299ドルからの「Telepathy Walker」 アプリ開発者が語るARの魅力と課題

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以前にもお伝えした通り、テレパシージャパンは2016年1月に新型のARグラス「Telepathy Walker」を発表した。アイウェア型のウェアラブルデバイスで、OSはAndroid、960×540ドットのディスプレーやカメラなどを搭載している。4月4日現在、Kick Starterにて出資受付中だ。

 
一方、ハードウェアは、役にったり面白いアプリがなければ、その魅力が存分に活かされない。Telepathy Walkerには、どんな活用方法が考えられるのか。同製品を先行試用している開発者の1人であるRiftup(@WheetTweet)氏にインタビューし、アプリづくりの印象やARグラスにかける思いを語っていただいた。

 
 

マイノリティレポートのような世界を実現したい

 
Riftup氏は、Oculus Riftを始めとしたVRのコミュニティーで開発者として活躍する人物。VR向けのゲームや、ユーザーインターフェース(UI)体験アプリを開発し、何度か展示会に出展して好評を博したとのこと。

 

モーションコントローラを使った、シューティングゲーム「Tempulus」

 

VRでの360度Webブラウジング体験「Unbounded Space3」

 
Riftup氏によれば、「マイノリティレポートのような未来体験を実現したい」という想いがVR向けアプリをつくる動機のひとつになっているそうだ。しかし、映画やアニメのような未来体験をする場合、椅子に座ったり、部屋を歩くといった限られた空間であればVRの方がより高度な体験を実現してくれるが、日常生活で使うとなるとARの方が適している。
そんな中、ARグラス向けのアプリを検討していたテレパシージャパンより声がかかり、ARによる未来体験実現の第一歩として、先行試用することになったという。

 
 

ARグラスの特徴 「移動できる」アプリを開発中

 
——これまでVR向けが中心でしたが、AR向けアプリはどのような違いがありましたか?

 
Riftup Telepathy Walker向けには、シューティングゲームを試験的に開発していますが、位置情報などを含むセンサーを使うところが大きな違いです。
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Riftup氏が開発中のShootUnit(仮)。位置情報を活用し、特定の場所で発生するイベントをクリアしていくゲームだ。

 

開発時の画面。Unityを利用している。

 
Riftup VR向けアプリでは、見る方向によって映像が変わりますが、あれはVRゴーグルのセンサーを使うことで実現していて、開発元のOculusなどは開発者がすぐに使えるように基本機能として準備しています。一方、ARグラスではそうした機能がなくても使えるので、必要な場合は自分でつくる必要があります。

 
また、VRでは基本、あまり動かないので位置情報は不要ですが、ARであれば移動した使い方ができる。そうした特徴である位置情報を活用したいと思っています。

 
—— これからTelepathy Walkerのアプリ開発をする場合、どんな準備が必要でしょうか?

 
Riftup Telepathy WalkerはAndroidを搭載しているので、Androidアプリを開発するための環境を使うスキルがあれば、特別な準備は不要です。VR向けアプリの開発者にはUnityを使う人が多いですし、スマートフォン向けアプリ開発者ならばCocos2d-xXamarinなどが有名です。

 
もちろん、Android Studioも使えますので、幅広い開発者が自由に開発できるようになっています。

 
—— Telepathy Walkerへの要望はありますか?

 
Riftup 一点注文をつけるとすれば 、Oculusのように各種センサーの制御ができた状態になっていると、開発者はゲームの内容やグラフィックなどに集中しやすくなると思います。Telepathy Walkerの体験者からは、思った以上にきれいでくっきり見える、という感想が多いと聞きます。きれいに見えるディスプレーがあるので、それを活かすアプリを作るためにも、センサ制御のしやすさの検討をお願いしたいです。

 
——VRやスマートフォン向けアプリ開発者にとっては、気軽に新たな視覚体験を摸索できそうですが、現状ARグラスの市場はまだ小さいと思います。今後はどうなると予想していますか?

 
Riftup 確かに、まだ一般消費者向けの市場はでき上がっていないと思います。その理由のひとつは、価格ですね。VRもARも、10万円前後のデバイスを購入するというハードルは非常に高い。どんなにすごい体験ができても値段が高いと普及は難しいと思います。その点では、299ドルから購入できるTelepathy Walkerは、第一のハードルをクリアしています。

 
2つ目の理由は、使い方が定まってないことです。VRはゲームを中心とした市場ができつつありますが、GPSやセンサーを駆使することでARでも新しいゲームの市場がつくれるということで、先に挙げたアプリを開発しています。ゲームに限らず日常生活でも使える可能性があるという点で、潜在的なARの市場は大きいはずです。

 
消費者だけでなくアプリ開発者も重視し、オープンで、透明性の高いプラットフォームを設計することが、ARグラス飛躍の肝になるのではないでしょうか。

 
——最後に今後の開発予定やアイデアについて教えてください。

 
Riftup VRは室内で楽しめるゲーム、ARは室外だからこそ出来るゲームと思います。室外でできるゲームはまだあまりないので、今回紹介したゲーム「Shooting Unit」の開発を引き続き進めていきたいです。また、マルチプレイヤーゲームをARグラスでやった例は他に見ないので、複数人参加型のゲーム開発にも挑戦したいと思っています。

 
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Telepathy Walkerを装着するRiftup氏

 
 
●関連リンク
Telepathy Walker(Kick Starter)
テレパシージャパン

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