エアだけど、エアじゃない! VRでドラムが練習できる「The Music Room」を試してみた【SXSW 2017】
米国時間の3月10〜19日、テキサス州オースティンにて開催されているクリエイティブコンテンツの祭典「SXSW 2017」。メインの展示会場となっているオースティンコンベンションセンターを中心に、街のホテルや店舗、オフィスにて展示や講演、勉強会が行われている。今回はその中のひとつであるCapital Factoryが主催する「VR Lounge」で見つけた「The Music Room」を紹介しよう。
狭い日本の住宅事情にぴったり!
どんなものかはまず動画で見ていただくと理解しやすいかもしれない。
プレイヤーがHTC VIVEを装着すると、まず目の前にドラムセットが出現する。そして両手に持ったVIVEのコントローラーがスティックになっており、コントローラーを振ることでドラムを叩いて音が出るという仕組みだ。
2017年1月に開催されたNAMM Showにてデモしたものをまとめたもので、プレイヤーの姿とバーチャル世界で見えるドラムをクロマキー合成している。
クロマキー合成についてだが、写真右にあるモニター左下にカメラがあって、プレイヤーを撮影している。カメラにはVIVEの位置トラッキングシステムである「Lighthouse」に対応したトラッカーがつけられており、実映像とバーチャル空間のCGの見える方向を合わせている。グリーンバックをキー色にして人物を抽出してCGと合成すれば、現実空間にいる人がまるでVRのなかに入っているように見えるのが便利だ。
VRの空間ではこのように見えるが、実際はエアドラムだ。
実際にプレーしてみたが、バーチャル空間のドラムを叩いた際のフィードバックは、現実のドラムセットがあるわけではないので、コントローラーの振動のみになる。しかし、スティックとドラムが当たったあとに音を出すタイミングなどを細かくチューニングされており、まったくドラムを演奏したことがない筆者でもまるで本物があるように演奏することができた。実物がなくても練習が可能という、日本の住宅事情にぴったりなコンテンツだろう。
また、ドラムだけでなくハープなど、音色の異なる楽器も演奏可能だ。
プレイするときはVIVEとコントローラーを使うだけでなく、一般的なMIDI規格に準拠しているので、キックペダルのようなコントローラーも使えるとのこと。
気になるお値段は129ドル!
このコンテンツは2016年8月に発売しており、価格は129ドルとなっている。キックペダルなどを使う場合は別途購入が必要だが、汎用的なものを扱えるようにしたとのことなので、それほどお金はかからないはず。HTC VIVEユーザーで、ドラムに興味があるならぜひ購入してみよう。なお、そのうちOculusRift CV1も対応予定とのことだ。
販売場所はVIVEで一般的なSteamではなく、公式サイトの画面でメールアドレスを入力して、クレジットカードやPayPalなどの支払い方法を選んで、手順に沿って手続きを進めるだけだ。
主催元は投資家との仲介を担うCapital Factory
Capital Factoryは、SXSW会場であるテキサス州オースチンに拠点を置き、スタートアップ企業向けのコワーキングスペースの提供、起業家と投資家をつなぐマッチングの役割を果たしている存在だ。ウェブサイトを見ると、今回のVR Loungeだけでなく、年5万人以上の起業家、プログラマー、デザイナーが集まるそうだ。実際、サイトでは毎日のように様々な勉強会が行われている。今回はHTCと協賛しており、The MusicRoomVRは、HTCから展示依頼されて出展したという。
そのCapital Factoryには、Metaによるシースルー型のARゴーグル「Meta 2」も展示していた。別途レポートしていく予定なので、乞うご期待。
*SXSW 2017まとめページはこちら!
(Text by Riftup)
●関連リンク
・The Music Room VR
・Capital Factory
・Capital Factory主催のVR Rounge