JPPVR、VR×eSports アジア大会を2018年開催 eSportsの生配信プラットフォームやICOの賞金も視野に

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JPPVRは21日、幕張メッセにて実施している東京ゲームショウ 2017(TGS)にて、北京乐客灵镜科技股份有限公司(LekeVR、ルークーVR)と協力して、2018年に「VR×eSportsアジア大会」を開催すると発表した。現段階において、どのゲームを採用するかは決めていない早期の構想だが、日本、中国、韓国、フィリピンなどの予選開催を経て日本での決勝大会を行う予定だ。

 
発表会では、JPPVRの代表取締役会長、澁木太一氏(冒頭写真右)が登壇して大会について解説した。同氏は元格闘家という異色の経歴の持ち主。携帯ゲームや携帯アプリ、AR/VR事業に携わっており、2016年に中国北京にあるVRブースの日本側プロデューサーを兼任。今年3月からルークーVRと事業提携してJPPVRを設立した。

 
記者発表会によれば、ルークーVRはアジアで3000店舗にVRのアミューズメント施設を導入している中国企業になる(2016年11月の解説記事)。JPPVRはそのルークーVRと独占契約を結んでおり、今回のTGS会場にて3種類のVR筐体を展示している。そして日本国内だけでなく、フィリピンやドバイなどでの展開も視野に入れており、VR×eSportsのアジア大会を行って、決勝の地を日本で行うことで、日本のVR、そしてe-Sportsの社会的な認知度を向上する狙いとのこと。

 

LekeVRは2017年9月現在で中国に2800店舗、韓国に200店舗を構えるとのこと。JPPVRは2018年に日本で20店舗、フィリピンで10店舗、ドバイで10店舗を展開予定だ。

 

50以上のVRコンテンツを様々な筐体と組み合わせて使える。

 

会場では、フリースタイルVR(Mercenary)、バイク型の「VR Moter Cycle」、音楽ゲームの「VR Rhythm Game」の3種類を展示。このうちMercenaryは、中国で160万円の賞金がでる大会も開かれているとのこと。

 

Mercenary。ガンシューティングスタイルのVRコンテンツを展示していた。

 

VR Moter Cycle。これは……映画「トロン」のバイク!?

 

VR Rhythm Game。

 

VR eSportsの体験場所は、3つのパターンで展開していく。ひとつは移動式のテント型の会場で全国を回って、VRのeSportsを認知を高めるもの。二つ目は、VRのゲームセンターにVRのゲーム筐体を導入予定。三つ目は、大規模テーマパークへの導入したいと考えていて10数社と商談を開始している。

 

大会の前に各地方での予選も開催予定。さらに米国内におけるTwitchのような、eSports生配信のプラットフォームも現状国内では存在していないため、同時に開発を手がけて行く。

 

さらに興味深いのは、独自通貨を発行しての賞金提供だ。

澁木氏によれば、「ICO(Initial Coin Offering、暗号通貨による資金調達)という形で独自トークンをつくって、ゲーム内で使用できるエコシステムを開拓したいと考えている。このプロジェクトを進めて行く上で、スポンサーという部分で、なかなか日本が賞金額などの問題で乗っていただけないことも多い。現状のブームというと失礼ですが、世の中が興味を持っているICOで仮想通貨を発行し、その仮想通貨を用いてゲームをプレーできたり、ゲーム内のコンテンツのアイテムを購入できたり、配信で独自の動画を配信したりとそういったサービスを行なって行く予定」とのこと。

 

プロジェクトの強みのまとめ。

 

VR導入に積極的なハウステンボス社長、澤田秀雄氏によるビデオメッセージも公表。澤田氏は、「JPPVRが掲げる、VR×eSports大国日本構想は、この度日本のVRやeSportsを取り巻く環境をかえりみても、非常に興味深く、将来性があるプロジェクトだと賛同しております。いちはやくVRに取り組んできたハウステンボスとしても、今話題のeSportsの開催も含めて非常に興味がある分野です。例えば、ハウステンボスで大会を開催するなど、JPPVRと面白い試みができないかと、色々と協議させていただいてるところです」と語っていた。

 

記者発表会では、写真左からVRinside 編集長の村山章氏、イベントプロデューサーのコットン太郎氏、「鈴木ドイツ」こと作家のすずきあきら氏、北京乐客灵镜科技股份有限、公司代表取締役のHeWenyi氏(と通訳の方)……を加えたメンバーで「日本が目指すべきVR×eSportsの姿」というテーマのトークセッションも実施。

 
コットン太郎氏が投げかけた「VRとeSportsの関わり合い方はどんなイメージ?」という質問に対して、澁木氏は「多分、見ていただくお客さんもゴーグルをつけて見るスタイルになる。VRは定点のカメラを設けることでゲーム内からの視点で見られる。例えばテニスの試合のVRゲームがあったときに、観客目線を設けることでプレイ画面を見るのではなく、ゲームの世界に入ってゲームを見ることが可能なので、そういった観戦方法も今後可能性として十分あると思う」と答えていた。

 
筆者(広田)としては、いきなりの壮大な構想を見せつけられて、正直面食らってしまったため、質問タイムにいくつか疑問を投げさせていただいた。

 
──どういったジャンルでの競技を考えている?

 
澁木氏 現状、eSportsとなるVRのゲームのジャンルがどれくらいあるのかという問題が大きくあるのですが、そもそも体験してもらうというところに力を入れていかなければいけない。つくる側はどうしても「どれくらいPS VRが売れているのか、VIVEが売れているのか、じゃあユーザーの絶対数がこれくらいなので、この予算をかけてつくると元取れないよね」という考えで二の足を踏んでいらっしゃると思う。

そうではなく、今はゲームセンターでもっと気軽にプレーしていただける状況になっているんだと、メーカー側には見せなければいけない。ユーザー側には、そもそもVRの体験が最優先になると思いますが、ゲーム(キラーコンテンツ)を待っているといつまでたってもできないということで、今あるものからやって行くということをイメージしている。

 
──構想が先にあって、後から出資などをしてコンテンツを育てて行くという感じ?

 
澁木氏 日本国内ではそういうことをせざるを得ないと考えていますが、中国では市場が成熟していて、筐体がたくさんあって開発に力が入っている。そういったことから中国から出てくるeSportsの面白いゲームを一緒につくったり、こちらからお願いして開発していきましょうという感じです。

 
──中国ですごく流行ったキラーコンテンツが出てきたら、それを核にしてeSportsの大会ををやる可能性もある?

 
澁木氏 それももちろん考えられることです。

 
──なるべく国産のVRコンテンツで大会をやりたいけど、他に有望なのが出てきたらそっちをメインにする?

 
澁木氏 それも鶏が先か、卵が先かの話になりますが、市場が成熟しないとコンテンツも出てこないし、コンテンツが出てこないと市場もできない。まずはみなさんにやってもらえること。

ただ、やってもらうにしても中途半端なレベルで「VRってこんなものなんだ」、「eSportsってこれぐらいしかもらえないのか」とマイナスなイメージだけ植え付けたくない。そういったところで両方盛り上げながらやっていかなければいけない中、そもそも賞金額などVRのeSportsという考え方や文化を定着させていきたい。

 
──大会を開くにあたって、参加者の練習場所が必要になると思うが、VRコンテンツは家庭用にリリースするのか、それともJPPVRが筐体を提供するゲームセンターで練習するような感じになるのか?

 
澁木氏 ありうると思います。私どもは大手量販店や大規模なゲームセンターといろいろなところと話をさせていただいていて、みなさんが手軽に練習できる場をどんどん作って行く予定。

 
 
(TEXT by Minoru Hirota

 
 
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