送料・税込みで30万円を切りたかった——G-Tuneが「NEXTGEAR-NOTE i71000」に込めた思い

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G-Tuneの「NEXTGEAR-NOTE i71000」シリーズといえば、デスクトップ向けのCPUとGPUを搭載し、まさにOculus Riftの製品版(CV1)を動かすために生まれてきたといっても過言ではないハイエンドノートPCになる(ニュース記事G-Tuneのサイトで見る)。

 
G-Tuneは、ハンドル付きの小型デスクトップPC「LITTLEGEAR i310」など、VR開発者に向けてこだわりのPCをリリースしてきたブランドだが、NEXTGEAR-NOTE i71000にはどんな思いが込められているのだろうか。開発を担当した、マウスコンピューターの杉澤竜也氏、小林俊一氏に話を聞いた(以下、敬称略)。

 
 

税込み・送料を含めて29万4624円という価格を実現

 
——企画として始めたのはいつからでしょうか?

 
杉澤 昨年9月、NVIDIAさんがゲーミングノート向けのデスクトップ版GeForce GTX 980を発表しましたよね。その前から「ぜひやりましょう!」という話をしていて開発を進めていたのですが、製品化にともなって品質確認に時間をかけていた形です。

 
——目指したコンセプトはなんだったんでしょうか?

 
杉澤 やはり、CV1の推奨環境を満たすノートPCですね。どうしてもノートパソコン向けグラフィックスはGeForce GTX 980Mが最上位機種ですが、当然、CV1の動作推奨を満たすデスクトップ向けのGeForce GTX 970にはおよばない性能という状況があります。

 
——「ノートでCV1は難しいよね」というのが周知の事実としてありましたよね。

 
杉澤 そうですね。SLI(マルチGPU)という切り口もありますが、まだVRには対応いません。現状としては、デスクトップ向けのGPUを積むという1択しかなく、VR向けのPCをつくってきているメーカーとしては、そこに取り組まなければならないという思いで企画してみました。

 
——で、「あるといいよねー」ではなく、本当に作ってしまったというのがスゴい(笑)

 
杉澤 昨年に他社様からデスクトップ向けGPUを搭載したノートが発売されましたが、正直、値段が高額で市場調査した際に「高い」という声を多く聞きました。そこで同種の製品を立ち上げる際には、「コスト面も満足いただける価格設定にしたい」という思いがありました。現実的にいくらがいいかと考えたときに、30万円を切っていれば満足いただけるのではないかと考えまして、最低構成のブロンズモデルについては、税込・送料を含めて29万4624円という価格を実現しています。

 
——よく見るとブロンズモデルでもHDDではなくSSDなんですね。

 
杉澤 このセグメントの方々はSSDは必須ではないかと思い、標準にしております。

 
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本体背面。中央に1基のHDMIと2基のDisplayPort、左右に排気スリットがある。

 
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本体右脇。

 
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本体左脇。Type C端子のUSB 3.1も1基備えている。

 
 

35度の環境下でも熱暴走しない

 
——一番苦労したところは?

 
小林 やはり熱の処理ですね。CPU/GPUが両方ともデスクトップ向けですし、GPUのビデオメモリーが8GBとデスクトップよりも「盛って」いますので発生する熱も増えますが、底面に大きくスリットを設けており、そこから吸気して背面から一気に排気する効率的なエアフロー構造で対応しています。

 
GPUに電源を供給する回路部分にもグレードが高い部品を使っており、それをノートにきちんと納めて、動作を評価し、品質を確認した上でひとつのパッケージに仕上げています。

 
——展示会でVRをデモする人にとっては、連続稼働時にオーバーヒートしないかどうかが気になりそうですが、その辺は大丈夫でしょうか?

 
小林 弊社の評価基準がありまして、環境温度が35度下で製品仕様通り動作するか、主要な部品の温度が基準内かチェックしています。

 
——35度って! むしろ真夏日の屋外とかでデモしないと、そんな気温にならない気も(笑)

 
杉澤 適切な環境下なら余裕で耐えてくれると思います。

 
小林 ノートPCは、ACアダプターを使っているので、一般的なデスクトップ用電源よりも電源の変換効率が高いのですが、ACアダプター自体がノート本体の外にあるので、電源から発生する熱は、本体の熱設計に含めなくても大丈夫という面はあります。

 
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底面の吸気スリット。

 
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キーボードとタッチパッド。タッチパッドのクリックボタンにもこだわっており、押した感覚がキーボードのようにしっかりしている。

 
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ACアダプター。となりにあるiPhone 6 Plusよりはるかに大きいサイズ。

 
——今年はOculus Riftを始めとする製品が発売されて、「VR元年」と呼ばれていますが、G-Tuneさんが期待していることをお聞かせください。

 
杉澤 私としてはCV1にとても期待を持っています、2月に開催されたカメラ製品の祭典「CP+ 2016」で8KのVR映像をなめらかに表示できるPCをお披露目に行ったのですが、今までVRを体験したことがなかった人も多く、「これはすごい」と口々に言っていただけました。

 
——えっ、CP+に来るようなカメラ好きや業界人の間でもVRはまだ知られてないんですか? 去年もリコーさんが「THETA」を展示していた気がしますが……。

 
杉澤 意外とまだ知らない人が多いです。もっと知ってる人がいて、THETAを凌駕する8Kの映像がスムーズに見られますよという環境を見せるために行ったのですが、みなさん「コレなんですか?」とOculus Riftを解説するところから始まってしまいました。

 
ただ、体験していただくと、「画面で見るのと違ってその場にいる感覚があってすごく面白い」、「未来を感じる」と多くのご反響をいただけました。

 
業界関係者の方もとても興味を持っていただけました。例えば、流通の方々は、今、PCは低価格帯がスマートフォンやタブレットに食われてしまってきつくなっているけど、これでVRという明確にパソコンじゃなくてはできないユーセージが提案できているのがいいと評判でした。

 
——流通からのVRへの期待も高かったと。

 
杉澤 そうですね。こうしたニーズは日本でも確実に芽生えてくるんじゃないかというご意見もいただきました。広告代理店の方も、「これは新しいエンタテインメントだ。いつ出るんですか!?」と前のめりだったりと、体験していただいたことで非常に興味を持っていただけた。

 
CV1が出てくることで、DK2よりも映像がきれいになり、しかもちゃんと遊べるコンテンツも出てくる。そうすると、CP+で感じた裾野の広がりがさらに大きくなるわけです。そんな広がりにあわせて、今、愛用していただいているVR開発者の方々だけでなく、より一般的な層にもG-Tuneというブランドを知っていただけるようになるんじゃないかと、ビジネスの規模としても可能性を感じています。

 
「NEXTGEAR-NOTE i71000シリーズ」はG-Tune Garageにも展示しております。ぜひ実機を触ってみてください。

 
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カバンに入れて持ち運ぶとなるとやっぱりノートPCが現実的。より価格を優先させたい場合はハンドル付きの「LITTLEGEAR i310」、持ち運びならNEXTGEAR-NOTE i71000と選べるようになったのがうれしい。

 
 
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