「誰でも美少女」の未来にまた一歩 VRで演じて、スマホで閲覧、おさわりも!? なデモが話題

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18日、Twitterに投稿されたデモ映像が、一部のVR開発者の間で話題になっている。ぱっと見、スマホにいる女性キャラクターがこちらに向かって手を振っている感じだが、実はこの女性キャラはVRゴーグルを装着した人間がリアルタイムで動かしている。

動画を投稿したのは、VRスタートアップ・カバーのCTOである福田一行氏。同社はVRインキュベーションプログラム「Tokyo VR Startups」の2期生として選出されて、社名と同じVRライブ配信サービス「Cover」を開発中だ。

 

3月末に開催したTokyo VR Startupsのデモデイでは、このライブ配信サービスをデモしていた。写真では、左の女性が画面の中のニュースキャスターに扮して……。

 

身振り手振りしながらニュースキャスターごっこが可能。

 

現地ではその演じている様子を、さらにVRゴーグルをかぶってアバターを目の前に視聴することが可能だった。

 

みんなでネットで集まってコンサートを聴くといった風にも使える。

 
この「なりきり」というのは、VRならではの体験として太いジャンルのひとつになっていきそうだ。

 
VRでなくても、コスプレや変装といった具合に、日常の自分をいったん脇に置き、特別な衣装をまとって何かに変身するのがとても楽しいと感じる人は多いはず。ネットでもMMORPGで「ネカマ」に扮したり、Twitter上で何かのキャラの人格を演じたり、動画投稿サイトで本人そっくりの「歌ってみた」を投稿したり──といった「遊び」がある。

 
そうしたニーズは、ゴーグルをかぶることで見た目をガラッと変えられるVRでもすくいあげられている。例えば、PlayStation VRなどでリリースしている「バットマン:アーカムVR」では、自分がバットマンスーツを着込んでバットマンに変身していくという過程を体験可能だ(レポート記事)。東京・渋谷の「VR PARK TOKYO」などの店舗で提供している「CIRCLE of SAVIORS」も、勇者になりきれる体験だ。

 

 
日本では「VRコスプレ」という潮流も起こっている。VRゴーグルを装着し、モーションコントローラーを両手に持ったり、モーションキャプチャーを体につけたりして、その動きを3Dキャラに反映して、キャラになりきって遊ぶというものだ。バーチャルYouTubeのキズナアイに言及されたり、Oculus VR創業者のパルマー・ラッキー氏も「クールなアイデア」と褒めるなど、日本発のVRコンテンツで一大ジャンルとなっていきそうな勢いがある。

 
ツールも増えていて、ゴーグルではないがFaceRigとLive2Dを組み合わせたソリューションもそうだし、安価なモーションキャプチャー「Perception Neuron」を使う「KiLA」(Kigurumi Live Animator)もCGキャラを操作できる。VRゴーグルは「次元の壁」を超えて二次元キャラに会えるだけでなく、自分がなりきることも可能にしてくれるのだ。

 

 

 
 

投げ銭で配信者を支えることも

 
……と、そんな流れに乗っていきそうなのが、冒頭で取り上げたCoverになる。CEOの谷郷元昭氏によれば、Coverは自前のメディアとサーバーを用意し、3Dアニメ版の「LINE LIVE」のようなプラットフォームを目指しているとのこと。

 
配信側はHTC VIVEのゴーグルとモーションコントローラーを装着し、3Dアバターを操る。このアバターはカスタマイズ可能な標準のものを使ってもいいし、他の著作権モノに差し替えることも可能だ。一方視聴側は、VRゴーグルだけでなく、スマホやPCといったすでに普及した機器を使うことも可能だ(ブラウザー/アプリの両対応予定)。

 
その特徴といえば、まず視聴者とのインタラクティブ性が挙げられる。既存の生放送のようにコメントで交流できるほか、スマホではタッチパネルを使ったVR側への干渉も可能にするという。

 
例えば、ボールをつまんで指でアバターに向かって投げるといったことができるだろう。文字で書くとたわいもないことだが、コミュニケーションではそれが楽しかったりするものだ(ただし、アバターへの接触はセクハラになるかもしれない点が難しいとか)。

 
さらに谷郷氏によれば、JASRACなどと契約して合法的に音楽ライブを配信できるようにするという。ユーザーが「歌ってみた」で使えるのはもちろん、3Dモデルが存在するアニメなら、声優さんに「中の人」となってもらい、アニメのキャラクターを操ってVRライブ……というサービスが実現してもいいだろう。

 
投げ銭機能も実装予定で、それによってクリエイターを支えられる。プレゼントとして3Dアイテムを送って、ステージに置くといった「わしが育てた」的な表現もできるだろう。

 
Coverは当初は配信ユーザーを絞って展開するが、その先には誰でも配信できるような展開も予定しているそうだ。まだ市場としてまったく立ち上がっていないVRだが、本格展開が楽しみなプロダクトがどんどん出てきている現状だ。キャラもののビジネスを展開しているところは、ぜひCoverにも注目しておこう。

 
 
(TEXT by Minoru Hirota

 
 
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