【連載】神足裕司 車椅子からのVRコラム ボクのVR妄想 編

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6年前にくも膜下出血で倒れた人気コラムニストの神足裕司さん。闘病中の氏が車椅子の上から隔週でお送りしているVRコラム第12弾です!

 

何回かVRの連載をやってきて言えることは、あと数年のうちにVRの世界も普通になるということだ。ボクが体験したVRの話をしていると、ひとりぐらい「いや~まだまだですよ」なんて否定的なことをいう人もいるけれど、これが当たり前になるのはみんながおもっているよりずっとはやいと思う。

いまは研究している人、それを面白がれる人、ゲーマーや、アニメ好きの人、カメラ好きな人、それと意外なことに身体が不自由な人や、高齢者そんな人からVRの世界は、はじまっていくんだろうな、と思う。

「それを面白がれる人」というのはかなり広範囲な人々なんだけど、総人口の20パーセント未満だろう。けれどあっという間にきっと世の中のメジャーになると思う。

自宅で楽しめる簡単なHMDでみる映像はなにか物足りないものもあるかもしれないが、以前にも話したが気軽に色々なところに行けなくなったボクにとっては、娘や息子が送ってくる世界の景色を360度で見られるだけでも普通の写真の数百倍感動がある。それが今、娘が見ている風景だと思えば感動は増す。

それから発展してこんなものがあったらいいなと思うものは、「世界のふれあい街歩き」(NHKの番組)みたいな映像がHMDをつければ、もしくは部屋の中一体が、例えばスペインの街の中をフラフラ歩いている画像になり疑似体験できるなんていうのがあったらいいなあ。

もうあるのかもしれない。自分が思った方向に道を進めればいうことない。スペインにいかなくても旅気分。そういう施設があってもいいよな。

残念ながら体験できなかったが、とあるデパートで催していた飛行機に搭乗した気分になれるVRのようなものに搭乗。飛行機に乗っている気分も味わい旅の目的地に着く。

しかもスペイン、アフリカ、ラスベガス、南極など、飛行機に搭乗した面々が降りるゲートによって違うところに到着。

スペインに下りた人々はタクシーに乗りまたは、馬車に乗って街をいく。おいしい匂いのするレストランの前を通ったり古い教会のドアを開けられたりする。そこに入ればひんやりしたあの教会の厳かな雰囲気のなかを進む。がやがやスペイン語の飛び交う市場にも出向き、話しかけられたりもする。

アフリカの人たちは行きかう動物の群れをジープの上で待ち、草の香りを感じるかもしれない。ジープのボンネットに飛び乗ってきた小動物の振動に驚いたり、夕日のじんわりした暑さを顔に感じるかもしれない。

ラスベガスではリムジンに乗りジャラジャラと音のするカジノに入り、ルーレットのかけるコインを置けるかもしれない、噴水の上を見て水しぶきを浴びるかもしれない。

南極で降りた人たちはどうだろう。そりに乗ってひんやりとした張り詰めた空気を感じたり、ペンギンの大群に遭遇するかもしれない。

十分旅をした気持ちでアトラクションを終えることができることだろう。ぜひ本物と感じるしっかりしたものを作ってほしい。機内食を出したり旅行から帰ってきたところに(部屋から出てきたところには)その国のものが買い物ができたりするのはどうだろう。

もうこういうはある? ボクの妄想をぜひ現実にしてほしい。

 

先日、ラスベガスに旅行中の息子さんから送られてきたお写真だそうです。これ、360度で見たら行きたくなっちゃいますね!

 

通りすがりに見つけたVR施設「VR ADVENTURES」のお写真もあったそう。かなり本格的です。

 

なんと空港にカジノコーナーから。いろいろご覧になって神足さんもすっかり旅気分ですね!

 

●著者紹介

撮影:石川正勝

神足裕司(こうたりゆうじ)
1957年、広島県出身。黒縁メガネ・蝶ネクタイがトレードマークのコラムニスト。「金魂巻(キンコンカン)」をはじめ、西原理恵子との共著「恨ミシュラン」などベストセラー多数。2011年にクモ膜下出血発症。1年の入院生活を送る。半身マヒと高次脳機能障害が残り、要介護5となったが退院後、執筆活動を再開。朝日新聞をはじめ連載も多数。最新刊は「一度、死んでみましたが」「父と息子の大闘病記」などがある。

 

●関連リンク
朝日新聞デジタル 連載 コータリンは要介護5
神足裕司Twitter

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