目の前のゲームを多様な角度から見られる!! 次世代AR「CastAR」を試してきた【GDC2016】

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米国サンフランシスコにて開催していたゲーム開発者の祭典「GDC 2016」。前回まで取り上げた一体型のVRゴーグル、お大型の体感装置に続き、今回はARで新しいゲーム体験ができるゴーグル「CastAR」を紹介しよう。

 
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同製品は2013年頃、クラウドファンディングの「KickStarter」にて100万ドル(約1億1千万円)以上の出資を集めたことで話題となった。日本でも2013年頃に注目されたがが、以降あまり続報がなかったと思う。しかし、CastARのお知らせページでは、1ヵ月に数回程度の更新が続いており、メディア取材やイベント開催などを報告していた。

 
さて、ちょっと未来的な体験ができるCastARだが、GDC2016のメイン会場であるMoscone Centerではなく、そこから徒歩5分程度の場所にあるPalace Hotelの一室で展示していた。

 
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Palce Hotel入り口で見かけた案内板。

 
 

CGのジェンガをみんなで遊べる!?

CastARは、ARを使って目の前に3Dのゲーム空間を表示するだけでなく、その空間をいろいろな角度から眺められるのが最大の特徴になる。前後左右、上下と視線を移しながらさまざまな角度でCGを見られるので、「その場にある」というリアリティーを高く感じた。

 
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コンセプトムービーより抜粋。AR表示したゲーム空間に直接手で触れないが、専用のモーションコントローラを使うことで、直感的に操作できる。画像ではわかりづらいが、画像の女の子は左手にコントローラを持っている。

 
複数人で同じAR表示を共有できるのもポイントだ。例えば、ジェンガのようなゲームをAR表示し、何人かで色々な角度で眺めながら崩さないように棒を抜いていくといったゲームをARで実現できる。

 
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装着しているのは、共同創業者のjeri Ellsworth氏だ。

 
仕組みを簡単に説明すると、メガネから特殊な反射板に光を当てて、その光を特殊なメガネでみるというものになる。メガネのレンズ部分は、数年前にはやった3DTVに使われていたものと同じで、反射した光をメガネ越しに見ることで立体視を実現している。

 
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メガネ自体はとても軽く、普通のメガネとほぼ変わらない重さのように感じた。

 
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CastARの一式。2本あるのは専用のコントローラー。こちらも軽く、Wiiリモコンのような直感的な操作が可能だ。敷いてあるのは、CastAR専用の反射板で、この板によってさまざまな角度からのAR表示を実現している。

 
さて、筆者が体験したデモは、立体的なステージでキャラクターを操作するアクションと、キャラクターを操って敵を倒すマルチプレイ対応ゲームの2種類だった。率直な感想は、「反射板の上に本当にAR表示されてる!」というもの。既存のAR向けのゴーグルは、当初に紹介するコンセプトムービーと実際で見え方が異なっていて、コレジャナイ感が高いものも多かったが、本機は反射板の上で自然にAR表示できていて、新しいゲーム体験が生み出せそうという印象を持った。

 
 

2017年発売 Kickstarter出資者には特典も

先のjeri氏らに話を伺ったところ、今回のモデルは開発者キットの提供予定はなく、2017年に製品版を発売するとのことだ。また、KickStarterのBackerの大部分にはBackで集めた資金を返金したという。こちらのインタビュー記事に理由が載っていたが、要約するとこういうことだ。

 
・製造を進める中で、様々な予定外の問題が起こり、Backerに約束した予定がずれてしまった
・それでも、初期に協力してくれたBackerのおかげで、ARのゲームに市場があることが証明され、継続的な投資を受けることができた。その結果、開発者キットの製造までたどり着いた。
・協力してくれたBackerに対して真摯に対応することが重要と考え、開発者キットではなく製品版を送付することにした。

 
ちなみに、もう少し詳しく説明すると、

 
・KickStarterでの大多数Backerは、返金+製品版の送付を受け取れる。
・KickStarterでのEarly Bird Backerは、開発者キット+製品版と無償交換可能なクーポンコードを受け取れる。

 
とのこと。予定通り届かなかったことはともかく、誠実な対応ですね(筆者がBackしている、とある企業たちも見習っていただけると嬉しいのだが……)。

 
ARを色々な角度から見回せて、さらに他の人とも同じAR表示を共有できる、というのはこれまでになかった使い方だ。例えばアクションゲームやパズルゲームなどで、新しい遊び方が出てくるだろう。製品版はUnityとUnreal Engine4に対応予定とのことで、ゲーム開発者が参加しやすいのも期待できる。残念ながら現時点では価格は未定で、まだオーダーは受け付けていないため、続報があり次第、またお知らせしたい。

 
 
●関連リンク
CastAR

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