲームだ。すでにイベントでの導入なども予定しているそう。

 

VR+自動化水槽、お知らせストラップ、遠隔操作ローバーなど

出展者:Studio 24

VR+自動化水槽は水槽の中の様子をVRで観察できるというもの。3Dの体験とLINEチャットでの状態確認などを携えて、昨年よりパワーアップしている。「他の人の水槽も、水族館の感覚で観察できるようにしたい」という制作者。僕としても世界中の水槽を見てみたい気がするので、ぜひ水槽好きの方もこの作品に協力してもらいたい。

 

VIVEを使用した創作用コンテンツ

出展者:VIVE JAPAN

VIVE JAPANは、Make VR、Tilt Brushを体験できるコンテンツを提供。体験はシンプルで、3次元空間に創作をすることができるVRデバイスだ。

 

他に大掛かりなVRを体験できるブースが少なかったということもあり、ブースは常時行列ができていた。一般の人でも参加しやすい雰囲気が注目を集めたようだ。

 

KURURI

出展者:くるり

くるりは、2つのプロダクトを提供。1つ目は10個のスピーカをヘッドホン内に設置することで、立体的な 音響体験をすることができる音響システム。もう1つが上記2枚の写真のコンテンツだ。

前庭電気刺激によって三半規管を刺激。無自覚な頭部の揺れを引き起こすことで、VRコンテンツをよりリアルに体験できるジェットコースター映像の提供だ。筆者も体験してみたが、刺激ありとなしでは体験が全く違う。

 

Hapbeat

出展者:東京工業大学長谷川晶一研究室

くるりの横のブースで出展しているのが、東京工業大学長谷川晶一研究室のブース。音と振動を連動させることで、臨場感のある音楽体験ができるウェアラブルデバイス「Hapbeat」を展示。  モータと糸を使用して、音楽と振動を連動させる。

 

 
VRはこの体験をリアルに行うための1つのコンテンツとして用いられていた。VR映像内で相手と戦うと、ダメージを受けた箇所が音とともに振動するというものだ。

 

まよいの墓

出展者:ゆかいなおばけたち

ヤフーが主催するHack Dayで最優秀賞を取ったという作品を展示。LEGOで作ったコースが3Dに変換され、VRで体験できるゲームだ。LEGOで作った迷路を脱出しようと操作していると、仲間がレゴの位置をずらして迷路を複雑にするという、難易度の高い迷路ゲームだった。

 

VR戦車

出展者:月刊 大人の起業

昨年はVRミニ四駆を展示したという同グループは、今回は対戦型の要素を加えるためにVR戦車を展示。戦車に乗り込んだような体験ができる。画面には筆者が写ってしまっている。

 

IPD調整対応スマホ用VRゴーグルJAGOVISOR

出展者:日本Androidの会 金沢支部・VR部

日本Androidの会 金沢支部・VR部は今年もVRゴーグルを展示。IPD調整ができる 安価なゴーグルを作成。既に販売も行なっているそうだ。

 

 

100均グッズを活用した安上がりなVR/触覚作品の詰め合わせ

出展者:100LUS vs シン・ショッカソン

「触覚系VRデバイス詰め合わせ」をテーマにした、ブース。筆者がブースに行った際には本当に詰め合わせの箱を見せてもらった。

 

1枚目、2枚目の写真のドームは、百均の傘を2つ重ねて、少し空いた隙間はレインコートで埋めているそう。百均でもらった袋で隙間を詰めれば200円で本当に作れるという話を教えてくれた。

 

幼女ビンタVR

出展者:ゆるUnity電子工作部

前述のくるりと同様の技術を使って、VRコンテンツをリアルに知覚できる「幼女ビンタVR」は、その刺激以上に幼女の映像に対してひざまづいている様子が面白いコンテンツ。

 

IBM Bluemix

出展者:IBM Bluemix

IBM Bluemixのブースでは、同サービスが使われている事例を紹介。デモも行なっていたようだが、筆者が訪問した際には機材トラブルのため体験はできず。スタートレック内のコクピットの会話シーンなどにIBM Bluemixに搭載されているAIプラットフォームのWatsonなどが使用されているそうだ。

 

 

Sensorを使った自身の3Dモデル作成体験

出展者:Tokyo MotionControl Network

TMCNは、複数のサービスを展示していた。AR、VR、MR関連のみを紹介しよう。1日目は、1枚目の写真のとおり、ARプロダクトを展示。GoogleのTangoを活用したイベントサービスだ。2日目にはAR、MRサービスが。TMCNのメンバーが会場でダンスしている動画をHoloLensで閲覧できるMRコンテンツに、会場でリアル3Dモデルを使ったゲームができるコンテンツなどを展示。

 

「筋電VR」車いすユーザーもVRゲームを楽しもう

出展者:Assistech Design Lab(ADL)

このブースではMRを手軽に体験できるだんグラは、あたりに恐竜がいるかのようなコンテンツを閲覧できる。そして、車椅子ユーザーでも頭だけでVRコンテンツの操作を行えるように、ヘッドマウントディスプレイにセンサーを搭載した筋電VRは、筋電位で射撃を、ジャイロや加速度センサーで移動を行うことができる。

 

 

Project DALEK

出展者:外苑前ダイナミクス

同社が提供するロボットには、Oculus Riftが搭載されている。アームを動かすことでロボットの腕を動かすことができ、VRであたりの様子を見ることができる。リアルな体感で動かすことができるロボットだ。

 

ザクタンク師匠

出展者:ワイ・ディ・シー Lab

1/32スケールのザクタンクを操作、VRゴーグルで360度映像を見ながら操作することができるプロダクト。子供が「コックピット」に乗っていることが多かった様子だ。

 

 

AR キャッチャー・OSO君つかみどり

出展者:OSO FAB

ロボットアームでサイコロをキャッチし、指定の場所まで運ぶことができるとARでオリジナルキャラクターOSOくんが現れるというARキャッチャー。ARキャッチャー内の様子を疑似体験できるVRコンテンツも同時に作成していたが、映像はなし。

 

宇宙や地球観測のデータを使ったアプリケーション

出展者:Space Apps Japan

NASA Space Apps Challengeの日本支部のブース。NASAのデータを使ったハッカソンでできたプロダクトを複数展示していた。中でもVRコンテンツとして提供していたものは、宇宙の映像、音をVRで体験できるというもの。映像はシンプルだったが、実際の宇宙の映像、音自体が魅力的だった。

 

Robava(ロバヴァ)

出展者:Be a robot.

ロボットの気持ちになったら、もっとロボットを活用しやすくなるかもしれない、という考えから「ロボットになれる体験」を提供するのがBe a robot.。このブースでは椅子に座ったユーザーが、前に置いてあるpepperくんに乗り込めるというもの。pepperくんの視点で映像を見て、pepperくんの腕を操作できる。

 

 

帰ってきた「バーチャル・ドローン」

出展者:ズームス・ラボ

昨年も展示したというバーチャルドローンは、今年はネットワーク通信で対決ができるようになって再登場。会場の中にドローンを飛ばしたような体験ができるMR作品で、少年だけではなく、大人たちも楽しんで参加していたようだ。

 

 

自作360カメラの高機能化

出展者:K6KCo.

360カメラの高性能化を行なっているK6KCo.さん。8Kを超える360カメラを自作しているものの、最近では画質をやや落として、一般の人にも使いやすいものが作れないか考え中だとのこと。なかなかブースにいないと思っていたら、常に撮影のために動き回っていた。取材時にも撮影が終わると移動もできる自作カメラに乗って、去っていった。

 

来年のMFTにも注目!

VRの出展は筆者の目視で確認できただけで26。ARやMRの出展はもう少しあったようにも思える。今回の出展者たちは毎年出展しているVR勢が多かったが、その他にもサイエンス・ロボット領域での出展により深みをつけるためにVRを活用しているブースも増えてきた。

VR元年を超えて様々なVR活用が見られるようになったが、今後は触覚VR、MRを活用した出展者が増えるのではないだろうか。それでは、Maker Faire Tokyo 2017のレポートは終了。出展者のみなさま、2日間おつかれさまでした。

 

おまけ

Twitterで話題の「まっくろくろすけ」をついでに撮影した。これはNASAが開発した「磁性流体」。宇宙空間でも自由に動けるように開発された、磁力で動く液体だ。磁石で動く仕組みを利用して、コントローラーで電極の位置を操作。まっくろくろすけは磁力に応じて移動する。ちなみにこのまっくろくろすけに利用した磁性流体はAmazonで購入可能。

出展者:ジュニ

 
 
(TEXT by 大沢俊介)

 
 
●関連リンク
Maker Faire Tokyo 2017

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