ソーシャルスクリーンは絶対に実現したかった——SCE吉田修平氏が語るPlayStation VR【GDC2016】

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前回の記事に続き、PlayStation VR(PS VR)について、ソニー・コンピュータエンタテインメント ワールドワイドスタジオ(SCE WWS)のプレジデント、吉田修平氏にインタビューした内容をお届けしよう。

 
—— PS VRの購入者は、VRパーティーゲーム「THE PLAYROOM VR」がPlayStation Storeから無料でダウンロードできます(関連記事)。無料にしたのはどういった理由ですか?

 
吉田 あれは最初からその予定だったんです。というのもThe PlayRoom VRは、ソーシャルスクリーンというPS VRにしかない機能を使って「こんなこともできるんだよ」と他のデベロッパーさんたちに見せたかったからです。

 
特に同じ部屋でVRヘッドセットをかぶっている人と、そうでない人たちが一緒に遊べる「セパレートモード」は、すごく特徴的です。VRを世に広めるにあたって、一人で籠って遊ぶものだけとは思われたくなかった。最初の段階からThe PlayRoom VRを前面に出すことで、友達や家族などみんなで集まってワイワイ楽しめる、中心のひとつになりえる機器であるという打ち出し方をしたかったのです。

 
だからソーシャルスクリーンの機能は絶対に必要と考えて、SCE WWSのジャパンスタジオやロンドンスタジオが強くプッシュしたんですが、ハードの制作チームからは「それを実現するにはハードの追加が必要になるよね」という意見が出ていた。

 
そのときに、ジャパスタジオのニコラ(The PlayRoom VRのクリエイティブディレクター兼プロデューサー、ニコラ・デュセ氏)が、PlayStation Vita TVを使ってソーシャルスクリーン機能を仮実装したんです。

 
つまりPS4で映像を2つレンダリングして、ひとつはVRヘッドセットに、もうひとつはリモートプレイを使いPS Vita TV経由でテレビに映せるようにしてしまった。それで「Monster Escape」のプロトタイプをつくって「これで遊んでみてください」と。

 
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Monster Escape。

 
——それって試作品を持って説得しに行ったんですか!?

 
吉田 そうしたらハードの人たちも「これは面白い、やろう」となりました。

 
——なかなかアツいですね、その展開は!

 
吉田 われわれはハードチームといつもやりとりしています。ハード側からもってきてくれた手作りの試作をうちのチームでテストして、「ここがうまくいかない」とか、「こういう機能がもっとほしい」というキャッチボールをしています。ですから、開発の早い段階でハードの人たちに遊んでもらうことができ、プロセッサーユニットをつくることになりました。

 
映像を分配するだけなら、プロセッサーユニットは必要ないんです。ただ、ソーシャルスクリーンの機能は実現したかったですし、「シネマティックモード」もそうですね。

 
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シネマティックモードは、PS4の画面をそのままVR内に映し出す機能。PS4ゲームやBlu-ray、torneを介したテレビなど、PS4で映せるほぼすべてのコンテンツをPS VRで体験できる。テレビなしで、PS VR単独で動作するというのも大きな特徴になる。

 
—— シネマティックモードも今回発表した新要素ですよね(関連記事)。

 
吉田 あれはソーシャルスクリーンの逆の仕事をしてるんです。普通は、レンズに合わせて歪んだ右目用/左目用の映像をPS4でレンダリングし、それを受け取ったプロセッサーユニットがPS VRに表示しつつ、片目ぶんを受け取って引き伸ばしてテレビ側に戻しています。

 
一方、シネマティックモードは、普通のテレビ用にレンダリングした映像をプロセッサーユニットでPS VRのバーチャルスクリーン用に変換しています。「両方できるよね」という話から「PS4でできることは、VRの中でもできるのでは」ということになりました。それがプロセッサーユニットの起こりです。

 
前回の話のように「値段ありき」で進めていたら、この時点でアウトになっていた可能性がありますよね。そうではなくて、「VRを世の中に広めるためにはこれは必要だよね」というアツい議論を交わしています。ハードのチームも、みんなが楽しめるすごいゲームができるハードをつくろうというマインドなので、ウチ(ソフトウェア)のチームが直接話をするとすごく喜んでつくってくれる。それがひとつ大事でした。

 
THe PlayRoom VRは、PS VRにしかないソーシャルスクリーンの機能を見せるために、マルチプレイヤーに特化してつくる。それを無償で配ることで、多くの人に体験してもらい、繰り返しになりますが、ほかのデベロッパーさんも同様のものを作ってくれるのではないかという期待を込めています。

 
*次回はこちら

 
(TEXT by Minoru Hirota

 
 
●関連リンク
PlayStation VR
GDC 2016

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