意外と正しい!? 2025年までに起こるVR/ARの未来予測40【GDC2016講演解説】

LINEで送る
Pocket

0
米国サンフランシスコにて開催しているゲーム開発者の祭典「GDC 2016」では、現地時間3月14、15日に「VRDC」(Virtual Reality Developer Conference)というVR向けのセッションを集めたイベントを初めて併催した。講演は、14、15日合わせて40を超える数を用意。さらに会場となったMoscone CenterのWestにデモブースを設けたこともあって、多くの来場者で賑わっていた。

 
本稿では、14日に講演があった「Forty Predictions for VR/AR through 2025」をピックアップして紹介する。講演者はSchell GamesのCEO、Jesse Schell氏で、これから2025年までを見てVR/ARの技術進歩で起こる世の中の変化について40項目で予言(Prediction)していた。代表的なものを紹介していこう。

 
00
Jesse氏。写真は2月のVision VR/AR Summitのときのもの。

 
ちなみに、Jesse Schell氏については、以前の記事であるVRゲーム開発向けのノウハウに関する講演解説も参照いただきたい。氏の講演はセッションルームが満員になるほどの盛況ぶりで部屋に入れなかった参加者も数十人近くいた。

 
01
入れなかった参加者は、近くの廊下に設置されたモニターで講演の中継を見ることになった。しかし、この写真のように多数の人が集まり、氏の講演に多くの関心が寄せられていることがうかがえた。

 
 
●ゲーム
・非対称なゲームスタイル(3人でゲームをする場合、1人はHMDをかぶり、残り2人は従来のコントローラでゲームをする)が出てくるだろう
・2022年までには 一般向けVRはポータブルで、スマホを差し込むものとは別になるだろう。

 
 
●映像関係
・2018年終わりまでに、Comcast(アメリカのケーブルテレビ会社)がVR専用のチャンネルを持つだろう
・2025年までに、VRドキュメンタリーが賞を取るだろう

 
 
●ソーシャル
・SNSのVR版は2025年までに実現するだろう
・2020年の終わりまでに、VR版のMMO(Massively Multiplayer Online role playing game)が実現し、100万人の登録者が出るだろう

 
 
●批判
・2017年までに、VRのシューティングゲームに対して暴力的だという批判がでるだろう。
・2017年終わりまでに、VR中毒者が現れて、VR自体に批判が出るだろう

 
 
●AR
・2025年までに、AR Glassでは、Video AR(Vrvana TotemGoogle Tangoのように、カメラプレビューにCGを重ね合わせる方法) の仕組みが支配的になる。

 
02
・2025年までにTVの中からキャラクタが飛び出してくるような、TVとARの融合のような仕組みができる

 
03
・2025年までに、教育で使われる機会が増える

 
 
●技術(VR)
 
・2018年までに、アイトラッキングが利用可能になる
・Foveated Renderening(HMD装着者の視界範囲だけを高画質で描画し、ほかの画質を落とすことで全体の描画に関するCPU処理性能を減らす仕組み)は2020年頃も存在し、2025年までに実現する。
・2025年までにワイヤレスHMDが実現する

 
 
●ロボット
・ロボットは家庭でのお手伝いやコミュニケーション手段にとどまらず、VRのゲームにおいて、人の触覚を補助する手段にもなるだろう。

 
05
例えば、この写真のようにVRのゲームプレイ中に壁を触りたい、と思ったとき、これまでの方法では壁に触った感覚を再現するのは難しい。

04
しかし、もしロボットがそばにいて、人が手を出す場所にリアルな板を配置すれば、人が壁を触っているという感覚を再現することができる。そのほか、リアルなロボットが人が「触る」という行動に合わせてリアルな物質を用意することで、ゲームの没入感を高めることも期待できる。これが、氏による2025年までのロボットの使い道である。

 
 
●所感
真面目な話をすると、Jesse氏の「予言」は必ずしも客観的データに基づいた発言ではない。どちらかというと、「みんなでこういう世界を実現しよう」というエバンジェリスト的な立場の発言に近い。

 
しかし、例えば「ゲーム」については、PlayStation VRの「PlayRoom VR」や、VRを活用したボードゲーム「アニュビスの仮面」のようにVR HMDを装着する人/しない人で同時に遊べるゲームも考案されている。今回のGDC2016では、idealensやGameFaceLabs、本日発表されたSulonも単体で動作し、いずれもワイヤレスであるなど、間接的に裏付けるような動きはある。

 
「SNS」においては、Jesse氏はどの会社が優勢になるかはわからないと述べていた。これはIT業界では新しい技術に対して新しい会社が現れることが多いので、現状Facebookが優勢であっても、そのままになるとは限らないためである。MMOについても、すでにIBMによってSAOのVR体験αテストが始まっており、実現は十分にありえると思われる。現状の動きやこれまでの経緯に基づいたJesse氏の「予言」は、VRの動向を考えるときに非常に参考になるだろう。

 
 
●関連リンク
Schell Games
GDC 2016

LINEで送る
Pocket