【連載】神足裕司 車椅子からのVRコラム「VR PARK TOKYO その1」
6年前にくも膜下出血で倒れた人気コラムニストの神足裕司さん。闘病中の氏が車椅子の上から隔週でお送りしているVRコラム第5弾です!
渋谷に「VR PARK TOKYO」というVRアトラクションが楽しめる所ができたとテレビで見かけた。さっそくいってみる。「渋谷の中心の異空間」まさしくその通りである。一つ一つのアトラクションに入った瞬間にそこは全く違う場所となる。車椅子の人は要相談。楽しめるものもたくさんあるが事前に連絡したほうがよさそうだ。ネットで時間を予約していくのだが、平日にもかかわらずかなりの人が入場を待っているのには驚いた。ジョイポリスやハウステンボスなどに続き、VRの魅力も若者を中心にかなり浸透しているのが感じられる。ゲーム ADORESの4階ワンフロアーに9つのアトラクションがある。
入場すると国内初という「JUNGLE BUNGEE VR」、バンジージャンプのアトラクションが見える。ちょうど下の階の吹き抜けのところにハーネスがぶら下がっていて、「本当に落ちるの?」そう始める前から精神的にドキドキしそうです。レーシングカーや、空飛ぶ絨毯など、かなり本格的なものが置いてあり入場して視覚的にも気分を盛り上げてくれました。
車椅子からの移乗が難しそうだったので最初はあきらめていましたが、まずは「T3RSimulator」というアトラクションに向かいました。現役のプロレーサーが開発した専用シートというだけあって座席は深く腰の上までしっかり包むような本格的なもの。その小ぶりなハンドルを持てばすっかりレーシングカーに乗り込んだよう。座っただけでもレースに挑む気分です。初心者用でコースに同行者が参戦しました。地面から伝わる振動もハンドルにかかるGもアクセルを踏み込んでいく圧力やスピード感。視覚からもボディーからも聴覚からも感じて実際のコースにいるようだったという。何回もクラッシュしそうになりアクセルを緩めてしまいましたがもっと踏み込んでレーサーさながらの体験をすればよかったとちょっと後悔、アクセルを踏む勇気が出ないほどリアルだったとのこと。
ボクは一番人気だという「ソロモン・カーペット」魔法の絨毯で飛び回る体験をした。ボクは車椅子から降りて絨毯に座って参戦。
畳2枚ほどの絨毯の上に立つと(僕の場合座るとだけど)実際その絨毯が前後左右にフワフワ揺れるのでゴーグルをつけて映像の中に入ればまさしく絨毯は空高く飛んでいる。山の頂のような岩の穴をくぐるときは頭をくすめてしまう。大空を飛び回り魔法の杖でモンスターを切り捨て退治していく。スピードを身体に当たる風で感じて進む。最大2人まで参加できると言う。二人で協力し合ってモンスターを倒すことができる。いままでのゲームより数段楽しい。だってスクリーンの中に自分が入り込んで経験しているように感じるから。これからもどんどんVRのアトラクションが気軽に楽しめる所が増えるだろう。ぜひ、「VR PARK TOKYO」で人より先に体験して欲しい。
次回はVR PARK TOKYOの第2弾をお届けです。還暦を迎える神足さんに会えるイベント「●●だよ! コータリさん」シリーズ第3弾が8月5日に開催されます。みんなで神足さんに会いに行こう! →還暦だョ!コータリさん~猛暑を乗り切る60歳の知恵袋
●著者紹介
神足裕司(こうたりゆうじ)
1957年、広島県出身。黒縁メガネ・蝶ネクタイがトレードマークのコラムニスト。「金魂巻(キンコンカン)」をはじめ、西原理恵子との共著「恨ミシュラン」などベストセラー多数。2011年にクモ膜下出血発症。1年の入院生活を送る。半身マヒと高次脳機能障害が残り、要介護5となったが退院後、執筆活動を再開。朝日新聞をはじめ連載も多数。最新刊は「一度、死んでみましたが」「父と息子の大闘病記」などがある。
●関連リンク
・VR PARK TOKYO
・朝日新聞デジタル 連載 コータリンは要介護5
・神足裕司Twitter
・還暦だョ!コータリさん~猛暑を乗り切る60歳の知恵袋
※車椅子でのご来場は事前に店舗へのご連絡をお願いいたします。