大林組、鉄筋配置の不具合発見に役立つVR教育システム「VRiel」を開発
大林組は25日、施工管理者向けのVR教育システム「VRiel」(ヴリエル)を開発したと発表した。PC向けのVRヘッドマウントディスプレー「HTC Vive」を活用しており、施工管理者が体験することで、鉄筋配置の不具合発見などの管理技術を研修できる。
体験のためには2m四方のスペースが必要。HTC Viveのヘッドマウントディスプレーを装着し、コントローラーを使って教育用躯体の不具合箇所を探す。
大林組によれば、建物の鉄筋の配置は一般的な構造図で表すことが難しく、細部は別途「標準配筋図」を利用するとのこと。建物を施工管理する際には、この標準配筋図の記憶と、実際の工事現場を目で見て不具合に気づくという感性が必要だ。
そのため同社では、教育用の躯体モックアップを自社施設内に組み立てて研修を実施していたが、この場合、不具合箇所が固定されていたので、同じ受講者が繰り返し学習する用途には不向きだった。さらにモックアップの作り変えでコストや時間がかかったり、受講者が教育施設に移動する必要があるといった課題を抱えていた。
そこで今回、VRielの開発に至っている。同ソリューションでは、会議室や研修会場などに持ち運べる上、不具合箇所の変更も容易で、実際に体を動かして体験するため不具合に気づく感性も身につきやすいという。BMIデータ(Building Information Modeling、三次元設計データ)を活用できるため、さまざまな用途の教育ツールを容易に作成できる。
大林組によれば、このVR用の教育プログラムを流用して、タブレット端末でも学習できるようにシステム開発を進めていくとのこと。また、MR技術を活用も視野に入れているそうだ。
共同開発として、積木製作が参加している。
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