緊急開催! 神山監督と荒牧監督が語る 攻殻機動隊ARISE 【VR ZONE SHINJUKU座談会】

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先日、攻殻シリーズの大ファンであるF岡教授にレポートいただいたVR ZONE SHINJUKUの新アクティビティ『近未来制圧戦アリーナ 攻殻機動隊ARISE Stealth Hounds』。国内最大級となる20m×12mの専用アリーナを自由に動き回ることができ、最大4vs4、計8名までの同時体験が可能な対戦型VRコンテンツです。優れたゲーム性だけでなく「光学迷彩」という自分を消すことができる攻殻機動隊のファンにはたまらないギミックを自分で体験できたり、主要キャラの草薙素子が登場したりとその世界観もしっかり再現されています。

 

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体験後、ご親交のある攻殻シリーズを手掛けられてきた押井守監督や神山建治監督を「是非お誘いしたい」と大興奮だったF岡教授。VR ZONE SHINJUKUを運営するバンダイナムコエンターテインメントの小山順一朗さん(以下コヤ所長)と田宮幸春さん(以下タミヤ室長)とお話が盛り上がりました。そこで、今回は神山監督と2019年公開予定の映画「ULTRAMAN」を共同監督されている荒牧伸志監督にお声がけいただきご体験いただくことに。(ちなみに押井監督はすでに体験ずみだそうです。残念!)

日本のアニメ業界を牽引する両監督の訪問にコヤ所長、タミヤ室長、そして本コンテンツのプロデューサーを務めるCJことローム・チャールズさんもお出迎え。この貴重な機会を逃してはと、皆様にお願いして「VR ZONE SHINJUKU 座談会」を緊急開催させていただきました。 司会にF岡教授をお迎えし、本作の感想や攻略法、制作秘話などたっぷり語っていただきましょう。ここだけでしか聞けないお貴重な、そして笑い満載の模様をお届けです!

写真上段左からタミヤ室長、コヤ所長、CJさん 下段右からF岡教授、神山監督、荒牧監督

 

 

フィールド内はかなり妙なことになっているんです

 

福岡 まずは両監督、プレイのご感想をお願いします。

神山 いや~、面白かったです。広いVR空間を動き回るということがなかなかなかったので、自由に動けるのかなあという不安があったのですが。

 

スタート地点の神山監督。背中越しのこの広いフィールドが全てVR空間となり自由に歩き回れる。

 

荒牧 敵味方入り乱れてやれるのかなあとかね。でもやれるんだなあとびっくりしました!

神山 その空間内をなんとなく意識しちゃうんじゃないかなあとか……壁とかね。そこをうまくつくれるのか、お伺いする道中、荒牧さんとお話ししていたのですがその心配は入った途端忘れました。(笑)

コヤ そうなんですよ。信じられるものはやっぱり目の前のものになってしまうんですよね。

荒牧 逆に言うと、簡単に騙されるんだなあって。

一同 笑

福岡 (ゲームフィールドの)外から見てると、皆さん敵味方がめちゃめちゃ至近距離なんですよ。すぐ目の前にいらっしゃるのに気がついていなくて。

荒牧 あー、そうなんですね。(笑)

神山 そこ、逆に見てみたいですね。

 

各チーム、敵陣営のハッキングポジションまで隠れつつ、敵を攻撃しながら移動してミッションを達成する。目前に敵がいることも。

コヤ 帰りがけにアクティビティの入り口を覗いていただけると他のお客様が体験されているところが見れますよ。

タミヤ 見ていたお客様がやりたいと体験されることもあります。

福岡 あの装備、あの動き、一体あのアクティビティはなんだろうって思いますよね。

コヤ そうなんです! フィールド内はかなり妙なことになっているんです。

一同 笑

タミヤ システム的には実際壁はないので。VR空間内では壁の向こう側を覗こうと思ったら覗けちゃうので、覗けないようにと壁に突っ込んでしまったら死んだことにしちゃうとか事前にルールを作っていたんです。ただ作ってみて、実際何100人と体験していただいているのですが、壁を通り抜ける人が一人もいらっしゃらないんですよね。

荒牧 目に見えてるもの、そこが現実になるんですよね。

タミヤ そうなんです。VR空間内の世界を純粋に認識していただいているんですよね。

神山 ついぶつからないように行動してる自分がいますね。床にあるパイプですら「ない」ってわかってるのに、またいで避けてる。(笑)

福岡 外から見てると妙~な動きなんですよね。何もないところで足をこうやってあげてらして。

一同 笑

荒牧 急ぐとレスポンスに時間がかかるっていう、これ素晴らしいアイディアですね。

コヤ 苦し紛れですけど……。

福岡 これは速度設定なんですか?

コヤ 走られるとやはり危険がありますので。「走るような音を立てることで姿を感知されてしまう」っていうゲーム内設定にしたんです。

神山 いや、いいアイディアですよ。

荒牧 設定とゲーム内容はある程度複雑ですけど、意外と最低限な操作になるよう精査されていますよね。

 

スタート時点の荒牧監督(写真中央)。その向こうは神山監督陣営。この後、激しい銃撃戦が始まる!

 

タミヤ このようなフィールドVRでしかも対人というのは世界でもあまりないんですよね。我々もチャレンジとして、安全面に関しましてはルールを含め結構気にしてやったんですけど。いざやってみると、モーショントラッキングがあれだけピッタリしてると、そこまで危険な状況でぶつからないことがわかってきまして。あそこまでシビアに「アラート」を出さなくてよかったかなあというのが、やってみてからの感想なんですよね。

荒牧 確かにネガティブな意見というと、少しだけアラートが多いという感じはしました。人が見えているので、人のアラートなのかエリアのアラートなのかも少しわかりにくかった。

コヤ 最初、CJと作っている時はこんなにぴったり合わせられると思っていなかったんですよね。自分の手のCGが10cmくらいずれていたり、半身で表示されていたりするとすれ違おうとするとゴンッってぶつかってしまったり。

荒牧 ゲーム中、確かに一度ぶつかってしまったんですけど、動きの速度の制限と目に見えてる映像があるのでショックは少なかったです。

福岡 ゲーム上驚くことがあっても危険はないですよね。ここは制作チームの狙い通りでしょうか?

コヤ 見てしまうものを信じる、逆に見てないものは突っ込んでしまう。それが、ここまでぴったりと合わせられると思っていなかったんですよね。

CJ このレベルまで持ってくるのは結構大変だったんです。でもここで自分の体が思い通り動かせなかったら、お客様も楽しく遊べないと思ったので。自分の狙い通りの動きができるトラッキングシステムをずっと作ってきて、それがかなってよかったです。

コヤ トラッキングが曖昧な他のシステムのものだと、やっぱりマシンガン系になってしまうんですよね。どうしても詳細に狙えないので。今回はちゃんと狙って、ちゃんとパンパンパンッと打てるようにしました!

荒牧 そうそう。そしてトリガーの反動がちゃんとあったりもするんですよね、これもいい!

 

 

普通の人と同じ感想でしたね。

 

事前のブリーフィングで行われる個人設定。名前、性別、身長などプロフィール登録してゲームに備える。

 

福岡 ところでご自身のプロフィール、男性で登録しました?

神山 男性ですね。

荒牧 僕も。

神山 スタッフ6名でやって、ひとり女性のスタッフが「女性」で登録してましたけど。

福岡 ……ちなみに僕は女子で登録したんですけど。

神山 そんなことされてたんですか(笑)

福岡 下向くとですね……なんと胸があるんですよ!

一同 笑

コヤ そうなんです! まさに「君の名は」状態になるんです。

神山 それ、聞いとけば女性で登録したのに!

一同 笑

荒牧 そういえば自分の体もすごくリアルでしたよね、質感も含めて。あれはやっぱりさすがVIVEだなあと。

コヤ 身長も登録した通りに表現されるんです。イギリスのお客様で身長188cmの方がいらして、VR空間内でも大柄な特殊部隊員として現れました。

神山 確かに小柄な女性スタッフがゲーム内でも小柄になってましたね。

荒牧 あと意外にゲーム中、みんな、あまり声出さないですよね。

神山 スタートする時だけはチームの人に「じゃあ俺、あとから行きます!」とか声かけしてたんですけど。かなり訓練しないと攻撃しながら仲間と通信するのは難しいですね。つい夢中で喋るの忘れてしまう。

荒牧 そうそう!

神山 そして、軍曹(同じチームの若手)がどんどん一人で行っちゃって。

荒牧 そうそう‼︎

神山 それが功を奏してたりしてチームの得点に!

一同 笑

福岡 で、スコアはどうだったんですか?

神山 我々のチームが勝ったらしいです。軍曹がもう我々を置いてスタスタ行っちゃってハッキングしてるから。(笑)ハッキングする時もそれがコツらしいんですが、こうしゃがんでやっていたらしく。

福岡 確かに軍曹、一人でずっとハッキングしてましたね(笑)

コヤ ハッキング中はできるだけ姿勢を低くして標的を小さくすると敵に見つかりにくいんです。

タミヤ ブリーフィングでもご説明してるんですよ。

 

プロフィール登録の後はゲーム説明、ルール、装備の装着などが行われる。映像もあるのでわかりやすい。

 

神山 それでその彼をみんな守れっていうことらしかったんですけど。守るどころか「軍曹どこ行っちゃったんだろ?」って。(笑)

荒牧 軍曹を探しているうちに打たれるっていうことが多かったですね。(笑)

福岡 攻殻の世界を作ってきた人が、この世界の中に入るなんてどんな気分だろうって聞こうと思ったんですけど、普通の人と同じ感想でしたね。

一同 笑

 

 

「光学迷彩」って本当に自分が見えないのかなっていうのは最初は不安なんだと思います。

 

戦闘前のシーン。写真左に荒牧陣営、右は神山陣営。攻殻機動隊を作った人たちが攻殻VRにチャレンジ!(撮影:コヤ所長)

福岡 「光学迷彩」は使いました?

荒牧 使ったけど、使えてるかって意外とピンとこなかったかも。

神山 確かに。もう少しそこの差がはっきりしていると「してる」時の良さが体感しやすいのかもしれないですね。「これで俺見えないからいけるぞ!」みたいな感覚がわかりづらかったです。

タミヤ 自分もやってみてわかったんですけど、実感としては使用感はないんだな、と。相手のリアクションをもって初めて自分がいないことを知る、みたいな状態になるんです。

神山 あ、そこを作り手の感想ということでいうと……。

一同 それ聞きたい!

神山 「光学迷彩」って本当に自分が見えないのかなっていうのは最初は不安なんだと思います。自分が消えて堂々と行けるのはかなり訓練がいると思うんです。自分が消えてるのが自分ではわからない点ではあってると。

荒牧 ましてマッパであんな重装備で銃構えてる着てる人たちの前に行くっていうと、ねえ。

一同 笑

神山 今回は本当に見えないのかしらドキドキという感じで、本当に「光学迷彩」の優位性を体感できないまま終わってしまいました。

タミヤ そういう意味では、慣れてる方たちがやると自分が透明になってることがわかりやすいんです。というのもちゃんと自分が見えてることで敵が反応してくるので、反応がないことで自分が透明になってるって時がわかりやすいんですね。ただ初めて同士の方がやると、そもそも少し動きが曖昧なので、そこがさらにわかりにくいのかもしれないですね。

神山 確かに撃たれた時に思い出すんですよね。「光学迷彩」のこと。一回死んでから「あ! 使えばよかった!」って。

荒牧 でも回復時はすぐ使えない。その時は覚えてるのに!

神山 撃ってる内に青になってて、それに気づく。その時は夢中だから、使わない。これは練度がいるなと思いました。(笑)

コヤ 曲がり角とかも必ず敵が見てるというのを前提で必ず「光学迷彩」を使って入って「あ、クリアだな」って確認しつつ入るようにするといいらしいんですよ。前に福岡さんがやられた時ってサバイバルゲームのプロの方たちがいらして、こんな感じで進めていらしゃいました。

福岡 あの人たち、異常に強かった……。

コヤ フィールド外から見てても無駄な動きがまったくないんです。(笑)

荒牧 なるほど、わかってるんですね。サバゲー的な動きを。

福岡 とにかく、回復サードに入って充電してやっと出れると思った途端、銃を乱射されて。

神山 出待ちされちゃってるわけですね?

荒牧 僕、軍曹に何度も同じように狙われました。(笑)

神山 せっかく「うおー、治ったー!」って飛び出したのに、ひどい。(笑)

荒牧 でも有効ですよね。悔しいけど。

神山 やっぱりミッションクリアより相手をやっつけるというのが楽しいので、それ優先でやってしまいますよね。特にサバゲーやってる人はそうでしょうね。とにかく撃ちたいっていう。

福岡 撃ちたいですねー。(笑)

コヤ サバゲー経験者の方は、とにかく最初から姿勢が低いんですよね。

タミヤ あと視線が向いてる方にちゃんと銃口を向けてたり。

神山 うーん、ちゃんとやり込んだ後に初心者とやりたい……。

一同 笑

神山 ともかく一度、優位性を味わいたいです。(笑)

荒牧 僕だけずっと「光学迷彩」使い続けられるとか、何か裏から手を回したらできないんですかね?

一同 笑

VR界の白衣の人気者といえばこちらのおふたり、コヤ所長とタミヤ室長からシステムの説明がありギャラリーも盛り上がる。

 

攻殻最強チーム決定戦なんていうのは?

 

福岡 押井監督のご感想はいかがだったんでしょうか?

コヤ 体験していただいた時は「もっと頭をふっ飛ばしてくれ」って言われたんです。いいんですか、そんなことしてって。

タミヤ 押井監督はVR ZONEに来る前まで本格的なVRを体験されたことがなかったそうで。こちらを体験していただいて、相当驚かれたようです。だいぶVRのご感想が変わったとおっしゃっていました。

コヤ そしてもっと残虐にやりたかったとおしゃられてて。

一同 笑

タミヤ バトルのニーズを多く頂きました。(笑)

神山 倒していいものをやっつけるっていうことの面白さってあるんですよね。そこに特化してもいいのかもしれません。ゾンビものが流行る理由って、たぶんそういうことなんですよね。

CJ まさしくその通りです。ゾンビやっつけるのって気持ちいい!

一同 笑

荒牧 これで連携が取れるようになればなあ。まずは自分がそこまで使いこなせるようにならないと。今回は機材を背負ってやる優位性を感じました。これだけハイクオリティな映像の中を自由に動けるのは初めてです。

コヤ ありがとうございます。まだまだ不格好でゴテゴテしたものもついてますけど。後2年したらまったくつけなくても大丈夫になるはずですから。

荒牧 いろいろついてるのもライトとか光ってかっこいいですけど。ブリーフィングでいろいろつけていく段階も導入がすごく面白かったです。

神山 そこを義体化するっていうのは攻殻ならではな感じがしましたね。

荒牧 それじゃあ次回は僕たちのデータを使っていただいて。

神山 僕たちの3Dなので、キャラクターすぐ登場できますよ!

コヤ&タミヤ&CJ えーすごい。それはぜひ!

福岡 楽しみですね! それじゃあ、次作はGHOST IN THE SHELLチームとARISEチームとSTAND ALONE COMPLEXチーム、攻殻最強チーム決定戦なんていうのは?

一同 おおー!

タミヤ 楽しそう、面白いですね!

神山 いいなあ、それ。やりましょう。 連携が楽しめる……はず!

 

 

アニメ好きのCJさんから両監督へサインのリクエスト。
お二人の色紙は施設内に展示されているそうです!

 

【施設概要】
VR ZONE SHINJUKU
住  所:東京都新宿区歌舞伎町 1-29-1
(JR新宿駅東口 徒歩7分/西武新宿駅 徒歩2分)
入 場 料: 800 円/こども(6~12 歳)500 円/5 歳以下無料
1day4 チケットセットは4,400 円
営業時間:10:00~22:00 ※最終入場時間 21:00

【アクティビティ概要】
近未来制圧戦アリーナ 攻殻機動隊ARISE Stealth Hounds
・体験料:2800円(税込)
・体験人数:最大8名(対戦型)
・所要時間:30分(ブリーフィング時間含む)
・対象年齢:13歳以上
・機材協力:HTC Corporation, MSI

 

●関連リンク
近未来制圧戦アリーナ 攻殻機動隊ARISE Stealth Hounds

 

(C)士郎正宗・Production I.G/講談社・「攻殻機動隊ARISE」製作委員会
(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

 

special thanks  近藤千裕(株式会社バンダイナムコエンターテインメント)
(Planning&Edit By Yukina Matsuzaki)

 

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