侵略宇宙人VTuber・銀河アリスの不思議な魅力 アホアホの裏に隠されたSF設定が「最高じゃないか!!」

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「ごきげんようです、地球人類さん! 侵略宇宙人、銀河アリスです」

宇宙人のテクノロジーはすごい。なので、地球人類は宇宙人に侵略されると幸福になる。侵略宇宙人は、地球を侵略して地球人を幸福にするために地球のことを学んでいく。バーチャルYouTuber(VTuber)「銀河アリス」の物語は、こんな形で動画投稿を通じて紡がれていく。

VTuberの中には、設定やストーリーを明確に持っているものも少なからず存在している。その中において銀河アリスは、明確な設定を背景にしながら、アホアホ(失礼!)な動画や生放送を配信しているという、ギャップの大きい独特の存在だ。今回はじょじょに人気が出つつある、この侵略宇宙人の魅力を解説する。

 

アホアホだけど、いつだって自信満々

前述したように、銀河アリスのコンテンツは基本的に「地球を侵略するため、地球の知識を獲得していく」という形式で進む。彼女とアシスタントである猫型ロボットの2人1組で、猫型ロボットが様々なクイズやお題を出し、銀河アリスが回答していくというスタイルだ。活動の場は動画が主で、たまに生放送も行っている。

自己紹介動画に続く最初の「侵略」の様子は、こんな感じだ。

 

 
猫型ロボット「クロ」は地球に関するテストを出すのだが……。

クロ 地球の人口は、何人?

アリス 200万人。……間違えた、それは日本だ。

クロ 違う、日本でもない。

 
クロ 地球ができたのは何年前?

アリス 2018年前。

 
クロ 北半球に自分がいるとき太陽はどの方向から昇る?

アリス そんなの……、好きなようにくるよ。

 

お分かりだろうか。銀河アリスさんは残念ながら地球のことをよく知らない。宇宙人だから知らないのである。仕方ないことなのだ。

彼女はとにかく物を知らないのだが、やけに自信満々である。例えば「絶対に宇宙人だとバレない方法を教えてください」というお題に対しては、こう答えていた。

 

 
アリス 名刺とかあるじゃん? 社会人の人とか渡すじゃん? 「出身地:地球」って書いとけばいいの。余裕。

 
お分かりだろうか。終始こんな感じである。

 

たとえ回答が間違っていても「私はそうやって習ってきたよ!」などと反論し、正しいのは自分で当然、相手が間違っているのだと言わんばかりの勢いでしゃべり倒す。要するに銀河アリスとは、こうした「アホアホ侵略宇宙人・銀河アリスのボケに、猫型ロボットが突っ込んでいく、漫才・コント型動画」を主軸としたVTuberキャラクターである。

アシスタントキャラクターを配置したり、最初から2人で登場したりする、いわゆる掛け合い型のVTuberは、富士葵とキクノジョー、かしこまりとパンディ、おめがシスターズなど、何組か存在している。彼女もその系譜であるが、より「地球侵略のために地球のことを知っていく」という設定をベースにした漫才・コント型のVTuberと言えるだろう。

 

しゃべり方も魅力のひとつだ。時折、「ありがとーごぜーやす!」「最高じゃないか!!」「なんてこったい……」「セクシーやろがい!」などなど、可愛らしい容姿と声からは意外なほどべらんめえ調で話す。それがまた可愛くて、面白いのである。

 

 
銀河アリスはいつだって自信満々で、ちょこまかぴょんぴょん動きながらにこやかにトンデモ解答を繰り出してくる。疲れたとき、頭を空っぽにしたいときに、ちょうどいいVTuberだ。

ちなみに、この銀河アリスのアホアホ解答の数々、当初は筆者も「さすがに脚本だろう……」と思っていたのだが、生放送でもまったくブレない姿を見せつけていたため、最近は「もしかして素でこれなのか……」と諦め気味である。

 

 

バレエで培った体力とダンスパフォーマンス!

とはいえ、彼女の魅力はそれだけではない。例えばとにかくよく動く。めちゃくちゃ動く。しかもまったく息切れしない。

動画だけでなく、生放送でもとにかく動き回るし、まったく疲れた様子を見せない。DA PUMPの「U.S.A.」を踊ってみた動画では、その体力とダンスの上手さを見せつけてくれる。恐らく作り込んだモーションではなく、本当に踊ったものをキャプチャーしていると思われる動きだ。

 

 
このようなことからも分かるように、彼女は明らかにダンス経験者で、実際、クラシックバレエ経験者であると本人も言っている。足もよく上がる。

 

 

3Dモデル型VTuberの場合、体の動きは大きな魅力のひとつだ。そういう意味で、銀河アリスはとても「3DVTuberらしい存在」であると言えるだろう。

そんな彼女にお題を出し、ツッコミを入れる猫型ロボットにも注目したい。今のところ、猫型ロボットは「アオ」「クロ」「パープル」「オレンジ」「イエロー」「ピンク」「スカイ」「ワイン」「グレー」が確認されている。それぞれ違った性格をしており、男もいれば女もいて、アリスに対する採点も甘かったり辛かったりとさまざまである。

 

 
生放送第3回では、どの猫型ロボットが登場するだろうかと楽しみにしていたYouTubeのチャット欄をあざ笑うかのように、なんと初出演となるイエローが登場して視聴者を驚かせた。「アリスもいったい、何体いらっしゃるのか、全然わかってないぞ」と言うように、今後どれだけ増えてしまうのか楽しみだ(その都度、声を当てる人も増えていくわけで、何を考えたらこんなふうに「相方が増えていく」という設定で進められるのかさっぱり分からないが……)。

 

「推定DD012A4960935E477+秒を要する〈封印〉エリアの奪還も大幅に前進する可能性が高まりました」

このように、基本的にアホアホな銀河アリスだが、2018年6月19日未明、Twitterアカウントで不穏なつぶやきをしたことでも話題を集めた。

 
同じく2018年7月1日未明にも不可解なツイートをしている。

 
いずれも朝になると銀河アリスは「何事もなかったように」普段通りのツイートを始める。深夜の謎のつぶやきは彼女自身ではなく、なんらか別の存在が送ってきているメッセージのように見える。

極めてSF的な一連のツイートは、それまで彼女をただのアホアホ宇宙人VTuberとして見ていた視聴者を大いに驚かせた。この侵略宇宙人、どうやら「なんらかのSF的な裏設定がある」ようなのだ。

実のところ、銀河アリスは、TRPG系でよく知られている田中天さん、矢野俊策さん、中村やにおさんが関わっていることが公開されている。

VTuberが持つ「設定」を元にした「ロールプレイ」のあり方にTRPGの文脈を見い出せるとすれば、こうしたメンバーが関わっている銀河アリスは、ある意味で極めてVTuberらしい存在とも言える。SF的な裏設定がしっかり存在しても、まったくおかしくないのだ。もっとも、現段階において、こうした思わせぶりな展開はTwitterのみで、動画や生放送には現れていない。

はたして銀河アリスは何者なのか。彼女の「侵略」が達成される日は来るのか。地球人類として、彼女のアホアホな動画や生放送を見ながら、侵略されて幸福になれる日を楽しみに待ちたい。

 
 
(TEXT by みね)

 
 
●関連リンク
銀河アリス(YouTube)
銀河アリス(Twitter)

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