今後は配信プラットホームへと進化!? 「ハコスコバンパク2017」で事業計画を発表

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1月27日、ハコスコは東京・渋谷にて「ハコスコバンパク2017」を開催。2017年以降の同社の事業戦略の発表や、トークセッションが行われた。

 
メインとなる事業戦略発表では、ハコスコ代表取締役の藤井直敬氏が登壇。これまでハコスコの事業説明などをあまり伝えてこなかったこともあり、「ハコスコはただのダンボール屋ではない」と来場者の笑いを誘いながら、同社の取り組み着いて解説していた。

 
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ハコスコ代表取締役の藤井直敬氏。

 
藤井氏は、理化学研究所で脳の研究、特にSR(Substitutional Reality/代替現実)についての研究を続けている科学者。5年ほど前からカスタムメイドのHMDを作成し、VRやSRといった実験を続けている。このカスタムメイドのHMDが当時は制作費が2000万円もかかったことなどから、「ハコスコ」を開発。藤井氏によると「脳科学者としての野望」の一環とのこと。

 
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ハコスコのミッションについて、改めて説明が行われた。

 

2000万円かけたというHMDで実験を行っている様子。

 
「ハコスコ」立ち上げから2年半が経過し、現在の事業内容としては、ゴーグルの販売が売り上げの9割。とくにダンボールタイプのオリジナルプリント事業が好調で、売上高も2017年度は10億円超を見込んでいる。

 
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オリジナルプリントは66案件で前年比と比べて2〜3倍のペースで成長している。

 
ただし藤井氏は「ゴーグル事業だけでは頭打ちになる」とし、事業者がマネタイズ可能な映像コンテンツの配信プラットホームを今後の事業の柱としていくと説明。そのため、サービスやアプリの新機能として、記録映像の分野では「自由視点映像」、リアルタイム映像の分野ではパススルーのカメラ映像や360度ライブストリーミング機能が追加される。

 
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ハコスコCDS(Contents Delivery System)として、動画配信のプラットホーム化を進める。

 
また配信コンテンツを動的につなぐリンク機能を装備し、好きな場所に別のコンテンツへリンクを貼ったり、GPSの位置情報をトリガーにしたリンクも利用可能となる。さらに「ハコスコスプリクト」として映像ソース内にスクリプトを埋め込むことで、時間指定で別の動画に切り替えたり、パススルー映像と記録映像をブレンドしたりといったエフェクトも利用できるようにする。

 
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リンク機能でコンテンツとコンテンツにつながりを持たせられる。

 
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スクリプトで各種エフェクトにも対応。

 
ユーザーが投稿、配信するコンテンツは課金サービスにも対応。プラットホームもマルチデバイス化を進め、Oculus RiftやHTC VIVE、Gear VRといったプラットホームでも展開し、より多くのユーザー獲得を目指していくとのこと。

 
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ハコスコCDSのサービス内容。無料で利用できる一般コースも用意されている。

 
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2017年度は小型の「ハコスコミニ」のほか、360度撮影の可能なカメラも販売予定。

 
 

VR業界の冷え込みはあまり心配していない

 
第2部ではトークセッションとして、VR事業社による2017年のVR業界についてのトークが交わされた。登壇したのは藤井氏に加え、レコチョク執行役員CTOの稲荷幹夫氏、ハシラス代表取締役の安藤晃弘氏、電通デジタルプラットフォームセンター企画調査部長の足立光氏の4名。藤井氏がトークテーマを発表し、それぞれについて応える形式で進められた。

 
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左から安藤氏、稲荷氏、足立氏によるビジネストークセッション。

 
その中で、2017年に冷え込むとも言われているVR業界について、どう考えているかという問いに対して、安藤氏は「VRアトラクションに関しては冷え込みはない。ただし楽しいだけのものではなく、役立つものにシフトする必要がある」とのこと。

 
稲荷氏は「音楽業界的には、LIVEストリーミングで体験的な価値を提供できるかにシフトしていく」とし、足立氏も「多くの企業から問い合わせも増えてきているし、VR体験コーナーなども増えてきていて、VRの意味や費用対効果が身近かに感じられるようになった」と、今後の冷え込みについてはあまり心配しておらず、より一般層にも普及していくと予測していた。

 
第3部はイノベーターセッションとして、藤井氏とメディアアーティストで筑波大学助教の落合陽一氏、「GOROman」ことエクシヴィ代表取締役社長の近藤義仁氏が登壇。3人ともリリースされたばかりのHoloLensを装着して登場。落合氏と近藤氏はすでにHoloLensを日常でも装着したまま街に繰り出し、「電車内の中吊りにYouTubeを貼り付ける」や、「対話相手に落書きをする」といったエピソードを披露するなど、セッションは全編ほぼHoloLensの素晴らしさを語るというものだった。

 
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藤井氏(左)と落合氏(中)、近藤氏(右)の3人でホロレンズの熱いトークが交わされた。

 
そのほか会場ではハコスコを使った事業社のサービスなども展示されており、参加者同士の交流も深められていた。

 
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開発者や事業社が多く集まり盛況となった。

 
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ハコスコオリジナルプリントの作例を展示。

 
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クラウドファンディングで支援を集めていた「PostPet VR」の体験コーナーもあった。

 
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国立科学博物館とのコラボで、博物館内をVRで歩き回れる「おウチで科博」。

 
 
(TEXT by Satoru Nakayama

 
 
●関連リンク
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