言い値で買おう! 初音ミクが「中で踊る」自作PCを取材したら、匠の技がスゴかった件

LINEで送る
Pocket

キャラクターのバーチャルライブというと、先日の「ニコニコ超パーティー」をはじめ、比較的よく見かけるようになりました。一方でご家庭で……となると、LINE傘下のGatebox(旧ウィンクル)が「Gatebox」を12月に発売予定ですが、今の所はVRやARなどのゴーグルをかぶって「会う」が優勢です。

 
そんな自宅でキャラクターを愛でたい派に朗報が! 自作PCショップのオリオスペックが8日、Twitterに投稿した改造PC(MOD PC)の「透過液晶ミクちゃんPC」がとにかくスゴいのです。未見の方は、まずは下の動画をチェック。

 

 
「透過液晶」という名前から、サイドパネルに何らかの透明ディスプレーが備わっており、そこに初音ミクが表示されているものと思われますが、それにしても本当にPCの中にいる感覚が出ています。そのサイドパネルもトラスで囲っていて、さらにケース内に仕込まれたLEDが照明のように点滅して、まさにライブステージのように見える点が素晴らしい。

 
中に初音ミクがいるとPCというと、筆者的にはVR界隈で有名なGOROman氏のフィギュア入り改造PCがインパクト大でしたが、こちらは動くところに魅了されてしまいます。

 

 
再生して数秒で「なにこれヤバい!」と分かるTwitterの動画は、1万リツイートを超えるなど大いに注目を集めており、来店した方からも絶賛の声が寄せられています。筆者も気になったので、実際に東京・秋葉原にあるオリオスペックの店舗を訪れたうえで、作者であるN’sさん(@nissyan_daze)にも取材してみました。

 

 
 

建築のテクニックでいるように錯覚させる

 

透過PCが置かれていたのは、店舗に入ってすぐ左手の棚。ちなみにオリオスペックでの展示は11月25日までで、その後は名古屋のTSUKUMOに移動するとのこと。

 

実物で見てみると、透過スクリーンを使うライブと同様、正面からの角度が一番、実在感があります。ダンスの映像は、フリーの3DCGソフト「Miku Miku Dance」(MMD)で作られたもの。

 

別の衣装。

 

はー。ずっと見ていたい……。

 
この透過PCが生まれたのは、10月14日に大阪日本橋にて開催した「第2回 みんなで作ろう 自作erオフ会 in OSAKA」の場でした。単純に持ち寄ったPCパーツを組み上げるのではなく、例えばヒートガンを使ってパイプを曲げるなど、大幅にハードに手を加えた改造PCを作り上げるのがユニークです。

 

 

 
N’sさんのチームは今年6月の第1回でも同様の透過PCを制作しており、今回オリオスペックで展示しているのは2作目になります。

 
気になるキャラが浮かび上がる仕組みですが、なんと既製品をそのまま使うのではなく、これも改造したものだそうです。具体的には、液晶ディスプレーのノングレア(つやなし)パネルをばらして、表面にアクリルを合わせることで透明感をアップしたとか。「刷りガラスに水がつくと向こうが見えやすくなるのと同じ原理」とN’sさんは解説してくれました。さらにバックライトの輝度も高めることで、明るい室内でもくっきりキャラが浮き立つように調整しています。

 

普通のディスプレーなので、もちろんキャラ以外も表示できます。これはLEDを調整しているところ。

 
PCパーツやキャラの位置も重要です。目の錯覚を利用しているとのことで、キャラが中にいるように影などの位置まで含めて何度も調整したとか。N’sさんによれば、ここに本業である建築関係の知識が役立っていて、単純にパーツをバラして改造しただけではここまで実在感がある見せ方にはならないそうです。

 
気になるお値段ですが、なんと意外とかかっていないそうです。実はこの透過PCは、CPUに業務向けで性能も価格もお高い「Xeon」を使っていて、普通に買うとマザーボードやメモリーなども含めて数十万クラスになるものの、そこは日本橋などで入手したジャンクパーツを修理して使ったとのこと。つまり随所で「匠の技」がキラリと光る逸品というわけです。

 
あまりに出来がいいので、「言い値で買おう!」という人も現れそうですが、残念ながら非売品で、N’sさんも依頼されて作る気もないとか。関東近県にお住いの方は、11月25日までの期間限定で展示しているうちにぜひチェックしておきましょう。

 
ちなみにオリオスペックの松澤店長によると、自作PCはカスタムカーのような文脈でファンに受け入れられている側面もあるとか。確かにパーツも豊富でこだわりどころも多く、日常的にも使えると共通点も多く、見た目で個性を表現できるのはとても楽しいことと感じます。

 
そして驚いたのは、自作PCは男性趣味と思いきや、松澤さんによれば、最近では意外と女性の自作ファンも増えているとか。せっかくVR向けで高性能なPCを組むなら、自作PCショップに相談して、見た目的にも自分好みに仕上げて日々愛でるという選択肢もアリでしょう。

 
 
(TEXT by Minoru Hirota

 
 
●関連リンク
オリオスペック
N’sさん(Twitter)

LINEで送る
Pocket