Tencentの新型コンソール「miniStation」はVRに使えるか?

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Tencent(テンセント)は11/9、自社の微遊戯機(マイクロゲームコンソール)「miniStation」を発表した。売上高が世界最高というゲーム会社がコンソール市場に初参入となるため、ネットでも大きく注目されています。

 
ただ、発表会の中身を見ると、技術というよりはマーケティング策略的な製品であり、売上高も買収による拡大の成分が多いため、詳しく分析して自社技術のを掘り出してみると残念な予感が湧いてきます。

 
それもそのはず、中国ではGoogle Playが使用できず、中国モバイル各社ではそれぞれアプリストア的なモノをプリインストールしており、各社のアプリラインアップはそれぞれの努力で揃うようなモノ、それが中国では「自社のカスタムAndroid OS」が盛り上がってる理由です。

 
Tencentもここで、「Tencent OS」をスマホ向けで展開はしておりますが、それをセットトップボックス的はハードウェアへ展開させた互換ハードブランドが「miniStation」の実態です。

 
当日発表したハードラインアップは、Lenovoの「楽檬(らくもん) miniStation」と創維(Skyworth)の「創維 miniStation」という2種類。

 
Lenovoは「魔方」(マジックキューブ)を意匠にしており、デザインは初代XBOXの設計者であるHuge Designが担当する。スペックはRockchip RK3288 Cortex-A17 1.8GHz 4コア、GPUはMali-T764、メモリーは2GB GDDR3。

 
創維 miniStationは詳細未発表ですが、日本のスタジオが設計担当とのことで、こう言われると非常に気になります。スペックはQualcomm 2.7GHz Adreno 420、3GB DDR3、Snapdragon 805と推定されます。

 
miniStationの特点はTencent のカスタムASICであり、詳細は発表会では詳しく言及されませんが、違うSoCによる互換性はこのチップで担当されるのではと思います。

 
ifanrの取材で分かる点は、専用コントローラを設けずに個人のスマホを利用する、画面をテレビへ出力するのと同時に無線経由でスマホにも出力することが可能ということ。タッチやジャイロなどのスマホ側の入力センサーを活用して、演算は余裕のあるコンソール側が担当する方式です。

 
ちなみにTencent OSは支払ソリューション、SNSなどを統合しており、QRコードでWechatとQQなどTencent既存のSNSサービスと連携とコンテンツ支払うが可能です。

 
最後に、Tencentはこの発表会でVR対応をうたいましたので、VR関連メディアはここが注目の的であります。

 
Tencentによれば、miniStationのグラフィック性能は現行のCore i5 と対抗し得るとのこと。しかし、現状のスマホ向けARM SoCはハイエンドならそれぞれそこそこ強いGPUを搭載しており、NVIDIAの「Tegra」もしくはアップルの「A」シリーズのシェーダーリソースで語るなら、Core i5/i7系が内蔵するコードネーム「Crystalwell」のiris グラフィックの利点と対抗できません。

 
irisは、eDRAMをラストレベルキャッシュ(Last Level Cache)として付けており、100GB/s以上のメモリー帯域を有するCore i5/i7も今後計画されています。

一方、現行のSkylake系が有する内蔵GPU「GT2」なら24EU/192MADsで、128ALUを有する「Snapdragon 805」なら名目上現行のCore i5と対抗し得るはず。この「Snapdragon 805」が発表会でTencent幹部が語るグラフィック性能の内訳である。

 
ただそれをハイエンドVRが必要とされる性能レベルで見ると、正直貧弱です。

 
4月頃に中国メディア「36kr」が報じた記事によると、TencentはVR参入を明らかにし、Tencent OSの事業展開ではすでにVR向けの部署が設けられているとのこと。「TencentはRK3288内蔵のAndroidベースのHMDをすでに開発中である」との記載でした。

 
6月頃には、「OSVR」で知られるRazerとTencentが接触したと報道され、同時にOSVRがAndroid対応をはたしました。技術上の困難点をOSVRとの互換性を図って、外部技術リソースを導入したものと考えられます。

 
今回はハードが完成間近で、開発者向けハードを近いうちに発送可能と発表しておりました。

 
最後に、TencentがすでにVRアバターチャットの「AltspaceVR」(記事)と360度撮影ソリューションを手がける「Jaunt VR」に投資しているのも見逃せません。ハードの性能不足は目立ちますが、ソーシャル向けVRを目指すことで、ハイエンドではないところでブレイクする可能性も秘めております。

 
これについては先日、Oculus VRの創業者であるパルマー・ラッキー(Palmer Luckey)氏の指摘が思い出されます。

 

 
(訳)「ケーブルはVR産業の悩みの種で久しいが、モバイルVRはPCのVRで無線化できる以前でブレイクする」

 

 
(訳)「VRハードとソフトの設計者はケーブルによる制限を心にかける必要があります。ユーザーは常にもケーブルを整理してくれる人が付いてるわけではありません」

 
Tencentの今後の動向に要注目です。

 
(文/Eji

 
 
●関連リンク
VRの製品ページ(中国語)
Tencent