「かしこまり」初ライブレポート ステージ・客席の掛け合いが生むライブ体験に酔いしれた!

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バーチャルYouTuber(VTuber)「かしこまり」ちゃんは8日、都内のライブハウスにて自身で初となるライブ「KashikoMari First Live」を開催した。会場に集まった80人のファンを前に、マネージャーであるタンバリン姿の「パンディ」と一緒に約1時間10分にわたって9曲を歌い上げ、大喝采を浴びていた。

アンコール前の7曲まではYouTube Liveにて生中継され、同時接続数で約9000人という多くの視聴者が集まった。こちらは多くのVTuberも参加していたようで、当時の様子はTwitterの「#まりずむ」にて振り返ることができる。

PANORAでも現地を取材したためレポートとしてまとめていこう。ぜひ事前のインタビュー記事も合わせてチェックしてほしい。

 
 

感謝感激のまりちゃんに、燃えるパンディ

ここ数ヵ月、キャラクターの見た目なのに人間のように生々しく動き、親しみやすいネタを動画や生放送で披露してくれるというVTuberの勢いが止まらない。5月末には3000人を超えたこともあって、ますますバリエーションが豊富になってきているが、その中でもかしこまりちゃんは「歌うま系」なVTuberと言える。

最近でこそゲーム実況や飲みながらの生放送「ヨルタマリ」が目立つものの、今年2月からYouTubeに投稿してきた57本中、11本がカバー曲と歌への比重が高い。「ヨルタマリ」のエンディングでも生歌を披露していることもあり、その美声を堪能できるのではと今回のライブにも期待が集まっていたわけだ。

 

開場予定だった19時頃に現地に到着すると、10分押しているとのことで近くの路地に長蛇の列ができていた。

 

会場はバーカウンターがある後方までいっぱいで、移動するのも大変なほどの混雑だった。そのバーカウンターでは、アルコール/ノンアルコールのコラボカクテルも提供。

 

キャラクターのライブというと、初音ミクや超会議におけるキズナアイちゃんのように透明スクリーンに投影することが多いが、今回は通常のスクリーンに正面からプロジェクターで投影していた。

 

入場して待っていると、プロジェクターに電源が入って投影が始まり、ライブのロゴが映し出されて1曲目の「シュガーソングとビターステップ」が始まる。いつものパワフルな美声で見事に歌い上げると、「ありがとー楽しんでいこうねー!」とそのまま2曲目の「ヒトリノ夜」に突入。前奏や後奏では、「ヘイ!ヘイ!ヘイ!」と観客に呼びかけて一緒に声をあげるなど、一体感を高めていく。なお、映像は会場独自のものではなく、YouTube Liveと同じカメラアングルだった。

アップテンポな2曲が続いたあとの3曲目は、名バラードの「secretbase 〜君がくれたもの〜」。伸びやかな美声に聞き惚れて……といきたかったが、実は会場では機材の調子が悪かったせいか、1曲目から何度か映像・音声が止まる現象が起こっていた。

特にこのsecretbaseでは頻繁に瞬断していて、その都度、観客から自然と「がんばれー」という声援が飛ぶ。しかし無情にもまた止まると、今度は「パンディ気合入れろ!」「燃やすぞー!」となぜかターゲットがパンディに変わっていたのが面白かった。

 
3曲終わってのMCでは、「ありがとうー。ちょっとここでいつもの挨拶しよう! 改めて〜。みなさんこんにちはー!かしこまりですー!そして、マネージャーの……」「パンディでーす!」と動画で聞き慣れた挨拶を披露。さらに……

まりちゃん 最初ちょっとだけ遅れたのもごめんねー。みんな待っててくれてそれだけでももう泣けます。ほんとうにありがとうー。みんな見てるー。

パンディ ごめんね、ごめんねー。ちょっと止まるときがあるんです、ごめんなさい。頑張ってるから。みんな!パンディがんばってるから!「わーい」っていってね、せーの!

(観客「わーい!」)

パンディ いえーい! きてるわー。声出してるわー。ちゃんまりもやってみ?楽しいから。

まりちゃん いえーい!

(観客「いえーい!」)

パンディ いえーい!

まりちゃん なにこれめちゃ楽しいんだけど……!ありがとうありがとう嬉しいよー。

と素直に謝りつつも、会場やネット視聴者とのコール&レスポンスを楽しんでいた。

 

 
さらに楽しかったのは、まりちゃんとパンディの掛け合いだ。

パンディ なんかお花とかも届いてたよ、パンディびっくりしちゃったよ。

まりちゃん なんかオレンジと黄色のひまわりがさー、「ザ・ちゃんまり」ってかんじのお花が届いてて嬉しすぎる……。

パンディ 「ザ・ちゃんまり」なのかな?

まりちゃん (不機嫌そうに)何?

パンディ 「ザ・パンディズ」みたいな感じだったよ。ちゃんまりだとやっぱラフレシアみたいな……。

まりちゃん なんでー!お前なんなんだよー、最近よー!(笑)マネージャーなんだからもっとさー。

(会場から「パンディ燃えろー!」「燃やすぞー」の声)

まりちゃん 会場も「燃やすぞー」とかになってんぞー!

パンディ ふざけるなよぉ、パンディだってさあ……。

まりちゃん みんなちゃんまりの味方。ヒヒヒ。

パンディ 会場でも燃えろって言われてるし、コメントでも燃えろってさ、ひどくないかそれはー!

まりちゃん 燃えろー!

パンディ だいぶ燃えてるよ、パンディ。

まりちゃん 燃えてるもんねー。

といった流れで、パンディをいじる「燃え」トークに火がついていた。

 

そんな話題に上ったお花。

 
「今日の衣装かわいいでしょー」「かわいー!」などとやりとりし、MCが一通り終わると、「ちゃんまりが大好きなアニメの曲」として「一週間フレンズ」のエンディング曲「奏」を歌い始める。綺麗なメロディーにまりちゃんの美しいビブラートが乗って、来場者が自然と幸せに浸っていった瞬間だった。

その後のMCでコラボドリンクを紹介している最中、会場で映像がたまに止まっているというフィードバックを受けたのかパンディがまたしても平謝りモードに。

パンディ 会場ごめん、会場ごめん。ちょいちょい止まっているって、ごめんね。平謝りだ。すごくごめん。もういいよ、燃やしていいよ……。みんな燃やしていいから……。

まりちゃん 自ら燃えにいくの……。

パンディ もうしょうがない。今日はしょうがない。

まりちゃん でも自ら燃えに行くと、ちょと燃やしたくないんだよね。

パンディ そう?

まりちゃん わかる?

(会場から「わかる」の声)

パンディ じゃあ今後燃えに行けばいいんだね?

まりちゃん あっ、でもみんな燃やしてるよ?

パンディ なんなんだ一体……。

まりちゃん 本望でしょ、燃やされたかったんでしょ? よかったねー、よかったねー。

パンディ はいはい。もうキャンプファイヤーでもしようか。夏場はキャンプファイアーしよう。たくさんのパンディが燃やされて……。

まりちゃん やばいね。いっぱい燃えてるの。

パンディ その脇でBBQでもやったらいいんじゃない。もう断末魔の声をずっと上げておくよ。「ああああ、燃やされる……」って。

といった感じで、ピンチも2人で笑いに持っていっていた。「映像は止まっちゃったりしてるけど、魂はずっとそばにいるからね。一緒に楽しんで行こうねー!」と語るまりちゃん。

さらに「ちゃんまりの動画を見てくれている人が多いと思うけど、1曲持ってきたんだ。なんだと思う?」と会場・ネットに質問した上で、「星間飛行」を歌い始める。途中、まりちゃんの「いくよっ」という声をきっかけに、客席のみんなで「キラッ☆」と合わせていたのが印象的だった。パンディも「楽器として参加させてくれ! タンバリンで魂の演奏をする」と参戦し、映像がアップになると、コミカルな表情に会場から笑いが上がっていた。

 
気持ちよく歌い上げて、「みんな楽しんでるのかな? 私はすごく今楽しいよ!」とまりちゃん。さらにマクロスFつながりで「ライオン」のイントロが流れると、パンディが突然「ストップ!ストッープ!」と割って入る。なんと「あの……、パンディもやりたい」とのことで、シェリルパートを担当することになった。

 

もともとデュエット曲なので2人のほうが歌いやすいはずなのだが、まさかの容赦なし原曲キーだったため、パンディは終始高音が辛そうだった。ラスサビ前のソロでは音程が全然追いつかず、会場からも「パンディ頑張れー!」という応援が飛ぶ。最後に「なんで原曲キーなんやー!」とグチるパンディに、「みんなパンディを褒めてあげてー」とまりちゃんが声をかけると、会場から暖かい声援と拍手が上がっていた。ちなみにパンディも過去に「メルト」のカバーをあげています。

 

ちなみにステージは宇宙空間に漂っていた。このシチュエーションも「ライオン」っぽい?

 
その後のMCでは、まりちゃんが「ちゃんまりに『大好きー』といってほしいの。会場のみんなだけでなく、全世界のみんなもパソコンの前からいってー」とお願いして、「ちゃんまり、大好きー!」と掛け合い。

さらに「今日も色々リハーサルから大変だったんだけど、こうやってがんばってよかったよー。みんながきてくれたおかげだよー! ありがとうー!」と感謝の言葉を口にして、ラストの「ありがとう」を独唱し始める。

6曲歌っても相変わらずパワフルさが衰えない歌声に、アコースティックギターの暖かい音色が合わさって、聴く側の体に心地よさが広がっていく。これまでも何度もお礼を口にしてきたまりちゃんだったが、「ありがとう」の間奏でも「今日ライブができたのは、みんなのおかげだよ。本当にありがとう」と嬉しさを伝えていた。

曲の終わりに近づくにつれて、まりちゃんが少しずつ涙声になっていったのは気のせいだろうか。最後に「今日は本当にありがとうございました。これからもたくさんがんばるので、応援してください。本当にどうもありがとう。かしこまり、そしてパンディでした」と挨拶して、生放送側はエンディングを迎えた。

 

そこから会場では、5分ほどの休憩を経て「カタオモイ」でアンコールがスタート。MCでは「特別だよー。会場にせっかくきてくれたのに、なんだよーと思っている人もいるかもしれない。止まっちゃったりしたからさ、みんな怒ってない? 怒ってない?」と語りかけている最中に止まる奇跡が起こり、また「パンディ燃やすぞー!」とのヤジも飛ばされていたが、それでも2人が音頭をとって客席と一緒に乾杯したりとライブの一体感を醸成していた。

ラストの「Lemon」を安定の美声で歌い上げたのち、「最後みんなで飛ぶよー! せーの!」とジャンプして1時間10分ほどの宴に幕を下ろしていた。

 

会場ならではのうれしい要素としては、まりちゃんとパンディーが見送りしてくれたという点。縦置きにした液晶ディスプレーに2人が登場し、マイクで話しかけて会話できるというサプライズで、来場者はライブの感想を語ったり、一緒に写真を撮ったりと思い思いに楽しんでいた。

 

まりちゃんの直筆メッセージ入りカードも会場ならではの要素。ほかにもグッズとしてステッカーと缶バッヂを販売していた。

 

掛け合いが生み出す「そこにいる」という感覚

ライブを見るにあたって個人的に気になっていたのが、従来のキャラクターライブとの違いだった。初音ミクに関しては、2009年のミクフェスを皮切りに、アニサマロサンゼルスのMIKUNOPOLISなど多数を取材。DMM VR THEATERの「アイカツ」シリーズ闘会議のスプラトゥーンなど、ほかの作品に関してもキャラクターライブを体験してきたわけだが、それがVTuberになると何が変わるのか。

そのひとつの答えは、対話できるという点だろう。一般的にライブの醍醐味といえば、その場にいるみんなと気持ちがひとつになっていく「一体感」で、特にステージと客席の掛け合いが重要になる。

過去のキャラクターライブでは、あらかじめレンダリングした動画を流すだけというものも多かった。その場合、MCパートはかなり慎重につくることになるが、例えば歓声を受けて言葉を返すタイミングなど、現地の観客にあわせて即座にキャラの反応を変えられずに一瞬、興奮が冷めてしまう違和感も起こっていた。

一方、今回のライブはすべてリアルタイムレンダリングで、まりちゃんたちがステージ前に置かれたカメラを通じて観客の様子をきちんと見ていた。その仕組みで観客と一緒に声を出したり、「燃やすぞ」トークで会場の声を拾ったりと臨機応変に対応できたおかげで、2人がそこにいて、一緒に盛り上がっているという感覚があった。

特に筆者が強くまりちゃんの存在を感じたのは、「ありがとう」で歌詞を間違えたのか、歌声につまって直後に微妙にはにかんだ声を出した瞬間だった。またMC中、何も持っていない手を口元まで持って行って、「水を飲んだのかな?」と思わせたシーンも生々しかった。超会議の超バーチャルYouTu”BAR”レポートでも書いたが、この非言語的な痕跡がアニメやゲームのキャラとは違うVTuberの魅力といえるだろう。

そんないいライブ体験があったからこそ、今回、頻繁に映像が止まっていたのが残念だった。またタイムラグのせいか、客席の声に2人が反応するのが遅れることもあったのも若干気になったところだ。

とはいえ、VTuber単独、しかも技術的にも課題があったであろうファーストライブで、リアル・ネット共に大きな熱狂を生み出せたというのは可能性しかない。次はぜひまりちゃんのオリジナル曲を用意し、より大きな箱を抑えて、セカンドライブでさらなる熱狂をリアルにもたらしてほしいと率直に感じた取材だった。

 
●セットリスト
・シュガーソングとビターステップ(UNISON SQUARE GARDEN)
・ヒトリノ夜(ポルノグラフィティ)
・secretbase 〜君がくれたもの〜(ZONE)
・奏(藤宮香織、スキマスイッチカバー)
・星間飛行(中島愛)
・ライオン(May’n/中島愛)
・ありがとう(いきものがかり)

*会場のみアンコール
・カタオモイ(Aimer)
・Lemon(米津玄師)

 
 
(TEXT by Minoru Hirota

 
 
●関連リンク
かしこまり(YouTube)
かしこまり(Twitter)

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