コンシューマーPCの40%がMR対応に──日本MSが語る、Windows Mixed Realityの魅力と現状

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日本マイクロソフトは18日、17日より配布を開始したWindows 10の大型アップデート「Fall Creators Update」について記者発表会を開催し、Windows Mixed Reality製品について解説した。同社の執行役員でコンシューマー&デバイス事業本部 デバイスパートナー営業統括本部 梅田成二氏のプレゼンをまとめていこう。

 

実際にWindows Mixed Realityのデモを見せる梅田氏。Windows Mixed Realityの初期画面である「クリフハウス」と呼ばれる家で、ここからMR向アプリを呼び出して空間ごと切り替えたり、クリフハウス内に通常のWindowsアプリのウィンドウを出現させて作業することが可能だ。

 

ゲームの体験デモとして、コロプラのVRアクション「TITAN SLAYER」に執行役員 Windows & デバイス本部長の三上智子さんが挑戦(!)。両手のコントローラーに持った銃で迫り来るモンスターを打って撃退するという内容だったが、一撃も当てられなかったようで……。

 

 
 

11月18日から店頭デモを始めて400店舗に広げる

まずはWindows Mixed Realityについてのおさらいから。MRというとユーザーにとってイマイチピンと来ないかもしれないが、Microsoftとしては完全な現実世界を除く、ARからVRまでのすべてを包括するものとしてWindows Mixed Realityを定義している。

 
なぜ範囲が広いかといえば、用途によってデジタルの要素をどの程度ミックスしたほうがいいのか変わってくるからだ。ゲームならVRで没入したほうがいいし、マンションの建設予定地に完成予想CGを出すなら現実にCGを拡張するARのほうがいい。そうした全部をカバーするのを目指している。

 

今回のFall Creators Updateにおいて対応した5種類のゴーグルはVRよりのもので、3つの特徴を備えている。

 
まず、一般的なPCで楽しめるという点。従来、PC向けのVRゴーグルを利用するためには、高い処理能力を備えたグラフィクカードが必要だったが、今回のWindows Mixed Realityではグラフィック性能の要求を内蔵グラフィックスまで下げている。これにより、一般のユーザーがより簡単に入っていけるようになった。

 
2つ目は、素早く簡単な設定。現状、PC向けVRゴーグルでは、6軸(X/Y/Z軸における平行移動と回転)でユーザーの動きを検知しているが、そのために外部のセンサーが必要になるのでいったん設置すると他の部屋に持っていくのが大変になる。それが今回のWindows Mixed Realityのゴーグルでは「インサイドアウト方式」、つまりゴーグル内蔵のカメラで6軸を検出できるのでより手軽に持ち運べる。

 
3つ目は、革新がワクワクをもたらす。Windows Mixed Realityという新しい技術を汎用のOSに組み込んだ点が大きい。従来よりハードウェアの要求を下げたことで、2017年8月末に出荷されたPCの大体40%がハードウェア要求に合致するとのこと。つまりエンドユーザーにとっては5、6年などのサイクルで買い換えているうちにいつのまにかPCがWindows Mixed Reality対応になっていて、開発者にとっては突如、コンシューマーPC市場の40%がターゲットとして現れて毎年増えていくということになる。

 

推奨スペックは2種類で、左側が標準、右側がゲームなどグラフィックス性能を求めるものになる。具体的には、Windows Storeで「Windows Mixed Reality PC check」を無償配布しているので、それでCPUやメモリー、HDDの空き容量などをチェックして、サクサク動くのか、そこそこ動くのか、全然動かないのかを判定するといい。

 

そうして普及させていくためには、パートナーと協業して、デバイス、コンテンツ、店頭での体験の足並みを揃えていかなければいけない。

 

デバイスは5種類を用意。すでにDell、Acer、HPは発売していて、Acerは17日に出荷済み富士通は昨日発表で11月下旬に発売、Lenovoも年内発売予定。

 

コンテンツは、グローバルでいえばWindows Storeに本日から「Mixed Realityコーナー」ができてて、今朝の時点で40以上のタイトルがある。さらに2Dアプリ(ユニバーサルWindowsプラットフォームアプリ、UWPアプリ、通常のWindows 10アプリを指す)は2万以上あって、冒頭のクリフハウスの中では2万以上のアプリが使えるとしている。

 

国内でもプロバイダーと協業していってコンテンツを提供。スライドにあるタイトルは、年内に利用可能になる予定だ。

 

店頭では、11月18日から店頭デモをするために現在、コンテンツの選定やインストラクターのトレーニングも実施している。実施店舗数は、日本マイクロソフト主導が22店舗、OEMハードメーカー主導と合わせると400店舗を予定。この数は、グローバルで見ても多く、アメリカを超えるとか。

 

梅田氏は「WIndows Mixed Realityは体験すると没入感があって、バーチャル世界のリアリティーを感じられて素晴らしいが、きっちりした動作環境とクオリティーで試さないとうまく体験が伝わらない。そういう難しさも一面ではあるので、デモでいいエクスペリエンスで体験してもらうために努力してる」と語っていた。

 
なお、具体的に用意するデモについては、360度動画の観光体験などを揃える予定とのこと。今年9月の東京ゲームショウでもDellブースにてWindows Mixed Reality対応ゴーグルのデモを提供していたが、どうしても1体験あたりが長くなりがちで、店頭では現場を占有してしまうのが悩ましいところという。短くてもいい体験をしてもらえるように社内で詰めているという。

 
 
説明会で触れられなかった強みとしては、Steam対応もあげられるだろう。すでにMicrosoftは「Windows Mixed Reality SteamVR preview」をリリースしており、Windows Mixed Reality対応ゴーグルでSteamVRのゲームを本格的に動かす準備を始めている。ほかにもゴーグル部分を跳ね上げ(フリップアップし)て、すぐに現実が見られるのもいい点だ。興味はあるという方は、ぜひ11月の量販店デモ展示が始まった際に触れてみてはいかがだろう。

 
 
(TEXT by Minoru Hirota

 
 
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