VR向け液晶を含む新規事業はどうなる? ジャパンディスプレイ、17年第一四半期の決算発表

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ジャパンディスプレイ(JDI)は9日、2017年第一四半期の決算発表にあたって記者発表会を開催。今年6月に代表取締役会長兼CEOに就任して2ヵ月という東入来信博氏らが登壇して、事業構造改革の計画を明らかにした。ネットで開示されている資料は以下の通り。

 
構造改革の実施、特別損失(事業構造改善費用)計上、及び繰延税金資産取崩しのお知らせ(PDF)
コミットメントライン契約の締結並びにこれに伴う第1回無担保転換社債型新株予約権付社債(劣後特約付) 及び劣後特約付借入の条件見直しに関するお知らせ(PDF)
平成30年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結、PDF)
2017年度第1四半期 決算説明会の資料(PDF)
構造改革および中期経営計画の骨子について(PDF)

 

 

主なトピックとして、同社の2017年第一四半期における売上高は1886億円で前年同期比の8.2%増。営業利益はマイナス144億円、経常利益はマイナス206億円となった。

 

営業利益の増減要員。売り上げは上がっているものの、白山工場の固定費や、有機EL(OLED)の開発費などで142億円と大きくマイナスとなった。

 

JDIの現状は、スマホ向け市場は当面厳しい見通しだが、車載向けは好調。

 

年間売上高は昨年より15〜25%下回る可能性。

 
構造改革については、生産能力が過剰になっていて、大きな負担となっている製造固定費を圧縮することで、グループ全体で年間固定費を約500億円削減予定だ。例えば、国内4生産拠点、6生産ラインのうち、石川県の能見工場 第5.5世代ラインを今年12月予定で生産停止にすることを決定。海外にある後工程の製造子会社5社の一部統廃合も検討する。

 
各ニュース媒体で報道されている人員削減についても言及。希望退職者を国内では240名、海外では約3500名募集して、グループ全体で3700名規模の従業員削減を想定する。

 
2017年8月〜2018年3月まで社長、会長の月額報酬20%、執行役員は12〜15%、その他管理職は2017年10月〜2018年3月に月額給与の5〜10%と、役員報酬や管理職給与の減額も盛り込む。

 
こうした事業構造改革に関わる費用について、全体では1700億円程度を予定しており、第一四半期にも26億5200万円を特別損失として計上している。

 

JDIの目指す方向性。

 

同社の強み。

 

「第二の創業」で、収益構造の改革と、新分野への成長戦略を加速。

 

今年度中に構造改革と収益構造の改革を完遂。19年度には、OLED技術と車載を柱とした収益構造を築き上げる。

 

構造改革の骨子。

 

売上高の損益分岐点を2017年の8300億円から2019年の6500億円に持って行き、利益率を185億円/2%から、400億/5%と引き上げるのが目標。

 

新生JDIの事業ポートフォリオ。

 

事業としては、モバイルや車載に向けた成長事業に集中し、さらに新規事業を第三の柱とすべく育成していく。

 
JDIといえば昨年11月にVR専用液晶の開発を発表しており、その成長を見込んでいる具体的な分野が気になるところだが、東入来氏に質問して見たところ下記のような回答をもらった。

 
「いくつかの取り組みをしていて、要素的なところからの開発を進めている非常に面白い技術もありますが、これは戦略的なことで好評を控えさせていただきます。例えば、われわれが持っている『Pixel Eyes』という技術(高解像度タブレット向けタッチセンサー内蔵パネル)をさらに進化させると、どういうものができるのか。一般的にもサイネージやVRはすでに新規で手がけている。19年度の売上高はトータルで8000億円近辺を見ていて、このうち新規事業は200億程度を見込んでいる」(東入来氏)

 
発表会は、東入来氏のメッセージで幕を閉じた。

 
「われわれJDIのこれが最後のチャンスだと思っている。そういう意味で構造改革、収益の基盤をきっちりと仕上げて、17年度中にやりあげる。その上で成長も含めて、スマホ向けOLEDや印刷OLEDも進めていく。ある意味JDIは日本のディスプレー会社6社が集まった会社なので、日本の底力を見せる最後のチャンスじゃないかと思っている。社をあげて取り組んでいくので、よろしくお願いします」

 
 
(TEXT by Minoru Hirota

 
 
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