Amazon、Twitchと連携容易でVR対応なゲームエンジン 「Lumberyard」を日本初公開【CEDEC】
CEDEC2016では、開発ツールも多く展示されているが、今年はAmazonが参戦した。
「Amazonってゲーム売るだけでしょ?」と疑問を抱く人も多いかもしれないが、同社はクラウドコンピューティングの大手でもあり、ゲーム開発者向けにAmazon Webサービスを拡販しているほか、ゲーム向けのマルチプレイサーバーの「GameLift」も提供している。また、ゲーム実況プラットフォームの「Twitch」もAmazonの子会社だ。さらには、Kindle向けのモバイルゲーム開発スタジオも所有しており、近年では「Enter The Matrix」、「キラーインスティンクト(2013)」、「ストライダー飛竜(2014)」などで知られるハイエンドゲームの開発会社であるDouble Helixを傘下に納めている。
タイトルにもあるLumberyardは、そのDouble HelixがCRYENGINEをベースに培った技術と、Amazon Webサービス・Twitchを統合した新ゲームエンジンで、今回のCEDEC2016で日本初公開された。対応プラットフォームはWindows、PlayStation 4、Xbox One、Android、iOSで、OS XとLinuxは対応予定だ。
GameLiftやTwitchとのインテグレートが大きな特徴だが、特にTwitchでは特定のメッセージを送るとゲームに反映されたり、観覧中のゲームに参加できる機能も搭載している。VRゴーグルにも対応しており、現時点ではOculus RiftとHTC Viveをサポート。将来的には他のVRヘッドセットにも対応可能としている。
GDCでも公開されていたイギリスのゲームスタジオ「Climax Studios」開発のデモを出展。同社はGear VRでもタイトルを開発している。
ロイヤリティフリーなのも特徴で、オフラインコンテンツであれば無料、オンラインコンテンツはゲームに組み込んで使用するAmazon Webサービスの使用料を支払う形となる。なお、他社のクラウドサーバの使用は禁止されている(自社所有のサーバはOK)。ソースコードも公開されているので機能追加や改良も可能だ。
日本語のドキュメントも整備されつつあり、VRゲームエンジンの第3の選択肢になりそうだ。今後のアップデートに注目したい。
ブース来場者にはAmazonギフトカードのプレゼント抽選も。
(TEXT by Shogo Iwai)
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・Amazon Webサービス
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