フロム脳を刺激する……! 温かくも不思議なVRアドベンチャー、PS VR「Déraciné」レビュー

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寄宿学校の人々

寄宿学校に暮らす人間と動物たち。「Déraciné」は、彼らと妖精の交流を描く物語である。ここで少し彼らのことを紹介しよう。

 
●ユーリヤ

妖精の最初の友達。少しいたずら好きな、ハーブに詳しい少女。初めから妖精の存在を信じていて、妖精に語り掛けたり、他のみんなが妖精を信じてくれるように一計を案じたりと、親身になってくれる。

 
●ロージャ

赤い髪に白いリボンが特徴的な小さな女の子。恐らく学校で最年少。妖精を捕獲しようとしたりするなど、なかなかにやんちゃな性格。足に大きなけがを負っているようだが……。

 
●ニルス

本をよく読んでいる、メガネの勤勉な少年。初めは妖精の存在を快く思っていないようだが、ある出来事をきっかけにして心を開いてくれるようになる。

 
●ルーリンツ

見た目通りのおおらかな性格の、みんなのお兄さん的存在の青年。ユーリヤのハーブ入りシチューを食べて倒れたり、くしゃみをした拍子にズボンが破けたり、何かと可哀想な目に合うことも。

 
●ハーマン

帽子がトレードマークの少年。お気に入りの帽子の下には、色々なものを収納している。ルーリンツと共に妖精を歓迎するために色々尽力してくれる。

 
●マリー

綺麗なウェーブ掛かった金髪を持つ少女。面倒見の良い性格のようで、学校の雑務を積極的に引き受けたり、幼いロージャを気にかけたりする様子が見られる。

 
●校長

眠っていることが多い、年老いた車いすの校長先生。どうやら学者らしい。妖精についてよく知っているようだ。何らかの過去の出来事を悔いているような言動も見受けられる……。

 
●ダニー

学校で飼っている犬。おとなしい性格のようで、学校の中庭の、デッキの下の狭いスペースがお気に入りの居場所らしい。

 
●ティア

学校にいる不思議な黒猫。明らかに、妖精であるプレイヤーの事を認識している。妖精は猫が苦手で、ティアの居る場所には近づくことができない。

 

「妖精」の不思議な力で子どもたちと交流しよう

次は実際のストーリーの一例を紹介しよう。これは、学校の子どもたちに妖精の存在を信じてもらうため、それぞれが隠したハーブを探し出して料理に混ぜてしまういたずらをする、というストーリーチャプターだ。

 

▲ちなみに、いたずらの発案者はユーリヤである。

 

▲まずキッチンに行くと、ルーリンツがシチューを作っているのを発見。彼はハーブを隠すでもなく、分かりやすく首から下げている。

 

▲そのハーブを取って、シチューに入れると……

 

▲一瞬、少し味が変わっているのを感じた様子。5人分のハーブを集めてこのシチューに入れるのが今回の目的。

 
キッチンを出て、次は学校の最上階、時計塔に登ってみる。そこには、赤い箱をのぞき込むロージャの姿が。

 

▲ロージャはこの箱の中にハーブを隠したらしい。箱を開けようとするが、鍵がかかっていて箱が開かない。

 

▲仕方ないので、下に降りて玄関に向かう。そこでマリーとダニーの幻影を発見。

 

▲幻影を調べると、残った言霊から、マリーのハーブはダニーが身に着けているらしいことが分かる。

 
玄関から外に出てみると、そこは広い中庭となっている。周りを探索すると、手作りのブランコがつり下げられた、一際大きな木が生えているのを見つける。

 

▲よく見ると、その上に人影が。

 

▲登ってみると、ハーマンが木の枝の上で寝ている。帽子をとってみると、そこには彼のハーブが。これでルーリンツのものと合わせて2つのハーブを発見。

 

▲さらに中庭の探索を進めると、ハーマンの幻影を発見。中庭に設置されているデッキの下をのぞき込んでいる。

 

▲しゃがんで奥に入ると、そこにはダニーが。首輪についているのがマリーのハーブだ。これで3つ目。

 

▲中庭のまた別の場所を探索してみると、ロージャとニルスの幻影を発見。2人の会話から、ニルスのハーブはロージャのものと一緒に宝箱の中にいれていること、宝箱の鍵はニルスが持っていることがわかった。

 

▲ニルスを探していると、1階の教室で本を読んでいる彼を発見。

 

▲ポケットに入れていた鍵を拝借。

 

▲鍵を持って再びロージャの居た時計塔に向かい、先ほど手に入れた鍵を宝箱に使うと……

 

▲宝箱が開いて、ニルスとロージャ、2人分のハーブが手に入る。これで5人のハーブを全て手に入れたことになる。

 

▲キッチンに向かい、シチューに集めたハーブを投入する。

 

▲全てのハーブを入れると、なんと味見をしたルーリンツが倒れてしまった。シチューからは何か緑色の湯気が出ている……

 

▲一体なにを入れたのだろうか……

 
このチャプターでは、これで全ての目的を達成したこととなる。チャプターをクリアすると、妖精の持つ「時振計」を表示した際に「時の振れは定まった!」と表示される。

 

▲この状態になると次のシナリオに進める。

 
この状態で時振計を両手で包むと、次の時、即ち次のチャプターに進んでいける、という流れとなっている。

 
妖精は、止まった時の事象に干渉すること、そして異なる時間に移動することが可能だ。またそれだけでなく、「命の時間」を奪ったり、与えたりすることができる。

それは時間をさかのぼって過去を変えたり、命をなくしたものに「命の時間」を与えたりといったことも可能にする。この力をどのように使い、子供たちとどのように絆を紡いでいくのか。それは是非、実際にプレイして確かめてみてほしい。

 
次ページ:「フロム脳」を刺激する、温かくもミステリアスな物語
 

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