お手軽360動画の本命!? 「THETA m15」を触ってみた
リコーが11月14日に発売する全天球カメラ「THETA m15」。10月28日には記者発表会が開かれて、各所でニュースになっておりますが、筆者こと広田も参加して実物に触らせてもらったので、ざっくりインプレッションを語っていきましょう。
初代のTHETAが登場したのが、2013年の11月8日。本体の両面に2つの超広角レンズがあって、ピッとボタンを押すだけでその場の360度写真を撮れるというお手軽さでインパクトを与えて、多くのファンを獲得してきました。THETA本体には液晶はありませんが、iPhoneから指示を出し、撮ってすぐにiPhone側に取り込んでぐりぐりアングルを動かしながら見られるのがめちゃくちゃ楽しい。
その第2世代にあたるTHETA m15では、今度は最長3分の動画が撮影できるようになりました。本体脇の無線LANボタンを押しながら電源をオンにすることで動画撮影モードに切り替わって、あとはシャッターボタンを押して撮ることができます。
動画は処理が重いので、360度写真のようにTHETA単体では作成できず、撮ったものをいったんパソコンに取り込んで360度動画に加工することになります。あとはパソコンやスマホで閲覧したり、5MBまで(だいたい数秒〜10秒程度)ネット上に投稿することが可能です。
発表会で説明員の方に聞いたところ、パソコンでくっつけた360度映像は解像度が1920×1080ドット、フレームレートが15fps、音声はモノクロ、ファイル形式はmp4になるとか(手元にコピーさせてもらったTHETA m15の映像はなぜか1920×960ドットなんですが、最終的に変わると聞きました)。テレビの映像が約30fpsなので、15fpsはちょっとカクカクしてる感じなのですが、実際に使ってみると画質よりもこの手軽さのほうが勝ってるイメージです。
例えば、GoProを6台使う360度撮影システムは、ソフトなども含めて1セットで数十万円とお金がかかるうえ、映像を6つのカメラから個別に取り込む作業も面倒(画質はいいんですけどね)。一方、THETA m15は、実売価格で3万5000円と安価で、取り出して2アクションで撮り始められます。カメラが、しっかり撮りたいときは一眼レフ、日常のスナップはスマホと切り分けられていて、多くの人はスマホで十分なように、THETA m15も多くの人に360度動画の楽しさを実感させてくれるはず。
触っていて個人的にピッタリだと思ったのは、ダンボール製のお手軽HMD「ハコスコ」との組み合わせです。パソコンにiPhoneをつないで、編集したTHETA m15の映像をiTunes経由でiOS版の「Kolor Eye’s」に転送。ハコスコにiPhoneをセットしてみると、PC上ではやや目立っていた映像のアラさも、かなり気にならなくなります。ぜひTHTA m15の映像を誰かに見せる際には、ハコスコもゲットしておきたいところです。