「にじさんじ公式オフ会」開催 4人のバーチャルライバー出演や運営の思いなどを超レポート!

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「エンタメ経済圏を加速させる」がミッション

トークセッションでは、司会の方を交えて「にじさんじのこれまで」「今」「未来」という3つのテーマでにじさんじの思想が語られた。主要な会話を起こしていこう。文中の発言のうち、──は司会、()は観客のリアクションとなっている。

 
岩永 にじさんじが始まって3ヵ月ぐらいですが、オーディションを始めるもっと前とか、アプリをどうするかとか、そもそもの誕生のきっかけを知りたい。

田角 去年のYouTubeでバズっていたのが、Fischer’sのアニ文字で遊んでみた動画だったんですよね。そのアニ文字を使って何かできないかなと考えたのがきっかけで、にじさんじというアプリを一人でつくり始めました。

 

 
岩永 一人で?

田角 一人ですね。そこでデモみたいなのができあがって……というスタートです。アニメ業界がネットよりではないというか、みんなで二次元のアニメのこと話しながら横のコミュニケーションをつくっていくみたいな動きがなかったので、「じゃあこれって生配信で二次元の子とコミュニケーションできたら面白いかも」という考えでつくりました。ちょうど去年のねこますさんや輝夜月ちゃんがバズったタイミングですね。

岩永 当時、プロトタイプは「かにビーム」さんのキャラクターでつくってましたよね。そもそもオーディションして公式の配信者をつくろうと考えたのはいつでしたっけ?

 

 
田角 2017年の年末ですね。そもそも今、DUO さんがやろうとしている「IRIAM」のようなライブ配信アプリをつくろうとしていたのが、ねこますさんや月ちゃんがバズっているのを見て、もっと中の人エンパワーメントするアプリをつくらなければいけないし、早く出しちゃえということで公式バーチャルライバーのオーディションにつながっています。

岩永 そうね。ライブ配信のプラットフォームを中心でやって、一発ドカーンと当てられたらと考えていましたが、公式の配信者がいれば、自分たちのプラットフォームを使ってくれるわけだし、それはそれでいいよねみたいな感じで進めてたよね。オーディションをどうやったとかは、みんな知りたいところだと思いますが。

田角 それしゃべっちゃうんですか。1期生はほぼ僕がみてましたね。キャラを遵守しそうな人と……。

(爆笑)

岩永 「ヤバいなー」みたいな人と。

田角 最初に出すときに、配信者が人格乗っ取られるんじゃないかみたいな話もしてましたが、全然そんなことなかったですね。

岩永 まぁよくも悪くも。その1月の頭からオーディション走らせて、1ヵ月後の2月8日にスタートした。でも結構Twitterでいい線いってたよね。「もいもい」(モイラ様)が全員にリプライを送ったりとか。

──魂の300人。

田角 しかもフォローした人全部にリプライを返していたからね。自分への@に対して返信するのは当たり前だけど、フォローに対してだから。

(爆笑)

岩永 Twitterでフォローに対してそんな反応してるのはなんとかbotでしか見たことがない(笑)。あとは情報商材やっていて、いきなりDMを送りつけてくる人とか。

(爆笑)

田角 えるちゃんも動画を100本ぐらいあげてましたし。

 
岩永 そのライブ配信が始まってから今までについて何か感想ありますか? 僕の質問箱には「予想外ですか?」という話がめっちゃ来てまして、予想外って回答してほしそうな雰囲気なんですが……。

田角 期待よりはめっちゃ上って感じですね。予想外かというと微妙ですけど。

岩永 僕も1期生は8人もいたので誰かバズるだろうという期待は温度感としてあった。あとは世の中が得てしてそうであるように、チャンネル登録者数の差が最大で10倍ぐらい開くんじゃないかとも予想していたけど、そもそもの登録者の平均値が高かった。例えば、1000人と1万人みたいな数だと思っていたけど、全体的に10倍、20倍とかの印象。

 
──今日、調べて来たんですが、一番下でも2万7000です。

 

岩永 おー。最後に未来についてですが、にじさんじをこれからどうしたいですか? 個人的な話で、会社の経営者じゃなくて、ユーザーだったらどうしたいですか?

田角 こういうコミュニティーがもっと大きくなればいいなと思っていて、オフラインのイベントみたいなのをビックサイトでやりたい。それを目指してみんなの力をお借りしながら頑張っていきたいです。

岩永 結構「置き」に行ってますが、もっと私利私欲によせてもいいんですよ? もっとこういう配信が見たいとか。

田角 それでいうと……。

岩永 何配信を見てる?

田角 僕は「かざ」(森中花咲・もりなかかざき)ちゃん……。

(爆笑&大きな拍手)

岩永 かざちゃんに何配信をしてほしい?

田角 うーん、やっぱ月ノ美兎ちゃんとかが3D配信しているじゃないですか。もっと全身で動き回ってほしいというのは結構思ってるところです。

岩永 個人的には3D配信が見たいと。

田角 超個人的にいうとそうですね。

 
──ちなみに「エルフいわなが」は、ファンだったら何がしたいですか?

岩永 ぼくはゲーム実況がめちゃくちゃ好きで、「にじさんじゲーマーズ」は結構趣味でやっているんです。メンバーはゲームが上手いかどうかじゃなくて、よりeスポーツの司会的ポジションとか、タレント枠で詳しい人として番組に呼ばれるような人たちが出て来たらいいなと思って選んでいます。

例えば、サイバーエージェントさんが展開しているような公式配信での解説をバーチャルライバーがやれたらめちゃくちゃ面白いなと思っている。そういうのを見たいし、個人的にも仕事という体で行きたい(笑)。あとは経費でゲーム買ったりとか。「いやちょっと、ゲーマーズで『PUBG』のコートが必要で……」とか。

(爆笑)

 

岩永 個人はさておき、にじさんじ運営や会社としての未来はどうしていきたいですかね?

田角 それでいうとファンの獲得を目標においています。まだアニメ業界全体とにじさんじのファンは全然差があると思っていて、ユニークユーザーで30万ぐらいの今から、100万、500万と目指していきたいです。

岩永 どんなファンが嬉しいですか?ってユーザーの前で聞いてみなさんを仕向けるのもアレですが。

田角 結構厳しい話かもしれないですが、深夜アニメを見ていた人たちが流れてきてくれると嬉しいなと思ってます。

 
──1〜3時ぐらいにアニメを見ていた人たち?

田角 そうですね。あとは今、ひとつのアニメをつくりますとなったときに、声優やアニメーター、原作というつくっている側にあまりお金が入ってこないという状況があります。一方で、YouTuberみたいなネットで生計を建てられるクリエイターも出てきていて、そうした配信者やイラストレーターさんにお金を回したいというのが弊社の「エンタメ経済圏を加速させる」というミッションになっています。

岩永 かっこいい。

田角 2018年はそういう年だと思っていて、「pixivFANBOX」とかクリエイターにガンガン還元していきたい。「マッハ新書」でも、今まで書籍でクリエイターへの配分が売価の数%だったものがBOOTHを使って90%以上返ってくるとか、そういうのができる時代だと思っている。2018年はその移行の最前線で、ちょうどいいタイミングでいいミッションを掲げられたなと思っています。

岩永 ぼくはそれに結構共感していて、会社としてエンタメ経済圏を加速し、その配分がクリエイターに大量に還元しまくって、数%のおこぼれをもらうだけでも会社が成り立つぐらいの意識でやりたい。にじさんじのグッズでも、既存のLive2Dの絵を使ってつくれますが、絵師さんとやりとりする手間が発生してでも書き下ろしをお願いしたりとか、そういうのは細かいレベルで大事にしていきたいです。

 
──会社の利益優先というよりは、クリエイターと一緒に成長していけたらいいなということですかね?

岩永 そうですね。これからの話でいうと、にじさんじのメンバーがBOOTHでボイスデータを販売したことが影響して、個人のバーチャルYouTuberさんたちも使い始めたという流れが生まれましたが、そうした業界に与える影響がよくも悪くもあるなと。そこら辺の文化づくりも慎重かつ健全にできていければと意識しています。

企業さんの番組とかに出演するときも、しっかりとにじさんじメンバーが出演費で買い叩かれないようにしなければいけない。それはひいては個人のバーチャルYouTuberの相場感にもつながってきちゃう。なので僕らがしっかりと「この影響力だったら、これくらいの出演費って当然ですよね」と交渉していきたい。僕は前職がマーケティングでその感覚がわかっているので、リードしていかなければいけないと考えています。

 
──相場ごとつくっていこう、みたいな。

岩永 そうですね。そこらへんは業界全体を考えるにあたり、とても重要なことだと思っています。配信者もクリエイターも買い叩かれがちなので、これまでの業界がどうとかではなく、相場観をしっかりとつくりに行くぞということです。

それができるのは、ユーザーさんがちゃんと応援してくれるからなんです。スーパーチャットやボイス販売もありますが、TwitterでRTやいいね、コメントしてくれたりといった数字も企業はみています。なので、そこのリアクションひとつが、実はメンバーの相場をググッと上げていくわけで、みなさんの応援が必要なわけです。何卒よろしくお願いいたします。

 
 

にじさんじは固定費がかかっていない

もうひとつ興味深かったのは、中盤にあった質問タイムだ。Twitterで「#にじさんじ公式オフ会」のハッシュタグをつけて投げてもらった質問から、バーチャルYouTuberの引退と移籍について掘り下げていた。

 
岩永 これ相談したいやつで「いいね」がいっぱいあったのが、「引退もしくは移籍したいと申し出た場合の移行マニュアルはあるんでしょうか?」という話です。いや、実はにじさんじは存在するだけではコストがかかってないんです。

田角 だから運営できなくなりましたということがない。

岩永 月に1回配信するだけでも僕らとしては問題なくて、他社さんはわからないですが、僕たちの場合は限りなく引退とかを表明しなくても継続できる仕組みにしている、というのが今のところの回答です。マニュアルもないので。

田角 「入試があるのでやれません。でも1年後に復活します」でも全然アリだよね。

 
岩永 留学とかね。だからにじさんじの活動をやめると表明するケースは、めちゃめちゃ限られているのかなと思ってます。これがもし毎月いくらで契約していて、まったく動画投稿されないなら僕らも文句をいいたくなりますが、そもそもそういう仕組みでやっていない。

田角 そもそも固定費がかかっていない。

岩永 いったんにじさんじとしての回答はそうだけど、「バーチャルYouTuberの死」みたいな記事がありましたよね。

 
──つい最近も運営終了するので、移籍先を探していますという記事もありましたし。

田角 それはどうなんだろうね。

 
岩永 前代未聞過ぎて。ただ、会社として固定費としては出せないと伝えてにじさんじはやっています。最近話題になったやつは結構リッチなコンテンツでしたよね。

 
──そうですね3Dモデルもかなりお金がかかってそうでしたし。

 
岩永 あれは大人たちがめちゃめちゃ動いていそうです。それこそ今だったら色々なオーディションをやってますが、企業に所属する上でのメリット・デメリットの特色があって、配信者がどこを選ぶかという感じになって行きそうですね。

実際、芸能事務所でも、タレントへのバックが低くても、タレント同士のつながりやコミュニティーの運営が魅力だったりするところもあるわけで、じゃあそこでタレントがどの事務所を選ぶという話だと思います。

田角 だから僕らのメリットしては、こちらから終了することはないということです。

 
 

最後に田角氏が「ネットでの声しか聞くことなかったので、リアルでこんなに思ってくれてたりするんだというのを見て心にくるものがあります。これからもにじさんじ盛り上げて行きたいと思っていますので、よろしくお願いします」と挨拶して、2時間20分に渡るイベントに幕を下ろしていた。

 

両手で2、3を表す「にじさんじポーズ」で記念撮影! みなさん、お疲れ様でした。

 
 
(TEXT by Minoru Hirota

 
 
●関連リンク
にじさんじ公式オフ会「運営と話す会」
にじさんじ(公式サイト)

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