HTC Viveの展示ではベースステーションの混線にも注意 「黒いパーティション」で対策すべし

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Oculus RiftのOculus Touchに先行して、ハンドコントローラー付きで出荷を迎えたPC向けVRゴーグルの「HTC Vive」。国内でもVRデモの展示でも見かけることが多くなってきたが、ここ1、2ヵ月で急速に開発者に受け入れられてきたこともあって、運用のノウハウがたまっていないところもある。

 
「ユーザーの位置を検出してくれる2基のベースステーションを揺らさないように注意しよう」という話は、以前の記事で語った通りだ。さらにここ数日、Lighthouseベースステーションの向きに気をつけないとレーザーが混線してしまうことが開発者の間で話題になっている。

 
例えば、米国サンノゼで4月27〜29日に開かれていたVR専門イベント「SVVR 2016」の展示会場でもViveによる出展が多かったようだが、黒い布で隣同士のブースを区切っているにも関わらず、近くのブースのレーザーを拾って誤動作していたようだ。

 
4月29、30日、幕張メッセで開催されたniconicoの祭典「ニコニコ超会議2016」においても、VRの展示が集まった「超VRアトラクションズ」のインディーズエリアにて、隣との仕切りがあまりなかったため、Viveの展示でレーザーが干渉するという問題が起こっていた。

 
そもそもHTC Viveのポジショントラッキングの仕組みはどうなっているのかというと、ベースステーションからレーザーを発して部屋全体に照射し、ゴーグルやハンドコントローラーに埋め込まれたセンサーでその光を検出して位置を特定する流れになっている。

 
もう少し詳しく説明すると、ベースステーションでは赤外線LEDが全灯→水平方向にレーザーが走る→赤外線LEDが全灯→垂直方向にレーザーが走るという動きを繰り替えしている(まさにLighthose、灯台だ)。この最初の全灯を基準にし、次に来るレーザー光がどのタイミングでセンサーに検出されたかで位置がわかる仕組みだ。Oculus RiftやPlayStation VRでは、ゴーグル側が発信するLEDをカメラでとらえて位置を検出しているが、ある意味その逆といえる。さらなる詳細は、佐藤カフジ先生がGame Watchに寄稿しているこちらこちらの記事を読んでおこう。

 

 
意外に思えるかもしれないが、ベースステーションはレーザーを発信しているだけなのでPCとは繋がれていない。Viveのベースステーションはゴーグルと1対1でセットというわけはなく、例えばベースステーション1組に対してViveのゴーグルを3台といったように、複数台での運用も可能だ。

 
というわけで、イベントなどで同じエリアに複数台のViveを置いた場合、何かのタイミングで自分のベースステーションのレーザーをロストしてしまい、運悪く他のベースステーションのレーザーを拾ってしまうと、「動かねーじゃねーか!!」というトラブルにつながってしまうわけだ。

 
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そういえば筆者も今年2月に開催した「VRまつり 2016」にて、HTCからViveの展示用に「パーティションを用意して区切ってください」という要請を受けたことがあった。

 
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これも2月に取材した「Vision VR/AR Summit」のデモブースの様子。パイプ+黒い布の構造だが、なるべく入り口側も覆うように工夫している。

 
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東京お台場にあるバンダイナムコゲームスのVRアトラクション施設「VR ZONE Project i Can」でも、混線を避けるためにベースステーションの向きに非常に気を使って配置しているとのこと。写真の鉄道シミュレーターである「トレインマイスター」では、ベースステーションを囲ってレーザーが特定方向にしか照射されないように工夫していた。

 
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超会議でも、超VRアトラクションズのメーカーズエリアでは、2mを超えると思われるパーティションで入り口以外の四方を完全に覆っていた。

 
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ついでにいえば、パーティションの色は光を反射しやすい白ではなく、吸収しやすい黒のほうがいいとのこと。完璧じゃないか。

 
パーティションを用意しにくい場合、展示の数だけ小さな会議室を借りるという手段もあるかもしれない。一方、空間を歩かない、座ったりその場に立って遊ぶコンテンツを展示する際には、Viveの展示場所だけまとめてベースステーションを1組だけに絞るという対策もアリだ。事実、「乖離性ミリオンアーサー」の展示ではベースステーションをまとめていた(関連記事)。

 
というわけで、Viveを展示する際には、最高のVR体験を実現するためにベースステーションの振動と混線に注意しておこう。

 
(TEXT by Minoru Hirota

 
 
●関連リンク
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