何がすごいの? 購入方法は? Oculus Rift入門者が読みたい10のQ&A
今年の春頃からテレビやネットで盛んに取り上げられるようになってきたVRヘッドマウントディスプレーの「Oculus Rift」。ネットやテレビで名前は聞いたことがあるという人も多いかもしれませんが、実際かぶったことがある方はまだまだ少ないはずです。というわけで、「Oculus Riftって何?」と聞かれた際に知ったかできるような、初心者が押さえておきたい10のポイントをまとめてみました。
Q1.何がすごいの?
A1.映像の世界に入れるのがスゴい!
人間はふたつの目で世界を見ています。右を向けば右の風景が、左を向けば左が、上には空(とか天井)、下には地面(や床)がある。そんな当たり前のことを、ごく自然に再現してくれるのが、VRヘッドマウントディスプレーの特徴です。
テレビやスマホ、映画館のスクリーンなどは、どんなにサイズを大きくしても、解像度を高くしても、現実世界の中にある平たいディスプレーです。一方、Oculus Riftを始めとするVRヘッドマウントディスプレーは、かぶると視界いっぱいに映像が広がります。そして頭を動かす方向をチェックして、映像をスムーズに切り替えてくれる。
この映像の世界に入れる体験は、言葉で言ってもなかなか理解されにくい点で、VRヘッドマウントディスプレーをかぶってもらうと一発で「えっ、なにこれスゴい」となってもらえる感覚です。ぜひ未体験で興味のある方は、一刻も早く体験会にいってください。
Q2.Oculus Riftって、どこで買えるの?
A2.今は開発者向けにオンライン直販のみ
Oculus Riftは、めちゃくちゃスゴい体験を提供してくれるんですが、実はまだ開発者向けにしか売っていません。製品として出す前にコンテンツを揃えたいので、みなさん今からつくって準備しておいてくださいねー、という呼びかけですね。逆に言うと、Amazonや家電量販店で売ってないのに、ここまで話題になってるのが驚きかも!?
というわけで買うためには、米Oculus VR社のサイトから通販してください。現状は第2世代の開発キット(DK2)が350ドル(送料別)で入手できます。公式サイトによれば、注文から6〜8週間で届くとのことなので、早めに欲しい人は今すぐ申し込むべし。
Q3.何で動かせるの?
A3.割と画像処理にたけた高スペックなパソコンを使います
Oculus Riftは単体で動作できず、必ずパソコンにつないで使います。そこで重要になるのがパソコンのスペック。特に画像処理(グラフィック)性能が大切です。細かく言うと、今のところ最新のDK2は、1秒間に画面を書き換えるフレームレートが75回という「75fps」を実現する必要があります。日本のテレビは約30fpsなので、2倍以上というめちゃくちゃ早いですね。
フレームレートが高いほど映像が滑らかになるので、世界に入ってる感覚を出しやすい。逆に言うと、画像処理性能が低いパソコンではカクカクしてしまって、不自然になったり、VR酔いを引き起こしてしまいます。具体的には現状、DK2はノートPCでの快適な利用は難しく、デスクトップPCで「GeForce GTX 760」以上の性能を備えたPCを買っておくといいでしょう。
Q4.Macでも使える?
A4.使えるけどWindowsのほうがアプリが多い
Oculus Riftは、Windowsだけでなく、MacやLinuxにも対応してます。しかし、現状、一番アプリの数が多いのは、Windows版。Macはグラフィックカードを増設しにくいため、Windowsを利用したほうが便利なところが多いです。
Q5.アプリはどこで配布されてるの?
A5.公式の「Oculus Share」や「Steam」などを探してみよう
英語で問題なければ、Oculus VRがベータ版として提供してる「Oculus Share」で探すといい。PC向けゲーム配信サービスの「Steam」でも購入できる。海外には「Riftenabled」というまとめサービスも登場している。
一方、国内は開発者の個人サイトが中心で、「もぐらゲームス」さんあたりが重点的に取り上げていたりします。PANORAでまとめていきますので、乞うご期待。
Q6.ソフトって何で作ってるの?
A6.UnityやUnreal Engineですね。
「Unity」や「Unreal Engine」などのソフト開発エンジン……といっても、ご縁がない方にはピンとこないかもしれないですが、要するにソフトを作るためのソフトです。Unityはアプリを作るための素材が買える「アセットストア」が強力、Unreal Engineは実写のような3D表現を手軽に実現できる点が素晴らしいのが特徴です(と筆者は認識してるんですがどうでしょうか)。
Unityは無料、Unreal Engineは19ドル(約2000円)でOculus Riftコンテンツを開発できます。普通に家庭用ゲーム機やスマホで一般向けゲームを作るのにも使われているわけですから、興味をもったらぜひ触ってみるべし。
Q7.3D映像だけ?
A7.実写映像もあります
実は世の中には、全方向が撮影できるカメラが存在します。例えば、小型のアクションカム「GoPro」6台を、「360Heros」や「Freedom360」といったリグに球形に組み合わせて撮るシステムで撮って、ソフトウェアで貼り合わせて映像を作り、「Kolor Eye’s」というOculus Riftに対応した360度プレイヤーで閲覧できます。
カメラでいうと、直近では、11月14日発売予定というリコーの「THETA m15」、11月21日発売予定でマスプロ電工が扱うKodakの「360°アクションカメラ」なんかが控えてます。あとは「360cam」など、クラウドファンディングの「Kickstarter」などで募集してるカメラもあって、これから盛り上がってきそうな感じです。
Q8.体験できる場所ってある?
A8.OcuFesなどのイベントに行ってみよう
海外通販やPCのスペックで、Oculus Riftに手を出しにくいという方も多いはず。国内では「OcuFes」という開発者が主体の団体(10月にNPO法人になりました)が、2013年から各地で体験会を実施してきてます。質の高いVRコンテンツが集まるので、ぜひ近くで実施される際はいってみるべし。ほかにもVRは旬なので、イベントでわりと多く使われてるので、チェックしてみましょう。常設展示では、秋葉原のゲーミングPCショップ「G-Tune Garage」あたりが有名です。
Q9.体験するときに注意することは?
A9.音や安全性の確保などが重要
Oculus Riftを体験するときに覚えておきたいのが、没入感を高めるために必ず音をヘッドホンで聴くこと。カナル型のイヤホンやノイズキャンセリング機能など、外部の音を遮断できればできるほど没入感がアップします。
あとは安全性も重要。目と耳を塞がれるわけですから、リアルの世界では無防備になってしまいます。一人で遊ぶ場合、座るタイプのコンテンツでは必ず座って、立ってプレーするものは周囲に危ないものがないように排除しておきましょう。
Q10.いつ製品版が出るの?
A10.わかんないですが、来年夏?
まだ未定です。9月、Oculus VRが主催した開発者向けイベント「Oculus Connect」では、「Crescent Bay」という新しい試作機がお披露目されました。海外では「来年夏にコンシューマー版ベータが出る」というニュースも出てたりするので、来年中か再来年にはリリースされているかも!?