ファミコン相当のVRも来年には!? 予言から暴露話も飛び出した「VR先駆者のいまとこれから」ほぼ全文起こしレポ【VRCカンファレンス2017】

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11月11日、東京渋谷でVRCカンファレンス2017が開催。今回が最後となるVRコンソーシアム主催のVRCカンファレンスは、代表理事 藤井直敬氏の「今回は難しい知見を共有するのではなく、雑談で良い。ただ、普段聞けないハイレベルな方々の雑談や、くだらない考えのなかには、VRの次のヒントが隠れている」という開会挨拶とともにスタートした。

 

セッション「VR先駆者のいまとこれから」では、VIVE Japan Director of Sales Operation 西川美優氏(写真左から)、株式会社 桜花一門 代表取締役社長 高橋建滋氏、株式会社エクシヴィ 代表取締役社長 近藤“GOROman”義仁氏、株式会社ハシラス 代表の安藤晃弘氏といったトッププレイヤー4人によるセッションが行われた。その内容をほぼ全文起こしでレポートしていこう。

まず各人の自己紹介からスタート。

安藤 最近肩書きが増えまして、ロケーションベースVR協会代表理事もさせて頂いております。もともとは古典奇術師(手妻師)というマジシャンをやっておりまして、水芸をやったり、NHKに映ったりしていましたが、異色の転職を行ないましていまは、バーチャルリアリティのコンテンツを作っています。とくに得意なのは遊園地のアトラクションに入れるようなもので、3年くらい前から84筐体、27種類くらい作ってきています。

近藤 去年まではOculusという会社に務めていまして、Facebookの社員でもありました。年末に辞めて、いまはめちゃくちゃやっております。

高橋 私も肩書きが2つありまして、NPO法人OcuFesの代表理事として、日本にVRを広める活動を行っているのと、もうひとつ株式会社 桜花一門でVRのゲーム製作、来週あたりにPlayStation VRのマスターをソニーさんに出す予定です。

西川 なかなか熱い展開ですね

会場 笑い

高橋 経歴をいうと、もともと新卒で光栄・KOEI(現在のコーエーテクモゲームス)に入って、「真・三國無双」を1から4まで作ったあとに、ポケモン関連の会社に入って、ポケモン初の3Dアクションゲーム「ポケパーク」のディレクターなどをやっているうちにVRと出会い。VR取るの、仕事取るのというところまで行ってしまい、VRを取っちゃいました。

西川 HTC日本でVIVE事業の日本の責任者をしています。20代のころはですね、コンサルティング会社に居て、オラクルを使って金融機関向けのシステムをゴリゴリ作って、デバックしていました。そのあと、ゲーム業界に入りまして、HTC日本には丁度1年くらい前に入って、VIVEを日本で売っています。

西川 さて、以降は自由にしゃべってと言われているのですけど。

近藤 そうですよね。

西川 わたしはお三方よりちょっと遅れて、(コミュニティ)入っているのですけど、お三方はOulus RiftのDK1に出会って、人生が狂ったあたりから(会場:笑い)、話を聞きたいなと思っているのですけど。

安藤 2013年の春、GOROman(近藤)さんがね。

近藤 そうですね。Kickstarter(キックスターター)で、Oculus Rift DK1を見つけて、もうこれだと。昔から欲しかったものがあると。

西川 昔からKickstarterはチェックしていました? 2013年にKickstarterをみていた人はあまり居なかったと思いまが。

近藤 そうですね。僕は先に「Pebble」というスマートウォッチを見ていて、その流れでOculus Riftを見つけて、買っちゃった。

西川 そのときって、Kickstarterのトップページに、Oculusって注目プロジェクトとかで出ていたんですか?。

近藤 出てないと思います。でもいろんなメディアで取り上げられてはいましたよ。桜花(高橋)さんは、どんな経緯で見つけたんですか?。

高橋 高校で部活の先輩だったMIROさんこと、岩城進之介さん。株式会社ドワンゴで、いまいろいろやっている方が、「すげーの出るぞ」とツイートして、それを見て、あ、こんなん出るんだと、ポチろうとしたのが、初Kickstarterでしたね。

西川 ツイッターでそういう感度の高い人と繋がっていたのが切っ掛けだったんですかね。

西川 手妻師(安藤)さんは?

会場 笑い

安藤 私はお二人がコミュニティを立ち上げたあとの合流なので、ちょっと遅れています。

西川 では、最初はこの二人で2013年くらいから。

近藤 そうですね。(Oulus Rift DK1が)届いて、これはすごいと。小学生のころからパソコンを触ったり、プログラムを書いたりしていて、いつか画面のなかに入れると思い込んでいたんですよ。それで、いろいろなHMDを買っていたんですけど、だいたい期待外れなんですよね。狭いとか、コレじゃない感があって、次こそ良いものが来るんじゃないかなと思って、ワクワクしながら、当時買ったんですけど。

高橋 すごいのが来ましたよね!

近藤 ハイ! それで大興奮して、二宮金次郎みたいに毎日ノートパソコンとヘッドセットを持って、飲み屋から、いろんな会社から、もう打ち合わせの最中に止めて、コレ見てくださいと。仕事、ほっぽり出していましたね。

会場 笑い

西川 その頃のソフトってジャットコースターですか。

近藤 いや最初は、トスカーナというデモしか無かった。

高橋、近藤 そうですね。コントローラーで建物のなかを歩くデモ。

近藤 僕、そのころUnityで作っていたので、自分でアプリ作って見せていましたね。

西川 そのころUnityってOculus対応でした?

近藤 ネイティブじゃなくて、プラグインが必要だったり、Unity Proを買わないといけなかったりと、かなりハードルは高かったですね。

高橋 一応、Unityで……。え〜と、これシェアしたらヤバイ話なんですけど……。

近藤 めっちゃ放送(ライブ配信)されていますよ

会場 笑い

高橋 え〜と、え〜と。まあ、DK1届いて、真っ先にやったのが会社にあった××××のデータを取りあえずぶっ込んでみるって。

会場 笑い

高橋 手元にね〜、モデルデータからモーションデータまで全部あったからね。

近藤 お〜と、こんなところにデータがというやつですね。やっぱり入れますよね!

会場 笑い。

西川 見てみたら、スゴかったと。

高橋 これはすげえと。はじめて(小声 いやはじめてじゃなかった)。×××××をより愛せるようになったと。

西川 いま、初めてって言いましたよね!(会場からもツッコミ)。

高橋 より好きになったということです、ハイ!。

近藤 でも僕もキャラクターのプレゼンスがすごいので、より一層好きになっちゃう技術だなと大興奮して、そこからは本当に会う人会う人に被せる毎日でしたね。

安藤 それで大興奮してゴールデンウィークを、全部潰して「Mikulus」の前身となるコンテンツ作ったと。

近藤 そうですね。

安藤 動画投稿をしたことで、コミュニティの元になったのかな。

近藤 2013年のゴールデンウィークを返上して、家に籠もって。家族にすまんと言いながら、PVみたいのを作って、YouTubeやニコ動に上げたら、台湾のミク廃の方から展示したいと連絡来たんですよ。

西川 感度がすごいですね!

近藤 台湾デビューだったんですよ僕。

西川 YouTubeとニコニコ動画どっちが刺さったんですかね?。

近藤 たぶん、ニコ動ですね。

近藤 そんな、こんなことしていたときに、高橋さんからツイッターで、面識なかったんですけど(高橋 まったく面識なかったですよね)、この体験会イベント一緒にやりませんかとDMが来たんですよ。

高橋 2013年7月の真ん中くらいですね。

西川 じゃ、手元に届いて数ヶ月後に。

近藤 そうですね、お互いに4月、5月に届いている筈なので、その2カ月の間になんかツイッターの中で意気投合したみたいな。で持っている人少なかったので、いろんな人に体験して欲しいなと思ったんですよね、

西川 その頃のお二人って、全然別の仕事をメインにしていたと思うのですけど、だんだん、VRに掛ける時間は増えて行きました?。

近藤 そうですね。僕、会社行かなくなっちゃいましたね。エクシヴィは実はもう8期目なので2010年からやっているんですけど。ある意味放置プレイみたいな状態に。

会場 笑い

近藤 その辺から人生の歯車が狂いだした。

西川 私は、VIVEを見てVR来ると思った人で、DK1はもう一声欲しいなと思ったのですが、初期のDK1の段階で人生の軸をそっちに振る決断というか、動機というか、どういった感じだったんですか。

近藤 これは、やっぱり昔の体験が大きいと思います。小学校3年くらいで8ビットのNEC「PC6001mk2」に出会ったんですが、それと同じなんですよね。解像度が低くて、できることは何も無かったですが、そこからできることへの振れ幅が大きくて、ぶわ〜と妄想が爆発しちゃった。これは日本に持ってこないと、ヤバイと勝手に思い込んでしまったんですよね。

西川 DK1の時点で、伸びしろが、もう見えていた?

近藤 そう、そうなんですよ! 小学校の時の原体験と同じ、フラッシュバックして、これ解像度も上がるし、みんなも使うようになるじゃんみたいな。

西川 人生において、いろんなITが流行っていくのを見ているから、見えたんですね。

近藤 僕、小3でパソコンのプログラム書いて、中一でパソ通はじめて、シスオペ(フォーラムマネージャー)をやって、大学の前ぐらいにはインターネットやパームトップコンピューティングとか全部やっていて、早すぎて毎回、分かって貰えないトラウマ抱えた。

高橋 そういう点では、自分やGOROman(近藤)さんは、純粋なソフトウェア屋なんですよね。

近藤 そうですね。

高橋 なのでハードウェアはPlayStationさんだとかXboxさんが勝手に進化してくれる。俺らは、それに乗っかってソフトウェアをバンバンつくったれと、ハードウェアの進化をまったく疑ってなかった。

近藤 そうですね。

西川 もう海に出ていれば波は来るという感じですね。

近藤 ただ、波を止めちゃいけないと。

高橋 それは、ありましたね。

西川 波を自分で作って行く側に、その後なったのかなと思っていて。

近藤 で、桜花(高橋)さんとOcuFes(現JapanVR Fest.)を立ち上げたんですよね。

高橋 2013年8月4日ですね。

近藤 そうなんですよね。秋葉原のRM burger&breakというハンバーガー屋さんを借りて。

西川 そのころはこんな立派なカンファレンスが開かれるなんて夢にも思ってなかったですよね。

近藤 まったく思ってなかったですね。でも 桜花(高橋)さんは最初からビジョンがあって、VRのコミケを目指すといっていましたね。

安藤 そうですね、かなり初期から言っていましたね。

高橋 最終地点はビックサイトかなと。

西川 じゃ、まだまだここは通過点ですね。

高橋 もしくは、VRでビックサイト作っちゃうか。

西川 確かに。

会場 笑い

西川 その後ですかね? 手妻師さんが参加されたのは。

安藤 そうですね。Vol.0からウォッチはしていたのですが、予定が合わなくて行けなくて、通算2回目からガーッと首ったけになった感じですね、

西川 その後、どんどんOcuFesが続いて、濃いコミュニティが、そこで形成されたのかなと思うんですけど、コミュニティ形成のコツというか、盛り上げるコツというか、主催者として、何かやりましたか。

高橋 いくつかある内のひとつが、来るもの拒まずというのがあるかなと。割と、取りあえず、懐に入れちゃう方で、最近もピーターという謎の外国人を仲間に引き入れたりしています。ちなみに私、この性格が災いして、駅で助けた黒人さんが、ブラックマネー詐欺の人で「コノオサツ、ヤクヒンカケル、オカネニナル」とか、一生懸命説得されたこともあるんですが、いろんな人を取りあえず懐に入れるというのが、まず1個あるかなと。

西川 食わず嫌いせず、冒険に出てみるというところですね。

安藤 コミュニティという点では、非常に目立っていたOcuFesという会合があったんですけど、実はその会合に至る前の段階で、エクシヴィ社がハブになっていたのは、間違いないですよね。あそこのスペースにどれだけの人が足を運んだのか。

近藤 自分も仕事全部ほっぽりだしていたんで、夕方になるといろんな人が。それこそ、安藤さんも乗馬マシン持ってきましたよね。

安藤 まだ、ハシラスができる前で、取りあえず持っていって、センサーの代わりにOculusのチップ自体を付けて、揺れる情報をそのまま見られるようにしましたね。

近藤 僕の会社の会議室が、ある意味研究室みたいになっていて、みんながいろいろな物を持ってきていた。

安藤 ハコスコもすごいプロトなヤツから。

近藤 藤井先生はハコスコ社を作る前かな。うちの会社でハコスコのプロトの体験会をやっていましたね。

安藤 どれだけ新橋のJKビルに足を運んだか。

高橋 週7でGOROman(近藤)さんに会っていたこと思い出した。

会場 笑い

安藤 家内よりも多く会っていた時もありましたよね。

高橋 みんな、そうでしたよね(笑)

西川 その頃からみなさん、これを本業にしようと思ってやっていたのですか。

安藤 私はやっていなかったですね。すぐにそこにシフトした訳ではなく、しばらくは2足のワラジでしたね。

西川 どのタイミングでこれを使って、ちゃんとお金儲けに踏み切ったのですか?

安藤 僕に関しては、結構大口発注をいただけるようになってしまって、もはや個人では受けられなくなってしまったという事情があって。

西川 作ったものを展示していたら、どんどん案件が舞い込んできてしまったと。

安藤 どっちかという、そういう感じですね。会社を作り、本気度が上がってきたところで、芸能のほうをバッサリ切った感じでしたね。

西川 割とその辺はエクシヴィさんも似ているのかなと思いますけど。

近藤 そうですね、完全にもうARとVRをやると宣言したのは2014年の正月? 新年会やって、僕が酔っ払って、そう叫んで、そのままラスベガスのCESに行った。それでOculus社へ行こうという話が出たのかな。なんかもう、自分の腹は決まっていましたね。

 

この3、4年の振り返りと今度について

西川 それからもいろいろありましたが、直近の話も聞きたいなと思います。この3、4年の振り返りと、今後3、4年でどういう風に行きたいとか、何かありますか。

高橋 そうですね、自分からいくとこの3、4年は、3、4年前に思っていたペースよりも遅かったかなと。ただ、歴史を紐解くと、これは順当なペースなのかと思い直しています。我々で話すときに、よく6001の話を出すのですけど、みなさんご存じです?。

近藤 NECのパピコンですよね。

安藤 こんなに手の上がる会場ないですよ(笑)

高橋 そのPC-6001の販売台数が15万台だった。マイコンブームと言われていても、15万台しか日本で売れていなかった。いまのPlayStation VRが大体国内で20万台くらいと言われているので、そこを考えるとVR元年の第1回目としては、まあまあ順当なラインは売れているのかなと。じゃ、この後どうなるかというと、81年にマイコン「PC-6001」で、83年にファミコンが出て、84年にスーパーマリオという流れ。なので、あと1年くらい、つまり来年になるとファミコン相当のものがVRで出て、その次の年くらいにスーパーマリオ相当のものが出るんじゃないかと、予測としては建てている。

西川 来ましたね。大予言が来ましたよ。

会場 笑い

近藤 桜花(高橋)さんがスーパーマリオ相当のものを作ったら良いんじゃないですか。

高橋 そうだね。

西川 まるで他人事かのように言ってしまいましたが。

会場 笑い

近藤 キラーコンテンツを。

安藤 (ブームが)起こる側ではなく、起こす側ですからね。

高橋 そのまえに、もう1個考えなくちゃいけないのが、ファミコンがなぜ選ばれたか。MSXとか、その他もろもろゲーム機があるなか選ばれたのは、「ゼビウス」が遊べたから。ファミコンで「ゼビウス」が出たから、選ばれて、その流れスーパーマリオになったという話もあるので、先に「ゼビウス」を作って、全国にばらまく必要があるんじゃないかと、最近考えているんですよね。

安藤 「ゼビウス」はDK1の頃に作っていましたよね。

高橋 あれね、ナムコさんのカタログIP無料化のヤツで出来ないかなと思って、やってしまったんですけど、いろいろ制約が多くて、登録だけして、そのまま放置してあります。というのが、この先2、3年の自分の考えですかね。

西川 GOROman(近藤)さんはどうですかね。

安藤 GOROman(近藤)さん、ここで話過ぎちゃうと、ラストでこれから先の50年(関連レポート)を話さなくちゃ行けないので、3、4年に留めておいてくださいね。

近藤 そうですね。今回、何故か2回話すことになっているので、ここ2、3年の話にしますと、僕も原体験はパソコンだったんで、丁度8ビットブームの時も、いろんなメーカーさんからぶわーっと出たんですよね。それに近しいことが起こるんじゃないかとDK1を手にした際に思ったんですが、いままさにマイクロソフトさんのWindows MRで富士通さん、HP、Acerとかぶわっーと出してきて、これで切磋琢磨されていくのかなと。

僕が見つけた時って、ある意味300ドル台で買えるのはDK1しかなくて、いまはHTCさんを含め、選択肢がもの凄く増えた。そういう感じで、いろんなメーカーさんが今後参入され、どんどん価格も安くなり、使いやすくなってきている。これって8ビットから16ビットのパソコンの時にも、同じことが起きていると思うんです。ビジネスソフトで、一太郎とかが出たことで、それまでの8ビットではゲームをやりたいとか、プログラミングできるとか、曲を作れる、絵が描けるといった具合にパーソナルだったパソコンがビジネスシーンにバーッと入ったんですよね。

西川 一太郎が出て、花子が出てですね。

近藤 パーソナルなのに、ビジネスシーンで使うというのがVRにも起きて、Windows MRを含め、どんどんビジネスシーンに入ってくるんじゃないかと思っていますね。僕や桜花(高橋)さんのような、ギークよりの人ではなくて、会社に行くとMRシステムを使ってプレビューするとか、納品物をチェックするとか、お仕事で当たり前になると、会社で便利だから家でも買おうよみたいな。

まさに年賀状印刷するから、家でパソコン買おうとか、プリントゴッコもうやだみたいなことから、やっぱり一太郎になったと思う。そういうになって欲しいなと。ここから2、3年でぶわーっと、いろんなメーカーさんが参入してきて、ビジネスシーンでも使われて、それで家庭にも入ってきて、一人一台になるんじゃないのかなと思っています。

安藤 私の方は、そういう市場の立ち上がりはAR的、MR的の方が強いと感じていて、VRの実用ユースは結構弱いと感じている部分はあります。その領域では、エンタメのほうが立ち上がってくるのが、ここから向こう3、4年というなら大きいだろうと思います。

自分自身はロケーションベース系に非常に注力しているのですが、近年ロケーションベースですごい面白い発見を1個しまして、フィクションの世界でVRが取り扱われる時に、しばしば自分がVRのワールドに居るのか、リアルの方に居るのか区別ができないという話がありますよね。「トータル・リコール」ですとか、「マトリックス」ですとかの、実はここはバーチャルワールドだったんだという体験は、現VR機器ではできませんよね。

つまり現実とバーチャルにある仮想のものというのは、いまプレゼンスという言葉がしばしば使われ、プレゼンスがある、ない、剥がれたと言っているんですが、みんなどこか頭の中では嘘と分かっているんですよ。これ、すごく手品的なんですが、嘘と分かって、付き合って見ているんですよ。プレゼンスが高い、さもあるようなと我々がいうほどに、さもあるようには、みなさん感じていません。でも、実は、ローケーションの中にも居て、これを実現する手段があるんですよ。そこに気づいた時に、すごい面白いことが起こるな〜と思っているところです。

何かというと、いま歩き回っている3ポイントセンシングの中で、アバターをVR内に表示してフリーロム的に歩く、押す、ハイタッチとやるじゃないですか、そうするとそこに見えているアバターに対する実在を人は確信するんですよ。内部的には確信的なプレゼンスだと僕は思っています。そうすると何が起こるかと言いますと、ロケーション的に歩いていて、そこに触れられる柱があって、触るとちょっとグラグラするとするじゃないですか。ゲーム的に、この柱が倒れてきた時に、人はどんなインプレッションを持つのか、「うっわ死ぬ!」と思うわけですよね。

これは、いままでのいわゆる仮想現実的な嘘だと分かって付き合っているのとはまるで違うインプレッションが生まれるということを気づきましたよと。これに近いことで、いろんなことをすでにやっています。例えば、結構ネタバレになっちゃうので、余り言いたくないところでもあるのですが、前を歩いている人というのは3ポイントセンシングでやっているアバターなんですけど、ゲームのエンドまで行くと、クルッと振り返って刃物を持って自分を襲いに来るという演出。

例えば、こういう嘘と真というのを入れ替える時に、人はそれを知覚できないんですよ。確信を持って、自分が友人だと思っていた人が、突然豹変して襲ってくるなんてことが、できたりする訳ですね。こういったものが、実はロケーション上では実現できるということと、あとバーチャルの世界で、いま何ができるのかというのが、いろんなメタバース的世界で交流できるよ〜、楽しいよ〜とその片鱗に触れられている人は、こんな世界来たら素晴らしいなと、予見できますよね。

でも、そこにタッチできるのって、一般家庭はまだまだ先になってしまったりするんですよね。そういう部分は割とディープで、すごいイマーシブ(没入)な体験はロケーションなら作れるというところがあって、いうならばワンコインか、もうちょっと払うかというところで、その先の未来の技術が体験できるというのは、必ずこれは家庭用に入るためのブリッジになり得ると思っています。

そこら辺の可能性を強く感じて、VIVEを使わせていただいております。

西川 ありがとうございます。

会場 笑い

安藤 このようなことがあって、ロケーションは結構楽しいです。あの現場は、いろんな発見があって、選択肢が多いです。家庭用にした時点で、かなりのものをそぎ落として、一般化してみんなが使えるものにしなきゃいけなくなるので、ロケーションは可能性の塊ですね。いまはそこら辺を楽しんでいます。いまのところ、そこら辺を楽しみながら、お金にもなっている感があるので、もうちょっと継続したいです。ただ、安藤的な関心はもうちょっと産業より、実用より、教育よりですね。それとコンシューマーと、全部満遍なく見ていまして、どのタイミングで、そこに攻め込むかは、期をはかっているところでもありますね。

 

濃いキャラ揃っているので、お互いに聞きたいことは?

西川 最後は、私ばかり聞きたいことを聞いているので、濃いキャラが揃っているので、私を除き。

会場 笑い

橋 いやいや、あなたも大概なもんですよ。

安藤 面白いですね(笑)

西川 普段は聞けないけど、みんなの前で聞きたいことあれば。

近藤 むしろ言えないことを聞いていますからね。PS VRのマスターアップのつらさとか知りたいです。

会場 笑い

安藤 噂で聞く。

西川 コンサルテーションが入るという噂を聞きますけど。

高橋 コンサルテーションはたぶん、我々だったらなんてことはないです、正直。いままで、何もVRをやってこられなかった方が、カメラワークとかを2Dゲームの作り方をやった上で、それをまんまやろうとすると、バチコーンと誰かから叩かれます。もう、VR専用として作っている分には、全然問題ない。

近藤 通っちゃう。

高橋 もう余裕で通っちゃった。というのが自分も。それ以外のところが一杯あるんですけど、まあまあまあ。

会場、西川 笑い

西川 ずっとコンテンツ作っていて一番辛かったところは。

高橋 そうですね。いまPC VR版を作っている「ChainMan」というホラーゲームがかなり迷走したところで、何に迷走したかというと新しい物語の伝え方ってどうにかできないかと思って、いろんな試行錯誤をしてみたと。

例えば、一番手っ取り早いのはキャラクターを出して、全部音声でしゃべってくれるんですけど、そんな金ないし。じゃあ、清掃車が残したメッセージとして、壁に一杯、次はこうしろみたいなメッセージを残していったら、それをどんどん辿って、次に行ってくれるんじゃないかと思ってやったら、人間そんなに察しは良くなかったな〜と。壁の文字なんか普通に見過ごして行っちゃって、クリアーできませんと言われて、どうしよとなった。そんな試行錯誤を1年くらいやり続けて、そのたびに、社長また仕様変わったんですかと、言われ続けられるのが、ちょっと辛かったかな。

西川 そこは妥協する訳にいかなった?

高橋 そうですね。ただ、妥協するところにすらも行けなかった1年間を過ごしました。

安藤 「Oculus Go」とかハードウェア系でウォッチしているものあります?

近藤 先日、フィンランドに行ってきたんです。「Varjo(ヴァーヨ)」さんのスタートアップで体験させてもらったHMDは、肉眼と同じ解像度で、全体じゃないんです。一部が超解像度になっていて、ヘッドセット自体はプロトタイプで、Oculus Rift CV1をハックして改造してあるようなものだったのですが、そのなかに1枚1000ドルくらいの超高解像度有機ELパネルが入っていて、それを変なテクノロジーで合成するみたいな(笑)

見ている部分は現実と同じくらいの解像度で、文字もくっきり、読めました。ある意味、これが当たり前になったら、仕事できるなと。いまやっぱり解像度とか、文字は読めないじゃないですか。下手すると現実よりも綺麗に見えるみたいな、不思議な体験をして、すごくワクワクした。こういうのが、2020年くらい普通に使えるようになったら、産業とかいろいろ変わるなという体験をしてきました。

西川 しかもそれ、普通のパソコンで動いていたんですよね。

近藤 そうですね。ノートパソコンで動いて居ましたよ。全体を高解像度にすると、すごくGPUリソースを食うんですけど、アイトラッキングして合っているところだけ、超解像度でレンダリングするようにしていますね。

高橋 個人的には高解像度の方じゃなくて「Oculus Go」にすごい期待していて。

安藤 価格?

高橋 もう本当に価格。

安藤 価格優位性って単純にPS VRの方が良くない?。

高橋 200ドルで良いです。

安藤 いやパソコンがさ。

近藤 Oculus Goはスタンドアローンで、それさえ買ってくれば。

安藤 あ、ごめんない。そうでしたね。

高橋 ちょいちょい、企業さんとも話をしていたときに、これすごいでしょ、PCとセットで30万といったら、スウッと(笑)。そういう時に2万円ですというと、ワンチャン失敗しても良いからやってみるかという気になってくれるんじゃないかなと。

近藤 フェイスブックがやっているソーシャルVRアプリの「Facebook Spaces」というのがあるんです。サービスを体験された方は少ないと思いますが、すごい面白いんですよね。隣に人を呼んで、一緒に360°動画を楽しんだり、動画、写真をシェアしたり、絵を描いたりと、それがOculus Goくらいにカジュアルな価格帯でできたら、すごい距離とか時空とかいっぱい超えちゃって、仕事もゲームも何でもできるじゃないかと。

安藤 そうなんだよね。僕はちょっと、引き続きVIVEのハウススケールに期待しているところがあって。いまあるロケーション系の面白いところでの付けて外してがダルい。最初に施設の入り口で付けて、現実と同じように遊びに行った上で、特定のもの遊ぶよと決めて、遊ぶ形の切り替えをササッと実現しちゃいたいなと思っていて。

近藤 そうしたら、アテンダントもラクになりますね。

安藤 そうなんですよ。収益構造がまるで変わってきますよ。あと、いまやっていることで、1個面白いのが、アテンダンドのお姉さんに、トラッカーを付けて、アテンダンドのお姉さんもVR内で可視化することですね。現実側の動くものや、止まっているものなんかも全部可視化してしまって、VRワールド内で浸って遊ぶといった経験で、さっきいったような確信的な実在感と組み合わせた嘘といったことが起こってくると、大分面白いことができるようになる。

近藤 OculusがスタンドアローンVR HMDの「Santa Cruz」(開発コードネーム)でやろうとしていることと近いですね。

安藤 あ、そうなんですね。いまのところ、センシングのエリアの限界というのが結構大きいのかなと。センシングエリアを途切れずに広げるというのが、どうなんだろう。

近藤 インサイドアウトトラッキングが、どんどん精度が高くなれば。

安藤 そうですね。インサイドアウトと手の組み合わせですよね。

近藤 ある意味、オーグメントテッド・バーチャリティ(AR)みたいに、触れられるのとVR空間がリンクするみたいな。遊びの幅とか、できることの幅が広がりますね。そういえば昨日、GOROman(近藤)さんのオフィスで、5インチフロッピーを見て、二十歳くらいの若い子たちが、なんですかこれ、これ何ギガ入るんですか〜と。

会場 笑い

近藤 ギガじゃないし(笑) 1.4MBだし、ゲラゲラ笑った。そんなに離れてはないじゃないですか、わずか10年、20年で、技術革新があって、なんですかこのペラペラの大丈夫ですかとかいわれた。

高橋 そうそう(笑)

安藤 確実に我々みんなが見ている未来には到達するだろう。どの会社が行くか分からんけど、そこには行くんですよ。そういう意味では、私自身の関心もだし、聞いている人もそうだし、向こう1、2年でどこが勝つのか興味があるところではありますね。

いまどっち方向が良いのか、GOROman(近藤)さんは、ハイエンドは未来を見せてくれそうで期待。桜花(高橋)さんは、Oculus Goは期待とおっしゃって。僕がフリーロムでVIVEを見ていたのは、最初にそれを実現してくれそうだから。いずれみんな、絶対やってくれるんですけど、最初にやってくれるところで、知見を溜められるというのは、でかいかなと。そうすると、その先にあるやつが描けるじゃないですか。

西川 いまの現行のスペックはたぶん、どんどん価格が身近なものになっていきますね。VIVEも今年の夏に2万円値下げしたんですけど、価格改定した週は3倍売れたんですよ。それでも高いデバイスなんですけど、2万円下がるだけで、3倍の売り上げになりました。

安藤 じゃ、もっと4万円ぐらい下げたら、6倍になるかも。

高橋 PCセットにしてくれて。

近藤 逆ざやでどんどん赤字になる。

会場 笑い

西川 それって携帯やパソコンで、いつも起こっていることで、ちょっと前のモデルがあっという間に値下がり。同じスペックを買おうとしたら安くなっているのは良くあることなので、その波はVRも例外ではないかと。

近藤 iPhoneなんか、10年で別物になっちゃいましたもんね。性能とかも。

高橋 そう考えると、携帯電話はPHSが出て、すげえ安くなった瞬間に自分も持った記憶がある。価格は正義というか、安いのは正義かと個人的には思いますね。

近藤 でもiPhone Xは14万しますけどね。みんなローンで買っている。

会場 笑い

西川 携帯業界のすごいところは、2年割賦制度入れたところが、すごくあってですね。月々ちょっとずつ払っていくと、あまり負担に感じないというマジック。

近藤 HTCさんもどうですかね。VIVEサブスクリプションとかで2年更新で。

西川 それよりも速い頻度で、変わるとは思うんですけど。

近藤 常に最新のハードウェアをお送りしますとか。

西川 ハードウェアのサブスクリクションはこれからの時代、結構メジャーになると思います。月額でVRの高い機器を使うっていう発想は、すごく浸透するんじゃないですかね。

安藤 ロケーション系でも、コンテンツ単体を売って、それで利益ではなくて、イニシャルはもらうけど、その後はレベニューでという製作元がリスクを負うようになってきそうだねという話は出ています。ゲーセンの筐体と同じ流れですかね。いつ回収できるか提示できないと、売りにくくなってくる感じの気配でしたね。

あと、ロケーション界隈で、ちょっと面白い話としては、いままで求められているのは「わー」なんです。初めてやった人が、「超すごい、なにこれ感動」っていうのなんですが、もうそろそろのシフトとしては、じっくりスルメのように楽しんで、何度も足を運んでもらうリピート性を重視する方向にシフトしていかないと、ヤバイよねという話になりつつ、ありますね。

西川 そうですね。そのほか、私が注目しているハードウェアだと、サムスンのWindows Mixed Realityヘッドセットの「Samsung HMD Odyssey」ですね。パネルにすごく良いものを使っているので、上のモデルは見てみたいなと。

 

最後のひとこと

安藤 すごい早さで進化しているところに、立ち会えて良かったなと思っています。いままでは、すごくお世話になっている立場が多かったのですが、これからはこっちから変えていく方にシフトして行きたいなと思っています。

近藤 エクシヴィは、丁度引っ越しをしまして、是非みなさん遊びに来て下さい。VRのビジネスをやりたい方は、どんどんお声がけいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

高橋 私もちょっと宣伝で、最近100人同時にスタートできるVRシステム開発中で、目鼻付いてきたので、もし使ってみたいなという映画館をお持ちの大富豪方がいましたら、お声がけください。

西川 HMDを100台並べて、よいしょっと、取り付ければ一斉に全員が起動する?

高橋 そうですね。理論上は300くらいまで行けるはず。

高橋 どんなHMDでも使えるんですか。理論上は大丈夫ですが、駄目なものも少ないですがあります。

西川 興味のある方は是非ご連絡してださい。以上、本日はありがとうございました。

 
 
*VRCカンファレンス2017のレポート記事まとめはこちら

 
 
(TEXT by 藤田忠)

 
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