199ドルの一体型VR「Oculus Go」を初体験! DK1の感動を思い出す「普通にいい」がスゴい【GDC 2018】

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米国サンフランシスコにて19〜23日に開催しているゲーム開発者向けイベント「GDC 2018」。今回は、EXPO会場のOculusブースにて、初めてデモが提供された一体型VRゴーグル「Oculus Go」を中心にレポートしていく。

 

安価だけど、厳選された性能と操作性

Oculus Goは、PCやスマートフォンを別途用意せずに単体で動作する一体型のVRゴーグルだ。昨年10月の開発者向けイベント「Oculus Connect 4」にてお披露目し、今年前半に発売予定となっている。

 
【詳報】一体型「Oculus Go」が来年早期に199ドルで! Riftも5万円に値下げ! OC4基調講演まとめ(ハード編)

 
その特徴といえば、何と言っても199ドルという価格にある。

同じOculusでいえば、サムスン電子と共同開発した「Gear VR」はゴーグルだけで129.99ドル(日本では1万円台後半)で、Galaxyシリーズのスマートフォンも別に買う必要がある。Oculus Riftも399ドル(5万円)とずいぶん安くなったが、こちらもゲーミングPCを持っている前提。その点、Oculus Goは、これ1台を買うだけでVRを始められるのがメリットだ。

もちろん市場には数千円のスマートフォン向けVRゴーグルもあるものの、さまざまな端末で使えるように設計しているので、頭を回した際の映像の追従性など、体験の質を突き詰めるにも上限がある。また、かぶるたびにスマホを操作してゴーグルにはめ込む……というのは、やはり面倒に感じる人も多い。専用設計のOculus Goなら、表示品質も作り込めて、電源を入れてから最低限の手間でVRコンテンツを遊べるわけだ。

もちろん完璧なわけではなく、処理や描画の性能がモバイル同等なので、光や影の表現などでPC向けVRゴーグルには劣ってしまう。位置トラッキングの仕組みも用意しておらず、同じ一体型の「VIVE FOCUS」や「Mirage Solo」のようにものに近づいたり回り込んだりすることはできない。とはいえ、今まで199ドルではVRを始められなかったわけで、その価格帯に切り込んだインパクトは大きい。

そんな前提を踏まえた上で、VRは体験してみないと良し悪しを判断しにくい部分が大きいので、GDCにおけるOculus Goデモ体験に注目が集まっていたわけだ。

 

本体正面。Oculus Goは昨年11月より一部の開発者向けには提供されているが、一般やメディア向けにはこれが初披露となる。どちらかといえば男性向けな外観デザインのOculus RiftやGear VRに比べて、中性的になっているのも特徴だ。

 

ちなみにディスプレーの解像度は2560×1440ドット。レンズも独自に作り込んでいる。

 

その構成はとにかくシンプルだ。上部には中央に電源、左手側(写真では右側)に音量のボタンを用意。

 

左側面には、マイクロUSB端子とヘッドホンの端子が見える。

 

右側面は……何もない。

 

底面。鼻の部分は、日本人にとって割と空き気味だ。

 

側面のベルトはベルクロを外して締め付けて、顔にゴーグルを密着できる。

 

装着した際、耳の上あたりにくるベルト付近にスピーカーが仕込まれており、ヘッドホンなしでも単体で音が聴けるのも手軽で素晴らしい。

 

ひとつだけ付属する片手用コントローラーも極力シンプル。正面には、タッチパッド、「戻る」ボタン、ホームボタンを用意。

 

側面。

 

背面には人差し指で引くトリガー。Touchについては以前、VRのコントローラーは難しすぎると書いたが、こちらは拍子抜けするほど単純だ。

 
 

マルチプレー対応の3種のデモを体験

実際にOculus Goをかぶった感想は、ゴーグルの品質はローエンド向けとしては十分過ぎるが、コントローラーの位置はややズレやすいかな?というものだった。体感としては、「より手軽になったGear VR」という感じだ。

体験したコンテンツは、先のOculusのセッションで紹介していた3種類のローンチタイトルだ。

 

 
シューティングゲームの「Anshar Online」。今年後半の発売を予定。

 

頭を回して目線を向けることでバーチャル空間の空を好きな方向に飛べる。敵機を発見したらうまく照準を合わせ、コントローラーのトリガーを引いて弾を当ててダメージを与え、撃墜させていくといった内容になる。

 

Oculus Rift/Oculus Go/Gear VRに対応しており、機器をまたいで最大8人の協力プレーや対戦が可能。現地には、シングルプレイのほか、Rift/Goそれぞれ3台の6台で遊べるコーナーも用意していた。

 

 
無人島の開拓をテーマにしたボードゲーム「カタン」をVR化した「Catan VR」。

 

バーチャル空間のテーブルを最大4人のプレイヤー(またはコンピューター)で囲んで、コントローラーでコマやボードを操作して遊ぶことになる。

 

こちらもOculus Rift/Oculus Go/Gear VR対応で、会場ではRift/Go各2台を使った4台で同じ空間にログインして遊べるようになっていた。Rift版(14.99ドル)とGear VR版(9.99ドル)はすでに発売済み

 

 
12種類のパズルゲームが遊べる「They Suspect Nothing」。

 

人類最後の一人となって、生き残りをかけてロボットが用意したテストをクリアーしてていくストーリーなのだが、キャラやワールドは悲壮感がなく、可愛くてポップな感じだ。ミニゲームは、例えばコントローラーで指示してワールドに落ちている資材を集めて、敵ロボや罠をすり抜けて所定の場所に届けるといったものを用意している。

 

 
なお、Oculus Go以外では、Oculus Rift用の「Vacation Simulator」が遊べた。有名タイトルの「Job Simulator」を手がけたOwlchemy Labが開発しており、2018年に発売予定。

 

ビーチで寝そべったり、フリスビーを投げたり、ハンバーガーを食べたりと、Job Simulatorのように手を使ってやりたい放題できるのが楽しい。

 

会場では、ゲーム内で撮影した写真をリアルでプリントアウトしてくれるという粋な計らいも実施していた。

 
 
まず装着して出たのは、「軽い」という感想だった。上と左右のベルトをきっちり締め上げれば、顔にもぴったりフィットするので、頭を動かしたときにピントがズレるというのも起こりにくい。フェイスパッドも快適だったが、筆者がゲームに熱中したせいか、レンズが若干曇ることもあった。画質はクリアーかつ鮮やかで、Gear VRに近い感覚だ。Anshar Onlineで周囲を見回しながらプレーしていても特に映像が乱れるという感覚もない。

一方で惜しかったのが、コントローラーの位置がたまにずれること。Oculus GoのコントローラーはGear VRのものと同じく、加速度センサーで前後左右上下の位置を計測している。Oculus Riftのコントローラーのように、外部の赤外線センサーで実際の位置を観測しているわけではないので、「推測」しているという表現が近い。

要は仕組み的にずれやすいわけで、例えば、They Suspect Nothingでは、ロボットにポインターを合わせ、資材をピックアップしたり敵を避けていくに従って位置がずれていき、手元で操作し続けたいのに、手を伸ばして動かすはめになったということもあった。一方で、Anshar Onlineでは、コントローラーは弾を撃つ際にしか使わなかったので、特にズレの問題を感じなかった。この辺は、アプリ側のゲームデザインや画面構成で吸収できる側面もあるのだろう。

 
 

Gear VR同等の体験を、より安く、より手軽に

そんなOculus Goを一言で表すなら、「普通にいい」とまとめたい。

筆者のようにVRゴーグルの新製品を次々と触って慣れてくると、どうしても「こいつぁすげぇや!」と興奮するハイエンドの製品を評価しがちだ。最近、筆者が体験してスゴいと感じたのは「VIVE Pro」で、装着したときの一体感と画質の精細さは心に残っている。

そんなVIVE Proと比べると、当たり前だがOculus Goの体験自体は驚きは少ない。しかし、「できるだけ安く」「できるだけ面倒くさくなく」という条件を加えると、とたんに印象が変わってくる。なにせ199ドルなのに、Gear VR同等の体験を提供してくれるのだ。

VRは、文章や画像、動画などで説明されても、そのスゴさは絶対に伝わらないので、とにかくまずかぶってもらう必要がある。その初体験で重要なのが、ある程度のクオリティーが担保されたハードとソフトを用意すること。筆者もPCとOculus Rift/HTC VIVEを持ち込んで数えきれないほど「初めてのVR」を提供してきたが、荷物の関係でモバイルVRを選ばざるを得ないことも多い。そこで画質や装着感の最低ラインとして選んできたのがGear VRだった。

ただ、一方でGear VRは、Galaxyシリーズのスマートフォン専用なので、いざ体験してもらい「VRちょっとほしい」となったときに、「じゃあスマホと一緒に買ってください」と勧めるのも若干ハードルが高い。買ったら買ったで使うまでに初期設定が必要になり、Android周りも含めて何かトラブルがあったときに対応するのも大変だ。

Oculus Goは今後、そうした「VRちょっとほしい」となったときに、「じゃあ199ドルだし、面倒くさくなさそうだし」と費用対効果の優位性で選ばれていくことになりそうだ。車で言えば、個性が強いスポーツカーではなく、お求め安い質実剛健な大衆車といったところだろうか。

 
 

普通にいい、みんなのためのVR

Oculus Goの体験中になんとなく思い出したのは、2013年にOculus Riftの初代開発キット(DK1)をかぶったことだった。当時、DK1は300ドル+送料の価格で、80円台の円高だったため日本から買うと2万円台後半ぐらいの感覚だった。にも関わらず、「映像の中にいるみたい! 本当にスゴい!」という興奮を引き出してくれて、多くのガジェット好きを次々と虜にしていった。

そのDK1と比べると、Oculus Goは格段に進化している。あれから5年(!)経って、「スゴい!」がPCすら必要ない199ドルの一体型で引き起こせる時代になったのだ。

肝心なのは、VRを何に使うかだろう。

Oculusが提供しているOculus Goの写真を見ると、家族や友達と集まって使っているシーンが目を引く。DK1も、かつては飲み会などに持って行ってジェットコースターアプリを体験してもらい、その驚いている様子を見てみんなで楽しむという消費の仕方があった。デモで展示していたThey Suspect Nothingもスコアランキングはローカルのみで、家族や友達と交代で遊んで競うという用途を想定しているそうだ。

 

こういう写真である。

誰かと一緒に使うなら、360度カメラで撮った写真や動画を手軽に見せたいというニーズにもハマってくれるだろう。なんなら199ドルなので、複数台を用意したり持ち寄ったりして、テレビゲームのようにワイワイ遊ぶのもアリだろう(麻雀が楽しそう)。

もちろん一人でも活用の余地はあるだろう。Netflixで配信している映像をよりくつろいだ空間で見たいと考えた際、安価なタブレットではなくOculus Goという選択肢も出てくるだろう(筆者的には飛行機で使いたい)。

ネットで他の人とつながれるソーシャルVRも視野に入ってくる。「VRChat」などはPCプラットフォームが主戦場だが、「AltspaceVR」のようにGear VR向けに出ているものもあり、「かぶってすぐアバター」のような手軽さが実現できたら電話やテキストチャット並みに利用頻度が上がりそうだ。

普通にいい、みんなのためのVR──。ぜひOculus Goの動向をチェックしてほしい。

 
GDC 2018の記事まとめはこちら

 
 
(TEXT by Minoru Hirota

*お詫びと訂正……一部のわかりにくい表現を修正いたしました(2018年6月4日16時30分)

 
 
●関連リンク
Oculus Go
GDC 2018

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