ありがとなのじゃ〜! ねこますさんによる「第1回 VTuberハッカソン」愛の全作品レビュー

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技術と企画の力が合わさって、数々の新人バーチャルYouTuber(VTuber)が生まれた「第1回 VTuberハッカソン」。会場、およびバーチャルでの審査は終了したわけですが、な、な、なんと! バーチャル審査員の1人である「バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん」こと「ねこます」さんから、「全作品にコメントしたい」とのお話をいただきました。これはVTbuer全体への愛がビンビン伝わってきて、世知辛くない!

というわけで、「ねこます賞」を受賞したチーム坪倉輝明「『おうち de VTuber』in VRChat」をのぞく15作品の総評を一気に見ていきましょう。

 
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Ultra Vibes Japan
タイトル「お兄ちゃん系モンスターYoutuber バートン誕生!」

 
CGモデルをそのまま使うのではなく、シルバーチェーンを追加してナウなヤングを演出するのはいいアイディアだと思いました。アセットの組み合わせを考えたり、テクスチャの色替えなども考慮すれば、モデリングができなくてもオリジナル性を持ったVTuberとして参入できる可能性を示唆した点がいいです。

フェイシャル(表情)について漫画的表現ができなくなる分、すべてのキャラクターに対して有効だとは思いませんが、バートンの場合は表情の機微が出て合ってると思いました。動画演出もすばらしく、バートンもバートンしていたと思います! 撮影役は子分ゴブリンとか広げられそうですよね。

 
VTuber うさぎさんチーム
タイトル「VTuberハッカソン特別編 バーチャル魔法兎少女YouTuberドコカノうさぎ」

 
Live2Dと3Dとシンセの連携……と、ハッカソンとは思えないモリモリっぷりに圧を感じます。私はVRChatでDJ?っぽいワールドに行ったりするのですが、VR内でDJプレイができる需要はかなり高いと思います(動画の内容としては、DJプレイというよりシンセとの連携ですが)。なので、技術的にはVRDJプレイのUIなんかを提示できたら面白いかもしれません。

あと、魔法要素をあまり感じなかったのでヘッドホンを付けてあげてほしいです! ヒト耳用のヘッドホン使って、うさ耳はかざりだー!とか言ってDJするうさぎちゃんなど。

 
ソロチーム目玉
タイトル「屋台ごめす開店」

 
荒いながらも短期間でイメージを具体化できるVRお絵かきアプリ「Quill」の選択はハッカソンと相性がいいと思います。目玉のキャラは「めがみん」で「ごめす」ではないのでしょうか? めがみんが本名で、屋台の常連さんからごめすって呼ばれてるのでしょうか? 時間的に厳しかった事と思いますが、ごめすが何故屋台を開いてるのか? めがみんとは何なのか?を知りたかったです。

屋台もおでんなのか、焼き鳥なのか、はたまた異界のものなのか……。独特の世界観が魅力になると思います。

 
スプリンパンチーム(松)
タイトル「バイオリンを演奏するスプリンパン♪」
スプリンパンチーム(竹)
タイトル「誕生!VTuberなスプリンパン♪」

 

 
非常にキャラクターが良いと感じました。音楽・動画内容・キャラクター性・全てにおいてミュージカル性を感じました。王道を突き進む元気で明るいキャラクターは元気がもらえると思います。

例えば、日常の辛い事も音楽やミュージカルで吹き飛ばすみたいなストーリー性があれば、松のバイオリンの要素と絡められたと思います。道端で見かけた元気の無い人のためにミュージカルないし、バイオリン演奏をするスプリンパンは刺さると思います。そうして、世界を明るくしてゆく姿を見たいキャラクターだと思いました。

 
ゆるUnity電子工作部(梅)
タイトル「もっと世知辛いおじさん」のシステムを作ってみた」

 
私はリッチ主義よりも、それなりの設備でそれなりのものがつくれる費用対効果の高い手法が好きです。なので、安価に映像制作する方法として、限られたセンサー類をプログラムからフォローするのはまさしくハッカソンの名にふさわしいと思います。憧れます。

ソフトとしてパッケージされたら、動画制作の敷居が下がると思いますし、それによって生まれる新規のVTuberまで見こしたら、エンジニアリングという観点では個人的最優秀賞です。

まずは、そういった安価なシステムでファンの土台を築いて、資金を募ってバージョンアップするでもいいですし、ロケーションによっては電源の確保や設営の簡単なこちらのシステムは十分差別化できると思います。

 
チームひとり
タイトル「デリバリーVTuber」

スライド拝見させていただきました! 1人でハッカソンに詰め込むには荷が重い内容だと思います。非常に興味をそそるものがあるので詳しく聞きたいと思いました。

 
マッスルラビット
タイトル「マッスルラビット『逆さ吊り腹筋』 by栗坂こなべ」

 
「力技」この一言に尽きる作品を叩きつけられました。Live2Dモデルとキャラクターを当日に完成させるパワーとチカラ。

1分30秒という尺に収めるために速度をギリギリまで詰めるごり押し編集。

読み上げ速度のパラメータ152を隠したりはしない。

提供されたviveやNEURONにも目にくれずマウスを使ったモーショントラッキング。

マウスカーソルをHideしたり、編集ソフトで移動するなんて小細工は一切使わない。

合成音声を選択した意味はなんなのかを問うおっさんの吐息。

バーチャルYoutuberだっつってるのに構成のメイン部分で実写を入れ込むサイバーパンク。

時間、リソース、素材……限りある資源の中で最後に物を言うのは「己の筋肉」なのだ!

 

タイトル「幼馴染を女の子にしてみた。」

 
動画の内容は時間の都合で紹介程度に終わってしまっているのが惜しいです。

ただ、幼馴染を女の子に擬人化して3Dモデル化するっていうのを達成した時点で、それだけで十分と言えるフェチに富んだ試みで非常に好きです。1番タイトルが強い作品です。やってみた動画の中でも異端中の異端と言わざるを得ません。

話は変わりますが、私も3Dモデリングをしているので……。自分がモデリングしたキャラクターを他のプレイヤーに使ってもらう事があるのですが、親元を巣立っていった娘を見るようで、ただの3Dモデルにはない特別な感情を覚えます。

ヤマグチタケヒロさんをモチーフにしたモデルを作ったあかつきには、2人が仲良くしてる所を遠くから眺めていたいです。

 
Team TMCITXR
タイトル「世界初のMR YouTuber 茜ちゃん!!!」

 
端々から想像力を掻き立てるフレーズが飛び出してきて、おさわりにかける情熱が伝わってきます! 動画構成的には導入を15秒くらいにして茜ちゃんとトラさんの掛け合いを長く見たかったです。また、自前デバイスの持ち込みという他にない協力な武器があったので、動画構成次第では最優秀賞もあったと思います。

 
ザバイオーネ
タイトル「#1 二人羽織琴葉姉妹日記」

 
動画だけだと分かりづらいですが、VR人形劇といった感じでおもしろいと思いました。自分とトラッキングするモード、第三者視点で操作するモードが切り替えられるのは、VRを利用した映像制作ツールの標準機能になりえると思います。

あくまでVTuberのハッカソンなのでVTuberの補助ツールとして成立させるとしたら、モーションの保存と読み込みができるといいなと思いました(短期間での実装は困難ですが……)。

 
野田悟
タイトル「iPhone X Face Trackingでモーキャプしてみた」

 
ゲーム画面とキャラクターを後から合成する方法をとるなら、PUBGのハイライトシーンをまとめた動画の実況は欲しいと思いました!

 
肉1.5倍
タイトル「水無月ライムの散歩」

*ハッカソン終了後、肉1.5倍より完全版の提出がありました。成果物の公平を期すため動画は提出時のものとしますが、興味のある方はぜひ完全版の動画もご覧ください。

 
短い期間で0からキャラクターを完成させたり、360度動画という試みだったり……。ストレートに全体の完成度が高いと思いました。

動画の構成もセリフで設定を全て語らず、カメラを回すと廃墟になった街が映ったり、ロボットがいたり……。360度という視点からキャラクターとストーリーの背景を読ませる構成になっていて、ただ雑に「360度やりました」という風になっていないのがすごいです。

世界観やストーリーを作り込む事によって、ただ景色を見せるだけのつまらない360度動画から、ストーリーを読ませる360度動画に昇華させているので、繰り返しみたい&続きが気になる作品だと思います。

YouTuberというより、VTuberという形式で進行するアニメ?のような物にも見えます。新しさ故に手探りな部分も出ると思いますが、可能性を感じる作品です。

 
チンアナゴYouTuber
タイトル「?」

 
TIZ -Tokyo Insect Zoo- からの刺客なんじゃないかと思いました。内容が全く頭に入ってこないの最高です。

 
KAKUNI
タイトル「【#01バッハちゃんねる】音楽室の偉人がVTuberになってみた!」

 
撮影環境、演者さん、予算的問題から1画面に2人以上がおさまっている動画が少ないVTuberですが、ハッカソンという短い期間で2人のVTuberが掛け合いをするという時点で技術的な見どころを感じました。1人を前提にすると企画上できないこともあるので、長く続ける上でキャラクターがかけあいできる事は強みになると思います。

また、モチーフになっているのが偉人なので、キャラクターに広がりを持てるのも強みだと思います。さしづめ、VTuber界の「英霊召喚」といった所でしょうか。キャラと技術がうまく支えあっていてよいと思います。

また、動画の内容やデザインも2日と思えないぐらい完成度が高く、きっちり審査員にこびてる構成も中の人の抜け目のなさを感じます。モデルを1から作るのではなく、改変して利用するなども完成度を上げたポイントかと思います。ハッカソンの名にふさわしい納得の最優秀賞だと思いました。

なんて、偉人に偉そうな事言ってごめんなのじゃ……。

 

総評!

 
「この中から1つ選ぶ」って無理がある!

VTuberは エンジニアリング・キャラクター・動画構成/企画/コンセプトの総合芸なので、審査員の重視する点や評価基準によっては、まったく話題に上がらない「もっと評価されるべき」動画も出てくるのが悲しい。

各分野の評価基準を明確にした上で、優秀を2ポイント、準優秀を1ポイントと割り振って、合計ポイントの高いチームに賞を渡す形式がいいと思います。

ハッカソンという手前、確実にバランスのいいチームが組めるとも限らないし、1人でやってる方が賞に入り込むには自分のスキルセットの中で最も得意な所に特化する必要があり、そうなると総合力を評価基準とする審査員には評価されづらいです。

私の場合……、エンジニアリングで言えば「『もっと世知辛いおじさん』のシステムを作ってみた」を推したいですし、1番光るキャラクターだと思うのはスプリンパンですが、ハッカソン中に作られたキャラクターに限ればバッハとモーツァルトだと思います。

ストーリー構成を最も感じるのは「水無月ライムの散歩」ですし、
コンセプトとしては「幼馴染を女の子にしてみた。」も推したい……。

それぞれのいいところがあって、推したいものが多すぎるのじゃ……。

あと、1番腹筋割れたのは「マッスルラビット」。

 
(TEXT by ねこます)

 
 
●関連リンク
ねこます氏(Twitter)
けもみみおーこく国営放送(YouTube)
第1回 VTuberハッカソン

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