VTuberのアイデンティティはどこにある? GOROman × みゅみゅ教授「VTuberハッカソン展」トークレポ

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PANORAは4月22日、SVVR JAPANの共同主催・運営協力のもとに「第1回VTuberハッカソン展」を開催した。2月の「第1回VTuberハッカソン」に関するトークセッション&展示会で、ステージではハッカソン最優秀賞のチームKAKUNIのトークにはじまり、VTuberに関連するLT大会、「GOROman x みゅみゅ教授特別クリエイタートーク」を4時間ほどに渡って展開するなど、密度の高いイベントとなった。

本エントリでは、その中から「GOROman x みゅみゅ教授特別クリエイタートーク」の様子をお届けする。「東雲めぐ」ちゃんの配信ツールである「AniCast」を手がける企業・XVIのGOROman氏と、「バーチャルキャスト」の元となったソフトを開発したみゅみゅ氏の対談ということで、期待通り濃い内容だった。

 
●AniCastを使った「東雲めぐ」

 
●バーチャルキャスト

 

OculusのToyboxなどに影響を受けたAniCast

左奥から司会のPANORA広田、GOROman氏、顔出しNGとのことで画面外にみゅみゅ氏(以下、敬称略)。

広田 それでは自己紹介から。

GOROman 株式会社エクシヴィ(XVI)という会社の代表をしているGOROmanことGOROmanです。もう本名やめます。書きづらいし。これから全部GOROmanでいく。

広田 補足するとOculus Japanを立ち上げたり、AniCastを作ったり、古くからVR業界に貢献している人です。

みゅみゅ みゅみゅです。ネカマやってます。

(会場笑)

みゅみゅ GOROmanさんのようにかっこいい職歴とかあればいいんですけどね。

GOROman ケーブル引いてたんですよね。

みゅみゅ 本職はインフラエンジニアで、ネットワークケーブルを作ったりとか、サーバーとかぶっさしてたんですよ。

GOROman Unityとかは?

みゅみゅ Unityは趣味。趣味です。正確に言うと、転職して、A○Sとかいうやつに仕事全部もってかれたんですよ。Unity覚えたら、すごいことができるかな、って思ったのが3年ぐらい前で。

広田 もうあの美少女(みゅみゅさんがアバターにしているアリシアちゃん)がサーバーぶっさしてるイメージが頭の中に浮かびますよね。そこから比べると違うことやってる感じですね。

みゅみゅ だって仕事ないんだもん。

GOROman じゃあ、(インフラエンジニアの)仕事あったらバーチャルキャストできてなかったんだ。

みゅみゅ そうですね。

 

広田 まず最初に、GOROmanさんの会社であるXVIさんのAniCastと、みゅみゅさんが基礎をつくって、インフィニットループさんとドワンゴさんがブラッシュアップしたバーチャルキャストって何?という話をお願いします。まず、AniCastとは何でしょうか?

GOROman もともとは、Oculus RiftとOculus Touchとノートパソコンがあれば、いわゆるVTuber的なシステムが実現できるのではないか、と。弊社のMuRo(室橋氏、@Muro_CG)が個人的に「PlayAniMaker」というVRアプリをつくっていたんです(体験記事)。

 

 
GOROman これをシーエスレポーターズでGugenkaをやっている三上さんが見て、「えっ、これすごいじゃないですか。今後のどういう展望があるんですか室橋さん」って聞いたら「趣味っす」って言って。

広田 また趣味ですか(笑)

GOROman そこで三上さんが猛プッシュしてくれて、昨年11月に「室橋君、なんか(三上さんから)メールきたね」という話があって、そこから開発を始めています。まだ12月の「ねこますビッグバン」でVTuberブームが起こる前です。

そこから1ヵ月でプロトタイプができて、「おもしれーじゃん」ってなってから「バーチャルギフティング」機能を思いついたんです。SHOWROOMのCTOの佐々木さんに「SHOWROOMの中に本当にダルマとか落ちてきたら面白くないですか?」って相談したら、「面白い!」ってすごくノリノリで、会社に帰ってたらすぐにSHOWROOMのAPIのメールが届いてて。

広田 すごいスピード感!

GOROman やっぱり生放送じゃないと意味がないことをしたかった。

広田 バーチャルギフティングは、視聴者が送ったギフトをバーチャルキャラがそのまま手に持ってくれるのがスゴいですよね。

GOROman そしてAniCastは個人で運用できるようにしたいと思っていたので、ノートパソコンとOculus Rift、Touchがあれば配信できてしまう。何せめぐちゃん(の魂)がスゴくて、ニュータイプなんです。初めて体験したVRがAniCastなのに、あの使いこなしようですよ。

広田 確かにめぐちゃんのワンオペなのに、あそこまで豊かな感情表現というのは奇跡的だと思います。AniCastのアイデアの元は何かあったのでしょうか?

GOROman Oculusの「Toybox」というデモがありまして。

 

 
広田 Oculus RiftとOculus Touchを装着して、二人でVR空間に入って一緒に遊ぶことができる体験ですよね。例えば、花火を点けて相手に向けたり、ものを投げて何かを壊したり、会話しながらやりたい放題できてしまう。

GOROman そのToyboxが元になって、ソーシャルVRの「Facebook Spaces」が生まれていきます。なので、ToyboxとFacebook Spaces、あとはVRアドベンチャーゲーム「Lone Echo」にも影響を受けています。

 

 

 

ほぼフルスクラッチで書き直したバーチャルキャスト

広田 次はバーチャルキャストですが、PC向けのVRゴーグルをかぶってバーチャルキャラクターになって配信できるというアプリなんですけど、その前段階としてみゅみゅさんがつくった元のシステムがあったんです。これがニコ生放送の様子です。

 

2017年1月の段階でキズナアイちゃんの「VRコスプレ」(当時はそう呼ばれていた)を披露したり……。

7月にねこますさんとコラボするなど、かなり時代を先取りしていた。

 
みゅみゅ こういうの見ると恥ずかしいですね。

広田 バーチャル空間にユーザのコメントを落としたり、フキダシを表示したり。いやー、動きが「kawaiiムーブ」(VRChatに代表される可愛さを強調する動き方)ですよね。

みゅみゅ これ、晒し者にしようって流れですか。

(会場笑)

広田 いや違いますよ、先駆者の偉業を讃えようって目的で、歌舞伎でも女形とかあるじゃないですか。さて、これが、どういう話でバーチャルキャストにつながっていったのでしょうか?

みゅみゅ 一番最初は一昨年になります。システムのコアはずっと昔からできていて、自分でもYouTube Liveやニコ生をやっていたのですが、当時はあまり視聴者が来てくれなくてなかなか盛り上がらなかったんです。いつも数人ぐらいで、10人来てくれればすごい!みたいな。

そんな中、会社で「オープンソースカンファレンス 2016 金沢」というイベント向けに「何か出し物ない?」という話が出て、「プレゼンのシステムがあります」と出したのがきっかけになりました。

(会場笑)

みゅみゅ ドワンゴさんとの出会いは今年1月で、年末年始頃に「何かやりたい」って言われて、「何かやろう」って話になって、2月ぐらいからスタートしました。元のシステムは色々古かったので、ほぼフルスクラッチで書き直してます。

広田 ずいぶん急に立ち上がった話だったんですね。ドワンゴさんと組むことによって生まれたシナジーはありますか?

みゅみゅ VR向けの3Dアバターフォーマットの「VRM」がスゴいです。今回つくるにあたって、絶対に入れたかったのが、niconicoのコメント連携と、いわゆるコラボの凸機能でした。コラボはとても楽しいのですが、そのためには、アバターとなるモデルを(アプリの中に)入れておかないとできない。それを打ち破ったのがVRMです。

広田 そうですよね。CGモデルは、特に二次創作が絡むと難しくて、作者が望まない使われ方をしてしまうこともありますよね。

みゅみゅ だからVRMではファイルフォーマット自体にライセンス設定が含まれている上、「ニコニ立体」と連携できるんです。例えば、誰でもモデルが使える状態でニコニ立体側でアップロードしていても、何かあったらすぐに削除したり、あるいはライセンスを変えて自分だけが使える状態に変更できます。

広田 なるほど。ところで一部企業に提供しているAniCastとは異なり、バーチャルキャストは誰でも使える状態でリリースしましたが、今まで興味深い使われ方はありましたか?

みゅみゅ モーフの切り替えを利用して、名前のパネルが出るようにした人がいて、「あったまいー!」って思いました(*VRChatでもアニメーションオーバーライドという機能で同様のことが行われている)。

 

GOROman 僕もリアルアバターをニコニ立体に登録したんですけど、ハイポリのやつは自分専用です。それとは別にバーチャファイター1のアキラぐらいのローポリのやつはアンロックにしようかと。

みゅみゅ 背中に「ホンモノ」と「ニセモノ」とか書いたの用意すればいいんじゃないですか。

 
 
*2ページ目では、3つのテーマでお二人に「濃いバナ」を語っていただきました!

 

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